雨と猫といくつかの嘘. 公演情報 青☆組「雨と猫といくつかの嘘.」の観てきた!クチコミとコメント

  • あはれ
    「あはれなり」の訳を〈しみじみとした趣がある〉なんて現代語訳をするなぁ…その感じがとってもあてはまるなぁ…とおもった公演でした。
    繰り返されるシーン、繰り返されるセリフを聞きながら、こうやって人の営みも繰り返されてきたのだなぁ、と。
    いくつかの嘘をはらんだ人生がこれまでも紡がれてきたように、これからを生きる若い人にもいくつかの嘘は受け継がれていくのでしょう。遠い昔から続いてきた雨音が、今も同じ音を立てそしてこれからも続いていくように。
    雨音を聞きながら一人過ごすときにおもうような、幻想のひとときでした。

    ネタバレBOX

    開演時間を迎えると、まだ客入れは終わっていないながらも6人の登場人物が舞台上に現れます。アクティングエリアに入るときと、その外側を回るときとの身体の使い方が明らかに違うところが見ていて面白かったです。

    赤ちゃんに還る、生まれ変わるという還暦の誕生日を迎えた風太郎。
    6歳の誕生日、第二子が生まれる前の誕生日、55歳の誕生日…と風太郎の誕生日の情景があちこちと入れ替わりながら舞台上に立ち現れます。母、娘、娘の婚約者、父、妻、息子、息子の恋人、そして、猫…。風太郎がこれまでの人生で深く関わってきた人々が走馬燈のように出で現れます。

    一人の役者がいくつもの役を演じるところも上手に計算されていて、同じ「身体」が違う役のセリフを語っているのだけれど、そこに多重な意味が付加されて見えてきて…うまく作られているなぁ、と感じました。

    初日、古川貴義さんと吉田小夏さんのアフタートーク。
    風太郎は死んだのか?そんな話題も出たトークでした。

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    2011/01/30 23:58

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