チェロを弾く女 公演情報 チェロを弾く女」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    ずっと
    引き込まれてしまいました。
    視線が素晴らしいかったです!

  • 満足度★★★★

    怖かった。。。
    最初は3列目の端っこに座っていたのだが、次々に訪れる年配客の方々を見て、ACのコマーシャルに洗脳された(?)ボクは「譲らなきゃ」と思うに至り・・・結果、小学生が座るような極小椅子が並べられた最前列、しかもド真ん中に座るはめに。

    100分間、この椅子に身を委ねるのか。。。

    開幕。

    美しい女(堀ひろこさん)が、舞台に立つ。

    目がアブない。。。

    女が、しゃがむ。。。

    ・・・この女と、この至近距離・・・ない!絶対にない!怖い!怖いよっ!

    100分もの間、当事者のような恐怖にさらされて、「もう勘弁して!この場から逃げたい!」「誰かと一緒にこの恐怖に向き合いたいよ」なんて思っちゃったなあ。。。

    あっそうそう・・・

    チェロの響きに酔い、演奏者の女性の楚としながらも妙に色気のあるたたずまいにキュルルンとなりながら・・・学生時代、同じクラスだったHさん(オケ部)の隠れファンだった奈良君とボクとで「Hさんのチェロになりてーなー」ってアツく語り合ったな、なんてことを思い出したのでありました。。。

    ネタバレBOX

    ゆるい抑圧が長い時間をかけて蓄積されていって、突然爆発するってのはわからなくもないが・・・物事を浅く考えがちなボクにとって、「女」は気狂いにしかみえないのだ。

    言わんとしていることは理解できる、ような気がする。

    でも・・・「なんで、そこまでマジになっちゃうの?」。。。

    堀さん。

    この「女」の怖さを完璧に表現していたと思います。

    でも・・・ときたま見せる「イッちゃったヒステリック」はリアル過ぎて・・・

    感情の濃淡があって当然のシチュエーションなんだけど、静かに語り進むほうが、心には染みたのかなあ。。。

    ま、そのぶん、恐怖の質は格段に上昇しちまうんだろうけど。。。

    なんともやるせない気持ちになる芝居だけど、また観たい。

    DVDじゃなくて、生で観てこその『チェロを弾く女』。。。

    そのままゴールデン街でグラスを傾けて反芻できる『チェロを弾く女』。。。

    そんな芝居。
  • 満足度★★★★

    チェロの響きとともに・・・・・
    壮絶な一人芝居。告白の内容よりも、その音色の美しさと芸術家の業に打たれました。一般人の私からするとその業さえもうらやましい。チェロの音とよくシンクロしている演技も素晴らしかったです。

  • 満足度★★★

    告白!
    誰にでもあるであろう心の中の狂気。死に向かうモノローグと共に聞くチェロは切ない。

    ネタバレBOX

    最前列で観劇。ベンチ椅子よりは間隔があって楽だった。チェロと共に倒れこむシーンは2列目以降の人は見えていたのかなあ?
  • 満足度★★★★

    一人+αの芝居
    チェロを弾くふりをする女優と実際に演奏するチェロ奏者を配した舞台のコントラストが見事。芝居の方はかなりシュールな独白劇ですが、音楽との相乗効果で引き込まれます。ただギュウギュウ詰めの満員の客席は結構辛かったです。 

  • 満足度★★★★

    バッハ無伴奏チェロ組曲第1番
    プレリュードから始まりました。(多分)

    ネタバレBOX

    チェロと心中とは壮絶です。

    チェロとベッドイン、夫が嫉妬、チェロと一緒に夫を殺し、ピザを焼く窯で焼いてしまった。そして、ビデオに犯行を告白して心中の顛末を記録する、裁判所で見てもらうことを前提に。

    堀ひろこさんの迫真の演技でした。

    ただ、小屋が小さくお客がすぐ目の前なのと、ビデオカメラに向かってしゃべっているという設定なので、不自然に宙を見ている、あるいはお客と目を合わさないように無理しているという印象を受けました。

    チェロを弾く手の動きはチェロ奏者白神あき絵さんとピッタリ合っていて、ふりばっかりではそうはいきません。曲が頭に入っている証拠です。素晴らしかったです!
  • 満足度★★★

    チェロの音色のチカラ・・・
    いつもフリばっかり・・・いつも我がお内儀様に言われ心当たりがある自分は自戒の念もあり、観てこの台詞がギィ・フォギイ・フォワシィのブッラクユーモアと感心?思わず吹き出しまう・・・
    昼公演のせいなのか?台詞を大切にしていた渥美國康さんの門下生らしくなく何度か噛むこともあって・・・チェロを弾くフリも、手だけが動いているけど身体が動いていない・・・堀ひろこさんの出来は必ずしも良くないなぁ~と思って観ていた。
    演出・鈴木穣さんが言っている「役者としての音(声)、体、動き、感じること、そして嘘のつき方・・・容易くできると思っていたこともできない・・・これ、演技です。自分にはできないと決めつけていたことができると発見する・・・それも、演技なんです。」と・・・。独り芝居の演技・・・フリばっかり・・・大切です!★★★以下ネタバレで

    ネタバレBOX

    堀ひろこさんの演奏フリ演技を見ながら、舞台上の左奥でそれに合わせてチェロを身体全体で演奏する白神あき絵さんがいなくては成り立たない舞台を創っていた。音も素敵だ!
    堀さんも努力したろうけど・・・独り舞台の拘りが強かった理由は・・・?

