新・ワーグナー家の女 公演情報 新・ワーグナー家の女」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-5件 / 5件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    証言から人物像を浮かび上がらせる構成、面白かったです!
    親娘のすれ違いがもどかしかったです

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    話は面白く母と娘の関係性がとても良かっただけに、取り巻く人間関係がわからない部分がありもっとワーグナーの事を勉強してから見ればよかったと反省。ピアノ演奏と照明が舞台をより華やかに演出していて良かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    福田善之戯曲の上演。宮本研等が物する歴史劇の範疇で、歴史上の事実が「今」を照射するその事の意味が戯曲の中で言語化される部分が、「時代」を微かに感じさせたが、微かに、であった。ワーグナーを父に持つ女、その娘に当る女が主たる登場人物で、証言と、対話が舞台上の事象として現出し、入り込んだ。
    苦労しながらも一人語りの台詞を繰り出す年配女性の目(を中心とする表情)に、非常な既視感を覚えたが、「そういえば出演者は・・」と思い当たったのは観世栄夫であった。(顔が似ている事を特に記す事はないが、あの目の力は中々である。以前一度だけ篠本氏演出の読み芝居で目にしたが真正面では見られなかった。)
    芝居は丁寧に作られ、タッチが良い。一つ一つの場面、出番を丁寧に作る。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    濃密で緊迫した母娘の会話劇。
    物語は1946年、廃墟と化したドイツのバイロイトで開かれた委員会に参考人として召喚された女性、そして もう一人の若い女性の対峙を通して戦時中のナチスドイツ(ヒトラー)の関係を明らかにする。初演は2004年、このような芳醇な香りを思わせる公演は初めてである。

    1946年という設定であるが、会話から現代に通じる問題が次々に浮かび上がる。第三帝国という破滅への背景には、当時の不景気、不寛容、防衛のため…どこかで聞いたような言葉が述べられる。現実に世界のどこかで戦争や紛争が続いている。それは対岸の火事(戦火)ではなく、グローバル化した現代においては何らかの影響を受け、与えることになる。そんな怖さを感じさせる。

    ピアノの生演奏(「タンホイザー序曲」を始め有名クラシック音楽)という贅沢さ、2人の女性は勿論、委員会委員(コロス)、そして場内に飾られた肖像画等への照明が物語を印象的・効果的に観(魅)せている。また コロスは(有名)指揮者であり、ナチス兵・委員という複数の役を兼ね時の流れを表す。

    立場の違う母と娘…チラシでいうところの敗戦国ドイツ、戦勝国アメリカ、どちらにしても「バイロイト音楽祭」はワーグナー家が仕切ることが出来た。そして 戦中・戦後の一時期を除き、「バイロイト音楽祭」は 別名リヒャルト・ワーグナー音楽祭といわれるように、彼のオペラ・楽劇を演目としており、現在も続いている。その意味では<音楽祭>を守り継続させるための 母娘の深謀のような気もするが…。だからこそ「新・ワーグナー家の女」なのだろうか。
    (上演時間2時間 途中休憩なし) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は中央に大きめの椅子、周りに不規則に置かれた机と椅子。中央奥の壁にはヒトラーの肖像画が見える。また有名な指揮者の絵画か写真も飾られている。しかし何となく 廃墟然とした雰囲気が漂い、薄暗い中で母が淡々と語る。そして娘が登場し母と対峙してからは緊張感ある激論が始まる。

    物語は、委員会に召喚された母ヴィニフレッド・ワーグナー(観世葉子サン)とその娘フリーデリント・ワーグナー(新澤 泉サン)が、戦時中のナチスドイツ(ヒトラー)との関り、特に「バイロイト音楽祭」を巡り激論する。そこで明らかになるのは、ナチス時代にワーグナーがどう受け入れられていたか、そしてナチスとはなんだったのか。物語のほとんどは、この2人の息詰まる台詞の攻防に終始するといっても過言ではない。そして母の不遜 尊大な態度、娘の鋭い理論的な追及といった立場の違いを、観世葉子さんと新澤 泉さんが見事に演じていた。

    ナチスが、19世紀まで続いた伝統的な社会価値や秩序に対し、ある種の変革を打ち出し民衆の支持を得ていたらしい。 第2次世界大戦中も「バイロイト音楽祭」はナチスの支援下を受けており、母が時代を乗り切るため 生きるが故に矛盾や絶望に苛まれていた訳でもない。一方 娘はアメリカへ渡り反ナチ活動をしており、両者とも実情に基づいている。それ故 言葉(台詞)に誤魔化しがなく重みがあり、時代と人間のドラマを感じさせる。ヴィニフレッド・ワーグナーは、ナチス ドイツの傷を自らに刻みつつ、それからも運命に翻弄されながら逞しく生き抜いたようだ。

    公演は、リヒャルト・ワーグナー「バイロイト音楽祭」を題材にしていることから、彼の曲をピアノの生演奏で聴かせる。演奏は高橋瞳輝子さんであるが、彼女の衣裳は黒一色で黒子に徹したかのよう。この公演を影?からしっかり支えていた。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/08/31 (木) 14:00

    価格5,000円

    ジークフリート・ワーグナーの妻であるヴィ二フレッド・ワーグナー。
    彼女の証言を聞くため、バイロイトで開かれた委員会。
    そこには証言台に立つ娘のマウジ(フリーデリント・ワーグナー)と再会し、
    当時ヒトラーのナチス政権、ユダヤ人迫害などの真実を独自の視点で物語る。
    ピアノの生演奏とR.ワーグナーの楽曲が散りばめられた、クラシックファンにも嬉しい世界観が広がります。上演時間は休憩なしの2時間ちょい…少し長かったかな。

    ネタバレBOX

    今作品は自身もクラシック音楽をしている影響からか、
    主演女優2人(ワーグナー家)の長ゼリフも心地良く感じました。
    独白に関しては台詞の古典的な言いまわし。この台本が好きですね。
    滑舌の良さもさることながら、テンポ感が良い。
    観世さんの品のある低声域と新澤さんの少し鋭った強めの発語が舞台全体を引き締めます。

    特に良かったのは、小劇場の狭さを感じさせない照明の使い方。
    ピアノの音響効果とリンクして、非常に繊細な光の魅せ方なんです。
    場転から最後のシーンまで、効果的にキャストの配置や当てるポイントを工夫されています。
    細部にこだわった視点から、例えばトスカニーニとフルトヴェングラーの序盤の登場ですが、
    照明時に指揮を振りながら登場するのであれば、ピアニストと呼吸を合わせて
    アイコンタクトやテンポ感をもっと同調させるように演じるともっと良かったかな。
    のちにフルトヴェングラーの指揮も相まって、
    ライバル達の指揮とピアノから、周りのキャスト陣のパフォーマンスを更に広げて…と言うのも、
    舞台に拡がりが出来てくるように思う。

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