11のささやかな嘘 公演情報 11のささやかな嘘」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-20件 / 22件中
  • 満足度★★★★

    プロデュース公演の醍醐味を満喫
    いかにもアン山田な脚本をいかにも古川貴義な演出で多彩な顔ぶれが演ずるというプロデュース公演の醍醐味を満喫。
    また、結末を知った上でもう一度観るとまた別の味わいもありそうながら、リピートする余裕のなきぞ哀しき。

  • 満足度★★★★

     
    観劇

  • 満足度★★★★

    役者の演技は楽しめた
    銀座みゆき館劇場は素通りするばかりで中に入ったのは初めてでした。

    なかなかすわり心地がよい椅子で、見やすいし、よい劇場だと思います。

    有吉佐和子の『悪女について』を思わせる、亡くなった人物についてゆかりの人間が次々に登場して語るという手法。

    キャストも豪華で、作・演出も小劇場界の人気実力派のコンビということで興味をそそられました。

    入場しても、パンフに配役が書いてなかったので、最近はやりの役名=本名、または番号の芝居かと思ったら、ストーリーをネタバレさせないための仕掛けで、終演後、人物相関図が渡された。

    ネタバレBOX

    才能ある作家と言われながら、芥川賞受賞以来、連載も中断ばかりで1冊も単行本を出版していない作家、夏木が自殺し、49日に個人とかかわりのある人物たちが自宅を訪れる。

    夏木に対し、みんなそれぞれの立ち場で、個人へかける思いがあったり、金や物品を貸したりしているが、嘘もついているという設定。

    夏木という作家も実像が語られるにつれ、女癖が悪いなどダーティーな部分が明るみになってくる。

    最初のほうに編集者役で板垣雄亮が出てくると、独特の空気が流れる。
    こういうこずるくて真面目に話しているのに可笑しみを感じさせる役は巧い。


    夏木を愛したために、夫を殺してしまったちほ役、千紘れいか。宝塚バウホールで紫吹淳の相手役に抜擢され、初ヒロインを務めて以来観る舞台なので楽しみにしていた。在団中、怪我をしたことも、その後の退団につながったと聞いていたが、劇団四季の時代を観ていない。

    宝塚の新人の頃から情感豊かな娘役だったが、大人の女優さんに成長していて歳月を感じた。

    ちほが殺した夫の弟で、夏木の親友だった根米隆也(古山憲太郎)は1年前に自殺したことになっているが、この隆也の霊が夏木の飼い猫に憑依しているということが何となくわかってくる。

    それが最初はわからなかったのだが、どうやら隆也は猫としてしかみんなの目には映っていないことがわかってくる。

    猫であり、人間であり、人間としての姿はみんなには見えないという不思議で難しい役どころを古山が好演。

    苗字も根米(ネゴメ)→猫目に引っ掛けてあるらしい。


    「え?俺、自殺したの?」と猫=隆也の霊がいぶかしむ場面があり、隆也の霊は自殺した自覚がないらしい。

    そこで、夏木と同じように小説を書いていて、夏木が隆也の作品を盗作したうえ、隆也を殺したのではないかという疑念がわいてくる。

    終幕近く、夏木の妻(李千鶴)が、猫だけが夏木のすべてを見て知っていたと語りかける。

    役者の演技は楽しめたが、救いのない話でミステリーとしてもあまりすっきりしなかった。
  • 満足度★★★

    どっち?
    サスペンスモノにしたかったのか、想い出モノにしたかったのか、少しどっちつかずの感じを受けました。
    (ラストの展開で、サスペンスモノに傾いた感は受けましたが)
    後、一部のキャラが必要なのか、出てきた意図がつかめないとか、ある役者の役柄が途中まで明示されないなどありましたが、なかなかに面白かったです。

  • 満足度★★★★

    遅ればせながら
    クソ暑い中、観にいって正解でしたな。社会人を直球で演じる清水那保さんを観させてもらったのは初めてかもしれない。

  • 満足度

    役者は良いのだけれど・・・
    役者はみんな魅力的で、演技も良かったのだけれど、なんとなくイマイチ。
    話がつまらなかったというわけではないけれど、ある程度先は読めたし、あんまり意外性はなかったかなあ、とも。
    あと、これは小劇場向きじゃないなあとも思いました。この人数でやるならもう少し大きい場所がいいのではないかと。
    基本的に大劇場でやっている劇よりも小劇場のほうが好きなんですが、向き不向きもあるのだなと感じた劇でした。

    ネタバレBOX

    ・・・ただ、彼が「猫」だったのは意外だったけど。
  • 満足度★★★★★

    粒ぞろいで
    気になる役者さんが揃ってて観劇。面白かった!
    古川さんの演出がやっぱり好きだなぁと思いました。
    ハラハラする感じがたまりませんでした。

  • 満足度★★★★

    面白かった。
    多少強引に感じるところはありましたが、「あーなるほど」と思えるお芝居でした。
    終演後に配られる相関図を見ながら色々思い出しました。

    役者達が上手で楽しんで演じているのが伝わってきました。

    梅舟さん良かった!

