満足度★★
芝居は【完全版】?でも・・。
芝居としては、昭和のレトロ感たっぷりで、役者さんを始め舞台・照明・音響、殆ど完璧で良い作品であったと思います。(☆4つ)
但し、客席の一部のお客さんの立場より・・完璧への拘りも必要ですが、折角の良い劇場でも、箱に合せた舞台設営の心配りが・・。
広い舞台の中央にセットがあり左右5~6mは空きスペース。客席上手側の前方付近から舞台を見るとセット(レトロで大型なデレビ・ステレオ+その先に応接セット)の背中が視界を遮り、更に平場から約70センチ程せり上がったメイン舞台は最前列からは略目線と同じ位置となり、左斜めを更に見上げる状態で、斜め目線の右半分は、一体何が起こっているのやら、もうさっぱりで・・下手の演技も見辛く、首と眼が疲れたので、途中で観る事を諦め聞く事にしました。めちゃくちゃ見易いシアタートラムの最前列で、あの有名某劇場の2Fサイド席より視野が狭い客席へ導かれてしまうとは・・。上手字幕の略正面で字幕が良く判った事と、上手奥の廊下導線で目隠しを、し損なった通路途中の一部が良く見え、次の登場人物がいち早く判りはしましたが・・。
顔は正面、聴覚を研ぎ澄ませながらでも、芝居は良かったので、リーディング劇であったと思う事にしました。目出度し、目出度し。。
<終演後>
芝居のキーポイントとなる下手側“資産家”の玄関ホールを拝見しましたが、お手伝いさんが掃除に時間がかかり、玄関外側の帰宅した子供の影が全く見えない様な作りでは無く、どちらかと言えば狭い玄関で、益々セットの整合性の無さにビックリしました。それよりも2階の空中回廊の無駄な立派さには・・。元々の良席をハナモズクさんに譲り、追加最悪席を下名が進んで選ばせては戴いたのですが・・。(大人げないでしょ)
この様な場合、客席を敢えてブランクにする良い劇団さんも存在します。空いている後方席への誘導もありかと・・。(ほんと、大人げないしょ~。)
終演後のアナウンスの声の挨拶、多分、子役の“吉水さん”と思われますが、救われた感がありホットしました。
又、ロビーにて、『ホントウの間柄(シアターまぁ)』で好演されていた「聖ルドビコ学園」の“上杉さん“をお見かけしました・・とさ。目出度し~でチャラ。
<ハナモズクさんのコメント>
サスペンスでしたが、役者(女性)さんの感情剥き出しの演技(愛するが故の憎しみ)良かったですね。女性を庇ったのは愛するが故なのか・・、甘すぎるやさしさの果て、結局子供が犠牲になってしまう。残念・・・。。☆3
満足度★★★★
少し薄まったか
物語は確かに外伝部分を加え再編集しているので、物語としては完成度がさらに上がっていました(さらに重いが引き込まれる作品となってました)。
ただ、初演で観たあの濃密な空気は、劇場が大きいからか薄まっているように感じられました。
満足度★★★★
濃密な闇
年明けすぐに冬に舞うモスキートをみて、あの強烈な闇にえぐられ、ものすごく飲まれそうになった。
いい意味で実に後味が悪く、ここまでできるのはすごいと思った。
その期待度の高さでみた今回。
劇場が広いせいか、再演で話を知っていたせいか、そこまでおえっとなる程飲まれた感はなかった。
緊張の糸がはりつめたまま最後まで展開する様は圧巻。
しかし、その闇へのひきずりを期待していった分ちょっとものたりない感じ。
ということで評価がこんな感じです。
最後のカーテンコールのあとは社長に中指立てたくなった。
満足度★★★★★
濃密で微妙な心の機微
色々賛否ありますが自分には見応えがある最高な話でした。時代背景にあったセットも役者の言動もリアリティがあって良かったです。役者さんの演技も確かにステレオタイプと言われればそうかもしれませんが、それを補って余りある演技だと感じました。
