川にはとうぜんはしがある 公演情報 川にはとうぜんはしがある」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-5件 / 5件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    劇団5454の窪田道聡さんご出演との事で、初めて観劇の、ばぶれるりぐるさん。
    全編が方言(土佐弁?)なのだが、そこは日本語、たまに未知の単語があっても何となくわかる。むしろ特有の感覚さえ感じた。
    それぞれが、自分自身の経験から、良かれと思って勧める人生の選択。
    それは正しくもあり、正しくもない、人それぞれ。
    人間関係が丁寧に描かれて、とても温かい気持ちになった。
    素敵な劇団だったなぁ。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    同じ竹田モモコ作の「ぼっちりばぁ」(青年座)を観たばかり。ばぶれるりぐる「いびしない愛」を観たアゴラで、同じく劇団公演での竹田作品だったが、関西役者(だけでなかった)によるノリか、演出か、ある種の芝居のリズムがあり、すき間があって想像力を駆使させられる。舞台は母屋と離れそれぞれの出入口とその間の土間、また離れと言っても屋根があって雨に降られずに移動でき、屋外とは壁、扉で隔てられいるので建物は別でも「内部」。そういった設えなのだがアゴラという事もあって「離れ」との距離が近い。なのでタイトルの「川には・・」の川として見るには、若干無理があり、相互の「隔たり」がテーマだろうに近いなあ・・と終始感じながら見ていた。すのこを置く事で便利!とより実感できる距離が、理想的で、対岸に立って対峙する時の距離感も、もう少しばかり、あると良い・・等と無いものねだりをしても仕方ないが。
    大分あとになって確認した所、役者は「劇団員」ではなくオファーした人たち。渋い空気出してるなあ、と思わせる妹の旦那役。妹役も関西では色々と活躍との事。姉は竹田モモコ。本人が出演していたとは露知らず。他県から移住の若者は劇団5454(今はランドリーと添えるのかな)団員、残る娘(妹の)役が一人朝鮮名がいるなと思っていた若手で、実は関西の朝鮮高校出身。高校時代に(演劇部設立が叶わなかったので)劇団を3人で立ち上げ賞を取り韓国の演劇フェスに招待された(5年前)経験を持つその一人。持ちキャラでもあるらしいハキハキした役で大人らの先を行く。そして妙に理解が良く人当たりも良い青年は元広告代理店勤務で、これも年輩の姉妹の先を行く。見た目で年齢を判断して良ければ最年長の妹の夫も飄々として若者の波長を理解していた。
    という訳で、この芝居は姉妹が互いに反発を覚えながらも励まし合う関係へと「促される」お話。押さえていた(とはずっと見えなかったが)感情が最後に溢れ出る情景が美しい。
    デザインの仕事を家賃無しの四国の実家で継続して行こうと決め東京から出戻った独身の姉が離れに住み始め、二十歳になろうとする姪(妹の娘)が実は絵が描けて、自分の仕事の手伝いをやらせてみてその異才に気づき、自分が一歩引いてでもその才能を開花させたいと思い始める。一方娘が地元で勤めていた手作りパン屋を休みがちになり始めた頃から妹の娘の将来への懸念と姉へのわだかまりが大きくなる。芝居の冒頭で「空き家情報」を見て内見に訪れた青年はちょうど姉の引越し後のゴタゴタの場面に立ち会い、またバイトからちょうど戻って来た娘が、住居に困った彼に別の空き家情報を提供するといった事でこの家族と知った仲となる。姉と姪が二人になると姪は「さきちゃーん」と甘え、話の出来る姉のような存在であった事が薫って来る。
    竹田モモコは高知県の幡多地区を舞台にした幡多弁による戯曲にこだわった劇作家だが、田舎の事情を組み込みながら現代にアプローチする。今作では田舎に飽き足らない(その人口比は現実には高い)人の都会志向と、田舎に馴染んで育った人の田舎で完結する傾向とを対置し、妹の後者を体現させている。現実にそこまで田舎の人間関係を厭わず受け入れ、それを代々引き継いでいく事を肯定的に積極的に受け入れている人格があるのか私には分からないが、情報化の現代を最も象徴する広告代理店を離職した若者を登場させ、都市的価値観の限界と、地方の限界とを提示する作品がこの作者によって今後も生み出されて行くのはこの上なく楽しみである。

