満足度★★★★★
切なくも愛おしい感覚
心の奥をじんわりと握られた感じがした。自分の感情のどの部分を掴まれたのかも分からないまま、自然と心に浸潤してきた。
派手な出来事も奇異を衒ったような演出もないが、誠実に作り上げられた小宇宙に飲み込まれてしまった。60歳になったときにもう一度観てみたい。
満足度★★★★
循環すること
ある平凡な男性の半生を淡々と静かに描いた作品でした。特に大きな事件が起こるわけでもないのですが、時を行き来する巧みな構成や、1人2役などの演劇的手法によって、個人の人生を通して普遍的なものに感じさせる豊かな70分間になっていました。
雨や猫、おかきなどが共通のモチーフとして各年代に現れ、人生の繋がりを感じさせて良かったです。
『100万回生きたねこ』の話と自然界を循環し続ける雨がリンクしていて、また雨と涙が比喩的に結び付けられ、色々な物や言葉が有機的に繋がって独特の世界観を形作っていたと思います。
主役の風太郎を演じた藤川修二さんの朴訥とした佇まいが暖かみを感じさせて良かったです。
食べ物、飲み物が全部実物だったのがシンプルなセットの中に生活感を出していて、特に上り立つ湯気がそこ儚い幸福感を醸し出していて印象に残りました。
満足度★★★★★
個人的で大切な記憶
アトリエ春風舎は遠い。都心よりも気温が確実に3度低い(笑)
しかしその遠い道行きも、忘れ去った過去にさかのぼる時間と思えばこんなに楽しく愛おしい時間は無い。
今回の作品、僕はなんとなく独りで観に行って欲しいと思う。
もちろん誰かと連れだって観に行ってもいいが、独りで、自分の記憶をたどるようにしてあの世界にたどり着き、終演後はその世界をひっそりとカバンに詰めて持って帰る。
そういう個人的で大切ななにかを思い出させる全てがそこにあったから。
丁寧な手触り
奇をてらうことなく、
丁寧に丁寧に一人の人間とその周りの人々の営みを描いている作品でした。風太郎役の役者さんからにじむ人生そのものへの温かさが作品の内容やテーマと交じり合い、見終わった後は温かい気持ちになりました。
満足度★★★★★
猫の重要性
「雨と猫といくつかの嘘」というタイトルと「100万回生きたねこ」をモチーフに。。。と聞いて、江国香織の小説のような優しい、エスプリの効いた話をイメージしていました。
当たらずとも遠からず!
ほんわか温かい大人のエッセイ、そんな感じです。
あはれ
「あはれなり」の訳を〈しみじみとした趣がある〉なんて現代語訳をするなぁ…その感じがとってもあてはまるなぁ…とおもった公演でした。
繰り返されるシーン、繰り返されるセリフを聞きながら、こうやって人の営みも繰り返されてきたのだなぁ、と。
いくつかの嘘をはらんだ人生がこれまでも紡がれてきたように、これからを生きる若い人にもいくつかの嘘は受け継がれていくのでしょう。遠い昔から続いてきた雨音が、今も同じ音を立てそしてこれからも続いていくように。
雨音を聞きながら一人過ごすときにおもうような、幻想のひとときでした。
満足度★★★★
こんなの観たことない
魅せることに私が今まで観たことがない手法を使っていて、
感動していました。
観終わった後に、なんだかじんわり温かいものを感じました。
なんだか上手く説明できないけれど。
最後のトークショーみたいなものも参加したかったのですが時間の都合で参加できず残念でした。
満足度★★★★
たぶん・・・
説明に書かれていた様に、これは輪廻転生に絡む話で、僕はその辺りの部分については充分には理解できていないような気がしますが、それでもそれなりに楽しめたのですから、まぁいいかなと、なんだかそう思いました。