天使は瞳を閉じて 公演情報 天使は瞳を閉じて」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-12件 / 12件中
  • 満足度★★★★★

    大変遅くなりました、、
    感想を書いてませんでしたすみません。ネタバレ欄にブログ記事の転載をします。

    ネタバレBOX

    第三舞台での人気作品の再演とあって、まず驚いたのは、チケットが凄い勢いで売れてしまって千秋楽が取れなかったこと。リピートの予約は初日を観てからでと思っていたのに平日も早々に売れてしまい、結局3回しか観られませんでした。(前回公演「アンダー・ザ・ロウズ」は5回、その前の「エゴ・サーチ」は6回観ています。凄いのです虚構。何回でも観たくなる。)

    それにしてもやはり人気の作品。心が洗われるような珠玉の言葉の数々と、痛烈な社会批判とを、胸躍るエンターテイメント性に絡めていて盛り沢山。存分に楽しみ、存分に考えさせられる重厚な演劇でした。

    お話は実にタイムリーで。原発事故での放射能汚染地域に入った人達の、透明な壁の中での物語。そこで生きる人間達を見守る天使の目を通して、人間の愛しさや尊さそして愚かさが語られます。背中に羽根が生える奇病は、人間達の驕りの象徴なのかもしれません。自分達は神と同等の力を得て空を飛べる、と。

    天使の役目は、ただ見守ること。時にはもどかしさを感じ、時には嘆き悲しみ。そして時には、禁を犯してそっと手を差し伸べる。

    その天使を演じた小沢道成くんの演技がとてつもなく素敵でした。本当に人間なのか、本当は天使なのではと思わされるほど透明感に溢れた佇まいと表情。人間達を見守る慈しみの微笑み、深い深い嘆き。私の知る限り、この天使を演じることができる役者さんは彼の他にいません。あまりに繊細な空気に彩られた天使としての存在感やその語りに、終盤涙が止まりませんでした。

    もう一人、注目をした役者さんが。ロックミュージシャンと不倫をしている役柄の高橋奈津季さん。その秘密を恋を表す表情に。誰がどんな演技をしていても、「彼女は今どんな面持ちなのだろう」と表情を確認せずにはいられませんでした。不倫に限らず、女なら誰でも、人に言えない恋の一つや二つはしたことがありますよね。彼女の演技を観ながら、胸がチクチクと痛むのを楽しんでいました。

    それにしても、脚本・演出の鴻上尚史さんの社会批判の表現はこれ以上無いほどのストレートさ。その影響力を考えたら、国家レベルでの圧力がかかってもおかしくないと思うのですが(汗)鴻上さんだからここまでできるのか、ここまでできるから鴻上さんなのか。凄い方だなぁ・・・。
  • 満足度★★★★

    「第三舞台」さすがの代表作でした
    7年ぶりの再演。その当時 本作は構想が広大で、3D/TVを予見させる様な独創的な演出もありで、大変大きなインパクトを与えた作品であったと思われます。今の観客はピンと来なかった様に感じましたが“電通太郎”も大いに受けたものと思います。テンポもストリーも面白く、間違いなく前作より役者さん目は生き生きと輝いていた様に(も)、観えました。
    とても便利な「中二階の部屋」(ドラエモンのポケットの如しorブラックホールの様に便利な空間)の中で一体何が起こったのか?気に成った儘の終幕、客席の想像力に任せる・・もありかと思われますが、部分的ぶち抜きで(公演時間に影響無き様、本編並行進行にて・・)多少チラリズムのサービスがあってもと・・、贅沢を言わせて戴けたら・れば・・。。☆4.4

  • 満足度★★

    いまひとつ
    どうしてあれほどに「馴染んでない」感を抱いたのかわたしにも分かりませんが、とにかく、いまひとつ。これを虚構の劇団でやるのはまだ早いんじゃないかな。

  • 満足度★★★★★

    もう一度見たい
    二時間あっという間だった。鴻上さんが29歳の時に書いた作品、20年以上前にう書かれた作品というのにも驚く。

    ネタバレBOX

    ラスト、天子がひとりでカウンターを拭いている姿をみて、思わず泣きそうになった。

    DVDでインターナショナルバージョンを見たことがあったのだけど、やっぱり舞台は生で見ないとわからないなと思った。

    天使役の小沢君、大杉さんが良かった。
    この劇団が、鴻上さんから巣立った作品を見てみたいなとも思った。
  • 満足度★★★★

    あの頃と同じ
    21年前、大学の新人公演で上演した頃を思い出す。あの頃と変わらない台詞。あの頃と変わらない世界。核爆発におびえる今の日本の境遇と相通じる部分に恐怖と感動を覚える。

