満足度★★★★
開幕した途端、キた。
俳優が自分自身から離れて少年少女役に徹する(しかない)ことで、日常の出来事が異化されて普遍に。幼児の叫びは全人類を代弁しているようだった。
満足度★★★★★
拡張リフレイン
拡大する世界と自意識との間の調整に精一杯であった頃の、その隙に起こったもの。
自分自身への一生懸命さは、その場にいて、一緒に過ごしていたはずの存在さえ容易に見え辛くさせる。
嗅ぎ取り間違いでなければ、作中で、日曜に起こる事のいくつかの小さな予感と、一回の重要な予兆は匂わされていたように思うのだが、それぞれの切実な視点のリフレインが、小さなそれらの断片をするりと見過ごさせてしまう。
気付くのはいつだって起こってから。しかし後から思い起こす光景もまた、何気ない。そのことがせつなさに拍車をかける。
題材を見ていてふと、藤田氏が眼を向けているのは90年代の子供なのかなと思ったり。
子供の身体の再現率には毎度ほれぼれする。本心の包み隠せてなさ、下の子に対する容赦のなさ、語彙の追いついてなさ、細かい動作で積み上げられる生命感。召田実子の見事な幼児感。
満足度★★
何だか…
特別なセットを組んでいない温かみのある舞台上で、ある種抽象的で幻想的に展開される芝居は、実は主人公の記憶なんだろうな、と後で思う。前半の途中で、幼児役の演技がリアルでないなぁ、と思った瞬間から、ただただ鬱陶しい芝居になってしまった。後半の抒情性の感触は悪くなく、それを描くために前半にややトリッキーな状況が展開されるのだろうとは分かるが、ちょっと私のテイストではないなぁ、と思った。受付の対応はちょっと納得できなかった。
満足度★★★★
みた
予約日直前の案内メールとか、荷物預かりとか、制作の方の小回りがきいていたと思う。
作品も良かった。安くて良質な芝居。神奈川まで行って良かった。
舞台を初めて見るという人に勧めるべきかは分からないけれども、色々見ている人には勧めてみたい。次回公演も足を運びたい。
満足度★★★★★
一緒に生きるような
何度も繰り返される緩急のついた言葉の全部がすごい勢いでしみ込んでくる。
そのうち「観ている」感覚から「一緒にその世界を生きている」感じになる。
だから、生身の自分が経験した事のように、胸が締め付けられる。
柔らかくて、温かくて、せつなくて、雑多で、苦しい。
全部良い意味で。
はるばる横浜まで観に行ったかいがあったなぁ。
そういえば、観終わった後に、妙に頭がクリアになってた。何でだろう。
満足度★★★★★
懐かしくも切ない
前々作『しゃぼんのころ』でも使った角度だけでなく視点も変えて繰り返し見せる「重ね塗り手法」により各人物の心境が染み込んでくるよう。
それによって心の底に眠っていた幼少期のキモチが揺さぶり起こされて、懐かしくも切ない。
満足度★★★★★
行き場のない感覚に心捉われて
初日を拝見。
濃密とか深いといった言葉では表現し得ない、
生々しさと
どこかが滅失したような空気感に引き込まれて、
瞬きをする暇も惜しんで舞台を見つめてしまいました。