  • 満足度★★★★★

    無題52
    薄曇りの銀座、宝くじ売り場には長い列。

    開場、着席すると膝と前列の椅子との間…はないので、あとからきた方のため、都度、立ち上がらなければなりません、まるでコックピット。大昔、ここで劇団21世紀FOXをみていた時には座席指定ではなかったと思うけど、こんなに狭かったか忘れてしまいました。

    舞台は、斜めに作家の部屋がセットしてあります。左奥、机、椅子。机の上には分厚い広辞苑でしょうか。カレンダーは5月、なぜか壁沿いは紙屑で埋まっています、何も書かれていない白い紙屑(マス目を埋めることができなかった原稿用紙)が山のように聳えています。右手前、テーブル、ソファ、その下にも紙屑が詰め込まれています。

    初めに、3人。男がひとり机にうつ伏せ。部屋には、女性と男性がひとりずつ。いろいろな人が、あとからあとからやって来ます。今日は故人の四十九日。担当編集者、幼なじみ、最初で最後の弟子、12年前の恋人、その恋人に殺された夫の兄弟…。みなそれぞれ作家に「貸し」があったり、「約束」をしていたり。ミステリー仕立てだけど、わかりやすかった。

    そうか、11人いる!  ということか…。

    ネタバレBOX

    以前、推理小説にハマッていた時期があり「新本格派」などの作品を読みふけっていました。小説の場合、自分でペースを調整できるので、振り返ったり、立ちどまったり、しばらく離れていたりと自由にできましたが、お芝居となるとちょっとでも居眠りをしていたら、その日一番の見せどころを逃してしまうこともあるでしょう。なので、本作品の展開は私にとってちょうど良いテンポでした。「死人に口なし」...何度か出てくるフレーズです。結局、ホンネとタテマエが錯綜し、本当のところはよくわかりません。作家が自殺した原因...保険金で借金を返すためだったのか、結ばれる約束が果たせなかったからなのか。作家は誠実?それとも不誠実?

    お芝居が始まり、ひとりひとりが人物紹介(故人との関係)を兼ねて 作家の姿を示そうとします。ところが一人だけ名乗らない搭乗人物がいることがずっと気になっていました。途中、猫缶のところでやっとわかりました。「11人目」は猫だったのですね。そういえば、猫(古山さん)とほかの方との会話ってなかったのかも。猫缶かスルメかというシーンには笑いました。他の役者さんも笑っていたのはお芝居なのか、それともここはアドリブだったのか。

    最後に捻って、さらにもうひと捻りしてオワリ。

    梅舟さん→「チャイムが鳴り終わるとき」、板垣さん→「くすり・ゆび・きり」、みに行きます。
  • 満足度★★★★

    面白かった
    道に迷って冒頭10分ほど見逃しましたが途中からでも充分楽しめました。小説のページをパラパラめくるような感覚でした。

  • 満足度★★★★

    麦茶と猫
    をついているのか、真実は何か、本当に貸したのか。心理会話劇、出演者のみなさん楽しそうでした。死人に口なしですから。自殺した小説家夏木修介の真実が最後に明かされるのですが・・その真実はとってもせつないものでした・・近くにいる誰にも明かせなかったのね。
    最後、夏木の妻が、夏木の最初で最後の(はずの)弟子の弥生ちゃんに言うセリフが全てだと私も思います。もっとそこが見せ場になれば・・あっさりしてました。

  • 満足度★★★★

    全員が
    生きているとはいいがたい。が、いい按配であり、気にならない。

  • 満足度★★★★

    もう一度みたい
    板垣雄亮さんを目当てに観劇しました。
    初の銀座みゆき館劇場です。
    正直、道に迷いました。(^_^;
    事前に地図だけは確認しましょう。

    キャパが100名くらいの劇場でしょうか、
    演者の顔がはっきり見えるので、
    非常に芝居に入り込みやすかったです。

    舞台は1セットのみで、
    小説家の1室のままです。

    ここで癖のある登場人物が、
    ある小説家の49日に集合して、
    故人との約束を語ります。

    感想を語ろうとするとネタバレになりそうですね。

    ネタバレBOX

    この話は結末を知っていると楽しめないので、
    あまり多くを語りませんが、古山憲太郎さんの佇まいを見ていると、
    物語が見えてくるのかもしれないです。

    板垣さんの板垣節は相変わらず切れていましたね。
    彼が狂言回し的な役割なので、
    スイスイと物語が語られていきましたね。

    徐々に明かされていく事実(嘘?)。
    ささやかなモノも積み重ねられると何となったのか。
    舞台にそびえ立つ原稿のように破滅へのバベルの塔になったのか。