    ネタバレBOX

    姉と妹のキャラが逆、のモンダイ。
    アーティスと志向で出戻った姉・早希を竹田女史が演じるのは配役として理解できるが、風情がどう見ても姉妹が逆であった。最初は「姉」と認識していても、見ている内に妹・陽子の方が姉だと認識していた。
    姉は肩身が狭いとは言え、幼い頃から年長は生来偉ぶるのが習い性で、その片鱗が見えるとか、妹の方が少し遠慮してるとか(姉を怒らせると怖い、とか)、あるいは、一般的な形から少しはずれた風変わりな姉妹なら、それが分かる場面やエピソードがあるとか。
    単純に妹が姉を「さきちゃん」と呼ぶ呼び方が上から目線。せめて「お姉さん」と呼ぶ、等があれば少し違ったかな。
    そうしたディテイルは観客としては見たいものである。
    姉は飛び出し、妹は地元に収まる、という設定にしたい気持ちは分かる気がするので。。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/02/25 (日) 13:00

    観るのが2回目の、全編土佐弁で上演するユニット。面白い。110分。
     古い民家、母屋と離れを結ぶ土間が舞台。家に残った次女の陽子と入り婿の博樹・娘のみまが住んでいるが、諸事情で神戸に出た長女の早希が離れに住むことになる。その引っ越しの日に、空き家バンクの募集を見て借りようとして来た生田目を加えた5人の会話劇。一定した生活を送っていた陽子の一家が、出戻りの長女と「異物」の生田目を得て、変化する様を丁寧に描く。どうするんだろう、と思わせる展開もあるけど、希望を持って終わるあたりがいい。母屋と離れの微妙な距離が、近づけるけれども一歩では行けない「家族」の有り様を示しているのだと思う。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    出演者が誰でも観に行こうと思う劇団の1つが、ばぶれるりぐるです。
    でも、今回の出演者は私得でした。
    メガネニカナウというイベントの主催をされていて、関西では知らない人のいない役者でもある上杉逸平さん、ばぶれるりぐるの常連で関西の演技派女優、大江雅子さん。東京の劇団、劇団5454(ランドリー)の窪田道聡さん、唯一観たことなかったけど、とっても元気で可愛かった梨花ちゃん。

    続きはネタバレBOXで、

    ネタバレBOX

    土間が舞台って今まで見たことないです。
    しかも、母屋と離れの土間。
    それぞれに土間。こういう造りの家って存在したのかな?

    昔、おばあちゃん家に土間はあったんですけど、うちの土間には鳥かごがぶら下がってたなぁ。犬とかペットは土間で飼われてたような気がする。

    いつもニコニコだけど、鬱だったり色々あって仕事辞めて移住してきた生田目くん。
    それだけに、早希の気持ちに敏感。本人は気づいてない気持ちを察して悲しんで、泣かないためにステップを踏む姿に笑うというシュールな状態。
    早希が実家に帰ってきたのも同じような理由もあったのかもなぁと思った。
    自分では気づいてないかもしれないけど。
    そうなってたのかもだし、そうなってるのかとだし、そうなる前にと思ったのかもだけど。

    実家から出ていった姉の代わりに実家を継いだ妹の陽子。
    昔だと家は長女が継ぐものとかあったのかもだけど、早い者勝ちで出ていかれた感じ?
    姉には才能があるけど、自分は何の才能も無いからと譲ったんだろうなぁ。
    自分も出て行っちゃえば良かったのかもだけど、そうは出来なかった。
    多分なりたかったものや、やりたかったこと、色々捨ててきたんだろうな。

    でもきっとそれなりに幸せな人生を歩んできたんだと思う。
    優しくて可愛い娘と、独特で面白い旦那さん。
    凄く幸せな家族だと思う。
    それだけに、娘の才能に気づいた時は恐怖したと思う。この幸せを失うかもしれないという恐怖。

    嫁を名前で呼ぶ旦那さん。
    昔は母さんと呼んでたっぽい。
    名前で呼ぶようになったのは、娘が出ていくことを意識してかなぁと思った。
    娘には娘の人生がある。
    これからは2人で人生楽しもうよの名前呼びなのかなぁ?と思った。

    なんも考えてないように何かは考えていた娘。
    就職先はフィリピンのコールセンター。しかも日本人相手って、それは特殊詐欺なのでは?と思ったんだけど違うことを祈る。

    最後に早希が陽子を抱きしめて言った言葉に泣いた。数年後、誰か私に言って欲しい。

    やっぱりばぶれるりぐるは面白かった。
    いっぱい笑ったし、いっぱい泣いた。
    また、東京公演があることを祈る。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/02/22 (木)

    面白かった!
    丁々発止な言葉の応酬が楽しく、1年を通しての古川家の変化がズシンと心に響く。
    だけど重たくはなくそれぞれの明日が楽しみになるような。

    ネタバレBOX

    ボックス踏みたくなる気持ちわかります!!

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