満足度★★★★
お吉という女。
『唐人お吉』で知られる伊豆下田の斎藤きちさんの物語。
ボクは会社員時代に、下田に赴任していた時期があって、いろんな話を聞いていただけに、かなり思い入れのある戯曲。
それだけに、期待と不安がないまぜになった状態で劇場に向かったんだけど・・・受付の女性が和服だょ・・・イイじゃん!!!(←正統派の和服に弱い)
劇場内も、香を焚いているかのような、和服の良い匂いが漂っていて・・・雰囲気最高です。
芝居は、しっかりと取材したな、という印象。
お吉さんの人生は、波瀾万丈なだけに、スキャンダラスに描こうと思えば、とことんいけるんだけど・・・丁寧にお吉の人生をなぞっていたな、って思った。
お吉さんに対する尊敬の念を感じたなあ。
酒に溺れ、浮浪の身となる晩年のお吉の舞。
この舞が・・・すばらしい。
「女の情念」という言葉が陳腐に感じられるほど、もう女そのもの。
お吉さんの体から、濃密な女の匂いが放たれていた。。。凄い。。。
丁寧に描写した余り、脇役との交流の場面が物足りなかったのは仕方がないことなのかも。120分で表現するには、お吉さんの人生は強烈すぎるんだろうなあ。
ただ、脇役が魅力的だっただけに、5時間くらい見たかったな、という思いは抱いた。
『OKICHI~番外編』として、お吉と(お吉の計らいで東京でささやかな成功をするお吉の店の元従業員)お富とのつながりをじっくり観たいなあ。
女郎屋を営むことになるお吉の「男と女の話」(という名のワイ談)を一人舞台の形で観てみたいし。。。
ホント、魅力的なお吉さんでした!!!
ま、お吉さんのような女性に、愛情ではなく「情が移った」程度で付き合うと、後々、お互いがとんでもないことになっちゃうんだけどさ。。。
満足度★★★
いい芝居ではあるのですが
いま一つ伝わるものが無かったかなぁ。史実かどうかは別としても,そういう時代であり,時代に翻弄された女性の生き様としては,大変だったでしょうね,頑張ったのねとは思います。ただ,そこから先,観る側に何か残ったかというと,私には先に繋がるような思いは残りませんでした。芝居自体としてはきっちり成立してますし,演技等にも全く問題は無く,いい芝居であっただけに惜しいと思ってしまいます。
満足度★★★
う~ん、美術が・・・・・
シンプルな美術とチープな美術は違う。極力美術を排したのならそれを圧倒するだけの演技力や演出が必要だと思いますが・・・。劇団がこのストーリーを大事にしているのは伝わってきましたが、安っぽい色のじゅうたんや左右のふすまのような美術が最後まで気になりました。また、歴史物はどうしても暗転が多くなりますが、もっとスマートに出来たと思うし、何となく盛り上がりに欠けた。一番感動したのはお吉が砂浜で鶴松と戯れるシーン。生きることの切なさ、苦しさが伝わってきてとても良かったです。
満足度★★★
観た
一人の女性の悲劇的な人生を見事に舞台上に表現されていたと思う。
特に始まりの舞と終わりの舞が印象的で切ない気持ちで胸が痛かった。
ただ、もう少し劇中に変化というか、メリハリというか一工夫あった方が個人的には観やすくなったと思う。
満足度★★★★★
見せ場が多く、感動的な芝居
明治開国前後の、唐人お吉の物語。
一応、5つの部分から構成されていると思う。
ネタバレ部分で各部分について触れて行くが、
ただ、これは私が勝手に分けたもので、
上演時に「第○部」と表示されたり、
台本に書かれたりしているものではないことは、
あらかじめお断りしておく。
満足度★★★
みなさん上手いんだけど…
それぞれに持ち味があって上手いと思いました。
ただ、演出の加減かなんと言うか何かが足りないと途中感じてしまった。
メリハリの付け方でしょうか?淡々と進むからでしょうか?
演技力なのある方が揃っていながら勿体ないなぁと感じたのが正直な所です。
役者さんには★4つ差し上げたいですが、何か物足りなさを感じたのがやはり引っ掛かるので3つにします。
無題126
裏の公園ではお祭りの真っ最中、18:00からはオヤジバンドのライヴ、1曲目、One After 909。会場内まで聞こえてくるかと思いましたが、大丈夫でした。「お吉」、名前しか知りませんでした。終演後ウィキペディアで学習...なるほどなるほど。知っている人がみるのと、私のようにぶっつけ本番の場合と相当差がでるのかなと思いました。劇中、エピソード間のつながりがよくわからないまま最後まで行ってしまいました。開国→役人→唐人→身を持ち崩す。また、間が持たないところもあり、もう少し短縮するか、動きをつけるか。じっと座っているのをみていても芝居だとは思えませんでした。時代を遡るほど生活感を出すのが難しくなってきます。衣装の汚れ具合(毎日洗濯はしないでしょうし)、当時の日常的な言葉、定型的な言い回し。こういったものは、そのほとんどがTVや映画によってパターン化されています。照明も、一日の時間の移り変わりがだせるといいと思いました。
満足度★★★
今一つ情感が伝わらなくて・…残念
お吉の控えめな性格から落ちてゆく様はそれなりに感じ取れたが、髪結い等の店をはじめてからはいやにけんかっ早くかみつきが強調され、気丈な部分と懸命さが伝わらなかった。挿入の舞いの時間がやや長かった事とBGMの活用と照明に難あり。最後の河原では床に河原の照明など工夫があればもっと効果的ではなかっただろうか。サムライの台詞に武士らしさがなく、高圧的な言葉も上滑り、かみかみの部分もあって興ざめしてしまった。下女役のせりふ回しは現代的でこの時代に合わなかったように思う。しかし最初の能面の舞いはイントロ的にはこれからの舞台に期待を持たせる上で非常に良。かった