    二度見なければ真実が見えないかもしれない。

    とにかく必見だと思います。
    もう一回みたい。
  • 満足度★★★★

    亡くなった人たちを思い出す
    とてもおもしろくて引き込まれた。何度もだまされたというか、あー!そうだったのか!と最後まで。役者さんもかなりのレベルだと思ったのでこの値段で
    見れたのには感動。狭くて窮屈な小屋だったけど、背もたれがあったのでよかった。

  • 満足度★★★

    う~む
    達者な俳優陣で90分飽きさせない。
    ただ、もうちょっと上手いミスリードのやり方があるんじゃないだろうか。
    古川氏の外部演出は初めて観たけど、箱庭との差異は感じなかった。
    久しぶりに観た清水那保は大人の女性をきっちり。
    板垣雄亮の遊びのある演技も楽しい。

    ネタバレBOX

    ラスト近くに原稿用紙の山の奥が点滅するんだが、
    どういう演出意図なんだろう。
    目につくだけで、まったく必要ないと感じた。
  • 満足度★★★

    物語内の嘘と物語外の嘘
    若くして自殺した一発屋の小説家の四十九日の日に生前に関係があった人たちが集まり、それぞれの秘密や嘘が錯綜する物語をシリアスなトーンを基調にしながら時折コミカルな要素を織り混ぜて描いた作品でした。小劇場演劇界で活躍する脚本家、演出家、役者のコラボレーションで良く出来ていて面白かったのですが、このメンバーならもっとそれぞれの個性が活かせたのではという印象を持ちました。

    謎が積み重なり、明かされていく展開に引き込まれて楽しめたのですが、表現の現実感/非現実感のバランスに引っ掛かりを覚えました。
    リアルではない設定の登場人物がいて、前半はまだ演劇的虚構としてありだと思いましたが(虚構が明白にされたときの笑いへの持って行き方が良かったです)、終盤での展開はそれまで積み上げてきたリアリティーを壊してしまっていたと思います。
    新作を書けない小説家を象徴する、舞台下手の壁を覆い尽す丸めた白紙の山も登場人物たちには見えてない扱いで、違和感を覚えました。
    人の怖さを描くミステリー作品では、非現実的な要素を入れない方が説得力が出ると思いました。

    役者に関してはそれぞれのキャラクターがしっかり打ち出されていました。少し陰がある未亡人をほとんど出ずっぱりで演じた李千鶴さんが良かったです。エキセントリックな役の千紘れいかさんも怖さが出ていました。

    話の性質上、当日パンフには配役が書いていなかったのですが、終演後に役者の名前と写真入りの人物相関図を配布していて、ありがたかったです。

  • 満足度★★★★

    役者を楽しむ
    個性的な役者陣がそれぞれの魅力を存分に発揮。
    変化のテンポも良く非常に楽しめた。

    ネタバレBOX

    ストーリーも非常によかったが、最後のネタバレのような駆け足はもう少し工夫できなかったのだろうか。面白い話だっただけにちょっと勿体ない気がしました。
  • 満足度★★★★

    ささやかだったのか、、
    自分にとっての真実とは、、人間て怖ろしい。 引っぱって引っぱって、とうとう明るみになる真相。 こわ過ぎてゾクッとしました!!!

  • 満足度★★★★

    麦茶と嘘
    約90分の上手い戯曲だった。李千鶴の未亡人ルックは素敵だった。

    ネタバレBOX

    パンフに役名がないのが気になっていたが、古山の役が猫とわかった時になるほど!と。さらにその猫に霊が乗り移っていたとわかって、またなるほど!と。

    一発屋の文筆家の自殺から49日後の、文筆家の書斎が舞台。妻もよくしらない関係者がそれぞれの思惑をもって書斎を訪れ、真実なのか嘘なのか判然しないことで揉めはじめるも、文筆家の遺作があるとわかって舞台は終焉にむかってゆく‥。
    妻は、遺作(自叙伝)を読み文筆家の交友関係(麦茶の真相とか、浮気、借金など)に確証を得、また長い鬱積もあって文筆家を殺害し自殺に仕立てていた、というのが大きなオチ(そこまで意外ではないけど)。むしろ、このオチをわかった上で、最初からのやりとりを観ると面白いと思う。「死人に口なし」というセリフが何回か出てくるが、このセリフが一番恐ろしく響くのが、妻の告白(ラストシーン)だろう。