    つかなかった自分たちの21年前。しかし、私が演劇を志すきっかけをくれたのがこの作品。以後21年間走り続けている。(歳を取るはずだw)

    当時の仲間はそれぞれの道に進んでしまった。もう、一堂に会することはない。しかし、この作品が出合えたことが私にとっては一生の宝物。そしてまたいつか、新たなメンバーでこの作品を関西でやってみたいと強く思った。

  • 満足度★★★★

    楽しかった
    鴻上尚史さんの作品とは、今回初めての出会いでした。
    舞台の上で弾ける若い役者を見守る、大高さんの優しい眼差しがとても印象的でした。

    重いテーマはありつつも、そこにある人間模様は面白く、歌やダンス、セットなどエンターテインメントとしてもしっかり成立していて、爽やかな気分にさせてもらえました。

    ネタバレBOX

    永年に渡り連綿と作られた安全神話の壁は厚く、人類は未だ核エネルギーを卒業出来ていないわけです。
    20年前に書かれた戯曲が、現在進行している事象への鋭い告発となるとはなんたる、舞台の力を感じるとともに、深い悲しみや怒りを惹起させます。

    呑気に芸術を味わっている場合か、何か行動を!という思いもあるが、同時に人間らしい文化をきちんと作り続ける努力がなければ、土地を奪い生活を破壊したものとたたかい、当たり前の人間らしい生活を回復することは出来ない。

    衣食住を満たすことだけでは、人間はこの社会を持続することさえ出来ない、というのが今の事態から汲み取られる教訓だと強く思いました。

    つまりは、どんどん舞台を観に行くぞ、という事です。
  • 満足度★★★★

    名作
    らしいのですが、予備知識無しで観劇。
    とても悲しく、考えさせられるお話。
    なのにテンポが良くて、笑いありダンスありで、それほど重たさがなかった。

    仲の良かった人達がいつの間にか関係が壊れてきて、もう楽しかったあの頃に戻れない切なさとか、信頼している人が見えないところで何かしていて疑心暗鬼になったり、自分にも思い当たる節があって心がザワザワした。


    後から知ったが初演時の設定は核戦争後の近未来の物語らしい。
    今の日本はその状態と言うことか・・・。

  • 満足度★★★★

    見てきました。
    新鮮でした。

  • 満足度★★★★

    いまなのか
    第三舞台で初演の脚本で、一部改定はあるみたいだけど、今だからこそ上演したんだろうなとおもった。はなしを理解できたとはいえないが、派手ではないけれど印象に残るシーンが多くあったのでよかったです

  • 満足度★★★

    「第三舞台」の代表作ということですが
    この劇団は結構好きでよく見ていますが、今回は期待が大きすぎたのかいまいちに感じられました。

    踊りや歌もありすばらしい仕上がりでしたが、どうも気持ちが乗ってきませんでした。次回作に期待します。

  • 満足度★★★★

    空しい
    人類の愚かさ、コミュニティの発展とは何か、嗚呼空しい。

    ネタバレBOX

    事故が起きた原発から他の地域に放射能が漏れないようにと建設された半径30km(?)の透明なドーム内に取り残されたのに、その後、他の原発事故などが起きてドーム外の人類は全て滅亡し、今や人類はドーム内にしか存在しないという皮肉さ。

    楽しく暮らしている人たちを見た天使が憧れて人間になるくらいのコミュニティでしたが、人間は変わるもので、無邪気さが無くなりぎすぎすし、外部の様子を知らない人たちは常に外に出ることを希望していて、最終的にはマスコミに扇動された人たちの人力によってドームが破壊され、その結果人類は滅び、免疫力のある天使出身の人間だけが地上に残されたという話。

    ドームを破壊する前にコーマエンジェルという幼児に退行させる薬を飲まそうとしたはずなのに…、水源の池に投入しても間に合わないか。

    シーンの転換で、ダンスが終わり薄暗がりの中で役者の退出と同時に大道具を運び出す仕組みになっていましたが、明かりが戻って役者が登場し始めてもまだ大道具を片付けようと一人で引っ張っているぐずぐずさは見ていてがっかりしました。
  • 満足度★★★★★

    名作が生まれ変わって蘇る。
    若手劇団、虚構の劇団にたったひとり大高洋夫が加わっただけで、ぐっと芝居が落ち着いてくるから不思議だ。安心して観ていられる。第三舞台の名作を弟劇団の若手が現代の作品に蘇らせた。古くささがないどころか、どこよりも新しい。

    女性陣のファッションにも感動。いったい何着衣装替えするんだ!そういった楽しみも味わいつつ、鴻上尚史の骨太の物語を堪能。

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