雨と猫といくつかの嘘. 公演情報 雨と猫といくつかの嘘.」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
41-48件 / 48件中
  • 満足度★★★★★

    切なくも愛おしい感覚
    心の奥をじんわりと握られた感じがした。自分の感情のどの部分を掴まれたのかも分からないまま、自然と心に浸潤してきた。
    派手な出来事も奇異を衒ったような演出もないが、誠実に作り上げられた小宇宙に飲み込まれてしまった。60歳になったときにもう一度観てみたい。

  • 満足度★★★★

    循環すること
    ある平凡な男性の半生を淡々と静かに描いた作品でした。特に大きな事件が起こるわけでもないのですが、時を行き来する巧みな構成や、1人2役などの演劇的手法によって、個人の人生を通して普遍的なものに感じさせる豊かな70分間になっていました。

    雨や猫、おかきなどが共通のモチーフとして各年代に現れ、人生の繋がりを感じさせて良かったです。
    『100万回生きたねこ』の話と自然界を循環し続ける雨がリンクしていて、また雨と涙が比喩的に結び付けられ、色々な物や言葉が有機的に繋がって独特の世界観を形作っていたと思います。

    主役の風太郎を演じた藤川修二さんの朴訥とした佇まいが暖かみを感じさせて良かったです。

    食べ物、飲み物が全部実物だったのがシンプルなセットの中に生活感を出していて、特に上り立つ湯気がそこ儚い幸福感を醸し出していて印象に残りました。

  • 満足度★★★★★

    個人的で大切な記憶
    アトリエ春風舎は遠い。都心よりも気温が確実に3度低い(笑)

    しかしその遠い道行きも、忘れ去った過去にさかのぼる時間と思えばこんなに楽しく愛おしい時間は無い。

    今回の作品、僕はなんとなく独りで観に行って欲しいと思う。

    もちろん誰かと連れだって観に行ってもいいが、独りで、自分の記憶をたどるようにしてあの世界にたどり着き、終演後はその世界をひっそりとカバンに詰めて持って帰る。

    そういう個人的で大切ななにかを思い出させる全てがそこにあったから。

    ネタバレBOX

    アフタートークでラストシーンの風太郎がどうなったかとの話があったが、僕は、映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のラストシーンを思い出しました。

    阿片窟でデ・ニーロが恍惚として幸福だった少年時代の夢を見る。

    あのシーンをぼんやり思い出しました。

    だから「僕の解釈」では、今回のお話し、つまり風太郎のまわりで起こるすべてはぜんぶ夢だと思うのです。

    老いて孤独な風太郎が見た美しいアルツハイマーの夢だと。

    皆さんはどう思ったでしょうか。
  • 丁寧な手触り
    奇をてらうことなく、
    丁寧に丁寧に一人の人間とその周りの人々の営みを描いている作品でした。風太郎役の役者さんからにじむ人生そのものへの温かさが作品の内容やテーマと交じり合い、見終わった後は温かい気持ちになりました。

  • 満足度★★★★★

    猫の重要性
    「雨と猫といくつかの嘘」というタイトルと「100万回生きたねこ」をモチーフに。。。と聞いて、江国香織の小説のような優しい、エスプリの効いた話をイメージしていました。
    当たらずとも遠からず!
    ほんわか温かい大人のエッセイ、そんな感じです。

    ネタバレBOX

    ねこを人間がやる、その無茶な感じ、そして意外ときついこと言うんやね、いいわぁ。
  • あはれ
    「あはれなり」の訳を〈しみじみとした趣がある〉なんて現代語訳をするなぁ…その感じがとってもあてはまるなぁ…とおもった公演でした。
    繰り返されるシーン、繰り返されるセリフを聞きながら、こうやって人の営みも繰り返されてきたのだなぁ、と。
    いくつかの嘘をはらんだ人生がこれまでも紡がれてきたように、これからを生きる若い人にもいくつかの嘘は受け継がれていくのでしょう。遠い昔から続いてきた雨音が、今も同じ音を立てそしてこれからも続いていくように。
    雨音を聞きながら一人過ごすときにおもうような、幻想のひとときでした。

    ネタバレBOX

    開演時間を迎えると、まだ客入れは終わっていないながらも6人の登場人物が舞台上に現れます。アクティングエリアに入るときと、その外側を回るときとの身体の使い方が明らかに違うところが見ていて面白かったです。

    赤ちゃんに還る、生まれ変わるという還暦の誕生日を迎えた風太郎。
    6歳の誕生日、第二子が生まれる前の誕生日、55歳の誕生日…と風太郎の誕生日の情景があちこちと入れ替わりながら舞台上に立ち現れます。母、娘、娘の婚約者、父、妻、息子、息子の恋人、そして、猫…。風太郎がこれまでの人生で深く関わってきた人々が走馬燈のように出で現れます。

    一人の役者がいくつもの役を演じるところも上手に計算されていて、同じ「身体」が違う役のセリフを語っているのだけれど、そこに多重な意味が付加されて見えてきて…うまく作られているなぁ、と感じました。

    初日、古川貴義さんと吉田小夏さんのアフタートーク。
    風太郎は死んだのか?そんな話題も出たトークでした。
  • 満足度★★★★

    こんなの観たことない
    魅せることに私が今まで観たことがない手法を使っていて、
    感動していました。

    観終わった後に、なんだかじんわり温かいものを感じました。
    なんだか上手く説明できないけれど。

    最後のトークショーみたいなものも参加したかったのですが時間の都合で参加できず残念でした。

    ネタバレBOX

    内容としては回想シーンが多く、だんだん内容がわからなくなってきてしまいました。
    でも最後は、なんだか温かい気持ちになって帰ることができました。


    風太郎さん!とても良かったです!
    回想シーンで子供に戻るとこなんか、かわいいと思って観ていました!
    風太郎さん次回の作品って思わずなんだろうかと探してしまいました。
  • 満足度★★★★

    たぶん・・・
    説明に書かれていた様に、これは輪廻転生に絡む話で、僕はその辺りの部分については充分には理解できていないような気がしますが、それでもそれなりに楽しめたのですから、まぁいいかなと、なんだかそう思いました。

    ネタバレBOX

    ところで青☆組の舞台には食べ物がつきものなのでしょうか。以前観た時は冷や麦、今回はオカキだとか、ビールだとか、ケーキだとか、カップラーメンだとか・・・

    それを役者の方々がおいしそうに食べるものですから、僕はもうどうしようもなく空腹を感じ、アフタートークを待たずに劇場を飛び出してしまいました。なにしろ早くオカキをつまみにビールが飲みたいので。

    ちなみに韓国ドラマにも必ず食事のシーンが出るのですが、それを思い出しました。まぁ、それはどうでもいい話です。

    もうひとつどうでもいい話をすると、青☆組には必ず不倫系の話が出てきますね、なにかトラウマでもあるのでしょうか。

    と、
    なんだかどうでもいいことに思いを馳せながら70分間、なんとも穏やかないい気持ちで過ごすことができました。

    風太郎役の藤川さんがとても良かったです。

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