    タイトルでも「嘘」という言葉が使われているので、出てくる人物が全員いかがわしいのだが、そのいかがわしさが上手く表現されていたと思う。面白かった。
  • 満足度★★★★

    恣意的なばらつきのしたたかさ
    冒頭に感じる空気のばらつきが
    そのまま物語を浮かび上がらせる武器になっていく。

    作り手のしたたかさが、
    役者の作り込むそれぞれのテイストを、
    しなやかに機能させて・・・。

    ラストシーンにもしっかりと取り込まれました

    ネタバレBOX

    場内にはいると、舞台上に積み上げられた紙屑が目につきます。
    舞台の後方と、それから机の下にも・・・。

    冒頭、男女二人から物語は始まります。
    入口はどこか、ちょっとコミカルに・・・。
    書斎机で作家が死んだらしいことがなんとなく暗示されて。

    シーンが変わってそこに出版社の女性が現れる。
    ソファーに座った二人。そして冒頭の女性。
    最初は二人で作家を訪れているのかと思う。

    会話がなんとなく噛み合わない印象があって。
    初日だから、ちょっと合わない部分があるのかなぁとすら思った。
    実際のところ、すこしお芝居の硬さもあったとは思うのですが、
    構造的にも、
    実際に舞台に演じられていくことに、根拠のわからないずれを感じる。
    たとえば、別の出版社の人間が現れた時に
    男に出されたように見えた麦茶がテーブルから取り去られ
    以降彼に供されることがないことにも違和感を覚えたり。

    物語自体も観客にはなかなか伝わってきません。
    その作家が自殺したらしいこと。そして舞台上の設定がその49日に当たること。
    作家がとても寡作であったこと・・・。
    そこに、他の出版社の担当や学生時代の友人、
    さらには彼に貸しがあるという人物、
    結婚前に作家と関係があったという女性や
    泥棒と見まごう人物、
    さらには近くに住む、自称一番弟子という女性も現れて・・・。

    ひとりずつがそれぞれに作家との関係を感じさせるなにかを持っている。
    その重なりのなかから
    登場しない作家の人物像が観る側に浮かんでもくる・・。
    でも、それは観る側にとって散発的な、
    極めて平面的な事象にしかすぎない。
    ましてや、それらが、後半鮮やかに有機的につながっていくなんて
    想像もできない。

    変わり目は、始まりのころに出版社の女性とともにいた男が
    誰かがわかった時。
    そこから、観る側にとってのこの舞台の様相が一変します。
    「あっ!」と思う。
    実は冒頭にかなり不自然に思えた麦茶のことが
    当たり前に変わる。
    そこから、観る側に、
    ばらついていた前半のエピソードへの
    別の角度からの視座が芽生え始める、
    まるで頂きだけが見えていた山並に稜線が現れるように
    死んだ作家とキャラクターたちの関わりが浮かんでくるのです。
    一人ずつの「嘘」、というよりは、
    むしろそれは隠し事に近い感覚の事実が露わになるたびに
    前半、バラバラにおかれたキャラクターたちが
    作家の真実を現わすための道程に組み込まれていくのです。

    キャラクターたちの使われ方も多彩でしたたか。
    それぞれが、
    自殺したという作家の姿を浮かび上がらせるツールとなってはいくのですが、
    そこには役者たちの作り上げる
    個々の人間臭さが
    統一感のない、でもシーンにとって絶妙な強さで縫い込まれていて。
    それが、前半は投げっぱにされたままのバラツキのように感じられるのですが、
    キャラクターたちの物語への立ち位置への曖昧さが取り払われた刹那に、
    役者たちがそれぞれになすお芝居に必然が現れ、
    物語の骨格やエピソードをわたしてく橋脚として機能していく。
    男と麦茶の関係の如く、
    伏線が翻りに理を与え
    その展開の切っ先に前のめりになって取り込まれてしまうのです。

    最後に登場した女学生の存在が
    物語にさらなる一歩の踏みだしを作る。
    ラストシーンが、物語をしなやかに包括して
    観る側に供されます。
    置かれたピースのそれぞれが腑に落ちて、
    ふっと物語が始まった時の感覚との落差に思い当たり、
    作り手の魔法の手練に舌を巻く。
    台本も上手いと思うのです。
    加えて、
    きっと本を読ませてもらう機会があったとしても
    それだけでは浮かんでこないようなニュアンスが
    演出や役者たちによってしっかりと作り込まれていて。
    もう、がっつりとのせられてしまいました。

    ほんと、面白かったです。

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