満足度★★
最初に「視線」が気になって・・・
多分、普段は練習場として使われている場所が会場。
そして、小道具はほとんど使わず、舞台部分としては、数段段差が設けられている程度。
衣装は、上は白色系、下はジーンズで大体統一していたようで、役柄に合わせたものではない。
そして、リーディングではあるが、十数人が登場し、役者の振り・動きは多い。
それで、私が初めに気になってしまったことは、十数人登場した役者は、
振りはあるものの、視線がみんな「台本」を、じっと、しっかり見ていること。
もちろん、リーディングだから当然、と言ってしまえばそれまでなのだが。
ただ、普通のリーディングは、振りもなくて、言わば「話芸」の世界ですよね。
でも、その台詞回しが素晴らしければ、観客は豊かな想像を膨らませ、
十分に楽しむことができる。
ところが、振りはあるものの、視線だけは、発話者でも対話者でも、
興味のある光景にでもなく、ほとんど持っている台本に注がれてしまっている・・・。
そうすると、どうしても振りが中途半端に見えてしまって・・・。
ここは、見解が分かれるところかもしれないが、個人的見解としては、
リーディングであれば、むしろ振りなどは抑制して、観る者の想像力に委ねるか、
あるいは、ペールギュントのような内容であれば、
豪華な舞台装置や衣装のもと、派手に(?)やるか、
どちらかの方が良いような気がした。
それから、ペールギュント役はじめ男性陣は、割と叫ぶように台詞を発していて、
それが、響き過ぎるこの部屋では、大き過ぎるな、と感じてしまったり、
特に、主役については、次第に年を重ねていくわけで、
最後の自分の人生を回顧させられる場面など
(不勉強だが、ペールギュントの終わりがこういう話とは知らなかった・・・
イプセンの後年の作品を予感させる)、
「年を経た者」としての台詞回しが欲しかったところ。
その点、女性陣の方はもうちょっとしっかりできていたような気がした。
それと、公演時間3時間(事前に2時間15分と聞いていたのだが)で、
しかもキャンプなどで使用するようなビニール張りの折りたたみ椅子だったので、
最初はクッションがあるような気がして、
パイプ椅子より座り心地が良いと感じていたものの、
椅子が小さいせいもあって身体のどこかが痛くなってくるような次第で、
(若い頃は椅子が固いことなど全く気にならなかったのだが、)
正直、きつい思いをした。
ただ、音楽はグリーグのものの他、
弾き語りも多用され、これは贅沢な思いがした。
それと、まあ余談だが、パンフレットによると、結構、
映画やTVドラマに出演歴のある方が多いようで、
美形の女性が多かった気も・・・。