作品自体はミステリーの醍醐味であるフーダニットやハウダニットやホワイダニットよりもその裏側にあるものに重点を置いていたような気がしますし、逆にそれが単純なミステリーにならず愚かな人間たちの悲喜劇になっていて良かったと思います。自分は娯楽作品としてただひたすらに演者たちのやりとりに身を任せて、吐き気を催すどころか心地良く引き込まれてしまいました。
満足度★★★★
初演版を還骨脱胎した感覚
元々サスペンスよりも人間ドラマに重点を置いた作品に人間喜劇的な要素とコワさを加えて振れ幅を大きく還骨脱胎した感覚。広くなった舞台に対応すべく拡げたのは装置だけでなく内容も、みたいな…(笑)
また、各登場人物の造形も多面的で◎。
客席の空調は心地良いので文句はないのだが、「昭和の夏」の雰囲気を出すためにもう少し設定温度が高めの方がより効果的だったかも、とも思った。…とはいえ、実行したら「暑かった」という苦情が殺到するんだろうなぁ。
満足度★★★★
すばらしい作品だったが
いい作品は、見終わった後の帰り道で何度もシーンを反芻している。
JACROWはいつもそうだが、今回は反芻度合いが低かった。
それは役者との距離が遠くなったためか、
サンモール版での強烈な印象が美化されたためかはわからないが。。。
前から6列目でも、声がやや遠く、
”濃密な空気”を作るにしては、少し空間が大きすぎたような気がした。
昭和の香りがちゃんとしました
素敵なセットに圧倒されました。昭和のちょっと田舎のお金持ちの家って確かにこうだった!というリアルさ。女優さんのぺらっとして野暮ったいツーピースも昭和で素敵でした。でも、靴下とか、靴とか、細かいところが平成だったのが残念。一部の役者さんの発音、発声、身体が平成だったのもちょっと残念。
とにかく華があって、シアタートラムの空間に負けてないどころか、役者の華でいえばもっと大きいところでも行けるのでは?と思いました。
満足度★★★★★
JACROW 一皮剥けたか...
重い内容はいつも通りで観るものに逃げ道を与えない感じも,いつも通り。むしろハコのスペースがあって遠くから観れた分,少し息がつけた感じでした。テレビやステレオがホント懐かしい。天井から下がっていたライトとか,いろいろな部分でかなり工夫されているのが見て取れました。それから,社員が何となくテレビを見ながら社長宅の応接間でお弁当を広げたり...今や,あんな習慣ないもんね,多分。懐かしき,昭和の香りがたまらなく薫って参りました。 和田社長タイプの人物,実は案外身近に多くて...世の中あんなものなんだ,という救いの無い感じもひとしお。岡本さんに良い所を持ってかれた感じもあります。次回は蒻さんにも良い役を,ね!間違って,蒟崎で予約した気がします。申し訳ありません! 劇団もひとつ階段を上がった気がします。次回にも期待いたします!
満足度★★★★
映画のようなつくりだが
初演を観ていないが高評価の噂は聞いていたので、観ておきたかった。
TVのサスペンスドラマというよりは昔の映画シナリオに沿ったようなつくりだと思った。
舞台美術は確かに立派だが、やはりシアタートラムは中劇場規模で、俳優たちの演技の質が小劇場の尺に合ったものになっているのは否めない。
だからといって、同じ台本で大劇場に慣れた有名な俳優を使えばいいかというと、そうは思えない。
この作品はやはり小劇場で、息をつめて観るほうがふさわしいと思った。
昭和に多く作られた映画の小品はいまの時代には映画界の構造上、期待できず、私は中村暢明には、そういった心理劇の佳品を舞台で手掛けてもらいたいと望む。
満足度★★★★
重い
昭和を感じさせる雰囲気。
役者さんたちのお芝居も素敵で、息苦しいほどに引き込まれました。
でも、期待していた「吐き気がするほど濃密な空気」とまではいかなかったかも。。。
舞台が・・・忠実に作ってあるのだろうけど、場所によって観にくい。
あの劇場を活かしきれてないように感じました。
満足度★★★★
息づまる
じっくりと緻密に描かれている。緊張感がひしひし伝わる。なんともやるせないJACROWらしい芝居であった。
ただ、この芝居はトラムでよかったのであろうか