    白神あき絵さんのチェロを聴いてから渋谷へ・・・お内儀様と待ち合わせて、チケットぴあ主宰のチャリティー・サイレント・バイオリンの演奏会を聴く・・・これも実に素晴らしかった!
    その後、二人で一緒に行った夜の別の公演では、末原康次氏作のギター楽曲がテーマ曲になっている。
    先日観た深川・安楽亭でも、韮澤有さんが芝居のために作曲したチェロ演奏が、テーマ楽曲や暗転も含めた音響になっていた。
    4月初めに観た芳本美代子さんのラブ☆ガチャでも、音響のチカラで舞台や座の雰囲気・空気感を創り変える力があるとコメントしたが・・・
    特に弦楽器は、心が安らぎ演出を情緒深く洗練されたものにするので、演出・音響のセンス良いバランスで、この原作含めてより多くの舞台演出に使われることを期待している!
  • 聴こえてくるもの
    新宿です、ずいぶん暖かいです。一人芝居は、大昔の「キーン(江守徹さん 85/6)」「審判(加藤健一さん 86/5)」を入れても、本作で4つめ。舞台上にはお二人いらっしゃいますが、台詞はお一人で。まだ扉が閉められていないうちから登場。舞台には椅子が2脚、チェロが1台(挺)。なにやら探している様子、ではなく「ここではない、向こう側」をみているかのよう。明かりが消えチェロが響いてきます。はじめに置いてあった所より左の方から聴こえてきます。そうですよね、奏者がいらしゃるのでありました。以下、ネタバレ。

    ネタバレBOX

    チェロと独白。これですべてなので相当難しいのだと思います。みている立場として、はじめ、誰に向かって語りかけているのかわからなかったので、苦労しました。ここらが鈍感な私の苦手とするところです。死後、メッセージを受け取ることは、ミステリーなどであることですし。「惑星ソラリス(タルコフスキーのほうです)」でも自殺したギバリャンはビデオを残します。終わった今、振り返ってみると…死を覚悟した者が語る…という色合いが薄いように感じました。何か怒っている、憤まんやるかたない様子、ではあるのですが、それが今、みているこの時、すでに生を絶っているということに対してあまりインパクトを感じませんでした。キーンの江守さん、内容はほとんど忘れてしまいましたが、最後は鬼のような形相だったことを憶えています。

    と言いながら、もし、事前にこの作品のことを知っていたら、とも思うのです。見えていることだけ、というのがどれほどもったいないことかと。

    おわりは、「主よ御許に近づかん」ですね。チェロは、ドヴォルザークの協奏曲を至近距離で聴いたことがあります。指が指板を叩く音が聴こえてくるのです。今日も聴こえてきます。それにしても、息があっていました。

    ☆☆
  • 満足度★★★★

    二人芝居
    舞台の構成が上手い。
    チェロ奏者・白神と役者・堀が合わせ鏡のように配置され、その情景を映し出す。
    堀の仕草や動きに反応するかのように、同じ動きをする白神。その相反するものは真実と嘘なのだ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    ギィ・フォワシィの戯曲は不条理ものが多い。その中でもこの戯曲は何度となく上演されてきた戯曲だ。
    英才教育によっていわば強制的に音楽を習わされてきた少女は、その反抗心から芽生えた楽器チェロへの思いが、少女から女へと成長を遂げるにつれ、その感情は次第に性愛の対象となってゆく。抑圧された心に潜む狂気、その秘められた思いを語りながら、夫殺しや人生の告白をしていく。

    やがて自らの命を遮断することになるが、そんな人生の最後の場面でも決してチェロを放すことはなかった。チェロの音色とともにかりそめの人生を生きチェロに恋した女の物語。

    一人芝居で演じきる役者のエネルギーは相当なものだと察する。1時間45分の長丁場をとにかく気が抜けないまま疾走するに近い。だから、当然、役者の実力も試される。堀はそういった意味でも実力のある役者だと個人的には思っている。緊張したのか噛みゼリフはあったものの・・。

    しかしだ・・、彼女は狂気や悪女めいた女の演技をするには毒がない。毒というのは経験とか環境から発するオーラではなく、持って生まれた妖艶たるオーラだと思う。そういった意味においては、これはもうどうしようもないことなのだが、ギィ・フォワシィの戯曲の場合、役者を戯曲に合わせる必要があるのだとつくづく思う。

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