TRUST/UNTRUST【ご挨拶更新致しました】 公演情報 TRUST/UNTRUST【ご挨拶更新致しました】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★

    表現って難しいですよねっ!
    メロスと太宰が交互に演じられつつ、
    なんか実際の演者近況なんかも入っていたようですな。
    現代美術の画廊のような舞台セットで表現された世界でしたが。
    コンクリートの地に作業用鉄パイプ+油絵での作りは、
    作品世界にあってたかな?って感じました。
    精神世界の入力・出力は個々さまざまですし、
    こーゆーのもありかと勉強になった作品でした。

    ネタバレBOX

    はちみつシアターのお姉さん出てましたね確か・・。
    下の名前で呼ばれて嫌がってたのが可愛かったです(^^)。

    明暗ではなく役者の動きの停止と再動で切り替えて作品見せるのは、
    小さい舞台では有効でしたね。

    間近で見たメロスの赤フンとリアルな後日談とか、
    結構解釈されてるし、
    少なくとも両作品をきちんと読んでいないと楽しめませんな。

    相対性理論まで出てきて面白かったのに、
    なぜか眠気が・・・。

    いまふたつほど感性が合わなかったかなぁ。

    メロスのキャラも愉しかったのに何ででしょう?不思議な舞台でした。
  • 満足度★★★

    アートとはこういう
    2作品の絡みが有効であったようには

  • 満足度★★★

    難解かと思いきや、
    意外とメロスはメロスで、失格は失格。ちょっと長く感じたけど、スペースの使い方も面白い。意欲作。

  • 満足度★★★★

    演劇にとどまらない表現の力
    太宰治の二つの小説、
    それぞれの持つ色が独自のタッチで
    組み上げられて
    ひとつに収まっておりました。

    混じり合わない色の強さと
    重なりが醸し出す広がりが
    したたかに空間全体に置かれて・・・・。

    美術や画面を使った
    見せ方も作品の奥行きをしっかりと作り上げていて。
    作り手のもくろみどおりのものを受け取っているか
    観る側には知るよしもないのですが、
    すくなくとも
    客入れから最後まで
    貫くように描きこまれた世界を
    感じることができました。

    ネタバレBOX

    この公演、開場時間が開演の1時間前。
    時間どおりには行けなかったのですが、
    通常より長い開演待ちの時間を
    場内で過ごすことができて。

    舞台に当たる部分の奥側などに
    山ほどの肖像画がかけられている。
    自由に歩き回って観てもよいとのことだったので
    一枚一枚を眺めていったのですが
    それらの一枚ずつに個性があって。
    こちらが絵の中の表情時に入り込むと
    観る角度や距離によって、いろんな風に語りかけてくれる。
    まるで生身の人間のように
    デフォルメされた表情が創り出す
    立体感を持って舞台や客席を見つめている。

    その絵たちの前でお芝居が始まります。
    タイトルの通り、「走れメロス」を土台にしたTRUSTの世界と
    「人間失格」を母体にしたUNTRUSTの世界が
    舞台に表されていきます。
    ふたつの世界とも
    原作に極めて忠実というわけではないのですが、
    でも作品の骨格や、なによりも色合いがしたたかに
    醸し出されていく。

    片方の物語が進む間、
    もうひとつの物語を構成する役者がすべて舞台からはけるわけではなく
    そのまま止まった物語の位置でフリーズして。
    信頼や友情をあからさまにした「走れメロス」は
    メロスの理想が前面に押し出されて描かれていくし、
    一方で「人間失格」の世界には
    人間の弱さやずるさがしなやかに織り込まれていく。
    二つの物語が、
    交互に織り込まれて重なっていく中、
    自然な流れで
    それぞれが物語が同時にも動いて
    舞台上としての一つの世界へと積み上がっていきます。
    そこに現出するものは
    掲げられた肖像画たちの視線をも外枠にとりこんで
    観る側は太宰の脳裏の移ろいを
    俯瞰をしているような感覚にとらわれてしまう。

    あざとさというか表層的な表現、
    たとえば、メロスの朋友、セリヌンティウスの
    どこか能天気にすら思える信頼のうなずきや
    「人間失格」を演じる役者たちの衣裳に書かれた
    心情のあけすけな表し方・・・。
    でもそれらを薄っぺらい質感にとどめ置かず
    しっかりと奥行きを創り出す力に変えていく
    お芝居のボディを
    役者たちそれぞれの個性と演技が支えていく。
    空間全体で描き出されていく
    太宰治の感覚が
    観る側に実存感を持って伝わってきます。
    単純にお芝居に取り込まれるのではなく
    様々な表現の質感に浸る中でやってくる
    複数の感覚に太宰治の思考のリアリティを感じる。

    当パンによると
    「つくったものを、つくったあとで、今度はこわす」
    ということらしいのですが、
    観る側にとっては「こわす」印象がほとんどなくて、
    演劇やそこから踏み出したパフォーマンス、
    さらには絵画などもしたたかにとりこんで、
    空間に造形を施して見せてもらった感じ。

    初日の客出しに空気が解けた場内でも
    さらに内向的につづくダンボール箱のパフォーマンスも
    気がついた瞬間にしっかりと機能して、ぞくっとくる。
    舞台上にとどまらない表現たちからやってくるものが
    劇場を出ても暫く抜けていきませんでした。

    この舞台、
    回を重ねるに従って
    さらに心模様が細部まで感じられる舞台となるような予感もあって。

    作り手の今後の作品にも、
    期待が膨らむ作品でありました。

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