ドロシーの帰還 公演情報 ドロシーの帰還」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
41-50件 / 50件中
  • 満足度★★★★★

    いい話だなぁ。
    「オズの魔法使い」の作家、高峰ドロシーを主軸に彼女に影響を受けて作家や漫画家になろうとしている人たちの現在を描いた作品。セットが斬新で美しい。まさに童話の世界そのもの。物語は解りやすく終盤にはホロリさせる展開があり、ワタクシの観た回はすすり泣きをしている観客がいらした。ワタクシもホロリ・・。

    ネタバレBOX

    もっと勇気が欲しいと願うライオン。脳が欲しいという案山子。心が欲しいというブリキ。不条理感を漂わせながら読者を釘付けにする名作「オズの魔法使い」の物語から入る舞台は彼らが「足りないもの」を要求する代わりに、オズは彼らに覚悟や自覚を問う。悪魔や死神がよく使う「お前の望みをかなえてやろう。その代わりお前の魂を頂くよ。」みたいな交換条件だ。

    そしてこれを書いている作家・高峰ドロシーは延々と物語を書き続けているが彼女の小説を読んで、模倣犯が現われ現実の世界で多くの人が殺されたり、自殺者が出てマスコミに叩かれる。一方で高峰の本に刺激されて作家になりたいという輩も出てくる。

    いつの世も人間が受ける影響は受ける側によって悪にも善にもなるのだ。事件があった以降の高峰の苦悩と高峰の父、高峰に原稿を書かせるためにあらゆる手段を厭わない出版者担当、高峰を崇拝し作家を志す4人を絡ませながら、終盤は希望に導いていく舞台だった。

    素敵な物語だ。高峰と父の和解はやはり泣き所だ。オズと父親役のキャスト・中田顕史郎の豹変ぶりが観もの。役者とはつくづく素晴らしい職業だと感心する。そして童話の中のキャラクターとして登場するドロシー(小野川晶)があまりにも可愛いらしい。絵本の中から飛び出してきたようなキャラだ。

    独特の「オズの魔法使い」と現実の世界を交錯させ一つの物語として立ち上げた構成も素晴らしい。
  • 満足度★★★★★

    いつもと少しだけ違ったテイスト
     ダーク・ファンタジーに特徴を持つ同劇団だが、今回は、主人公の小説家が書く「オズ」からのスピンアウト物語の世界、現実の世界で書くことに苦悩する人たち、主人公がかかえるトラウマの世界、の3つが巧みに交錯し、途中までは群像劇に近い感触。終盤で主人公の心情に焦点を当てつつ、全体にも希望を見せるあたり、いつもとは少し違った印象を受けた。構造は複雑だが巧妙に作られて分かりやすく、何と言っても配役の妙が冴える。常々こういった役者陣の芝居を見ていると、役の割り振りが強烈な印象である。かなり満足し、楽しめる作品だった。

  • 満足度★★★★★

    話はシンプル。
    チケットプレゼントで、友人と観劇。
    空想組曲もレッドシアターも初めてだったので、ドキドキでした。

    中田顕史郎さんが僕は一番好きでした。
    かっこいい役がうまいし、面白いってすごいなぁと。

    全般的に、笑える。
    友達は「ずるいなぁ」と言ってましたが、
    そんな感じに、笑わせどころ、ネタなんだろうなと思うとこは
    見えますし、
    また俳優さんたちの個性が強く、そういう面白さもあり。

    とはいえ、個人的には楽しめたので◎。
    天幕旅団的なノリも入ってて、ニヤリ。
    と友達と。

    ネタバレBOX

    内容はシンプルです。
    ただ、個人的には薄さを感じました。
    俳優さんたちによって、キャラがたっているのは
    確かなのですが、話の中でそれがどうなのかなと。

    また、終わり方。
    綺麗ではあるけども、疑問符。

    うまく繫がってはいたけども、
    後ひとつ、「壊し」が欲しかったなぁー、と。

    演出、舞台などは秀逸だと。

    概ねは楽しめたのです。
  • 満足度★★★★

    クリエイター大集合?!
    ホチキス小玉さんや少年社中・井俣さんが出ているのでアート系かと思いきや!?…でした。
    美男美女のいるカフェ、いってみたいです。
    公演二日目、後半にみたらもっとよかったんだろうなぁ~!という感じでした。。

    ネタバレBOX

    効果音がグロい。

    るりちゃんが叱るシーン泣けました。不器用だけど、気持ちがちゃんと届いてよかった。。

    ドロシー先生の扉しまる前の笑顔、よかったです!!
    シリアスなだけにところどころみせる藤田さんのちっちゃな芝居がウケました。帰還て、そういうことかぁ…。

    少年社中・井俣さんのダンディな役、ステキでした。でもやっぱり、イロモン系?の方が井俣さんという感じでした。。
  • 満足度★★★★★

    感動!必見!今年一番!!
    構成が最高!

    オズの魔法使いをふんだんに使った素晴らしい人間賛歌のドラマでした。

    これから観に行く人はネタバレBOXを読まないでください。

    ネタバレBOX

    「言葉の呪い」。私は言霊とか言って、言葉に魂があるという風な言い方が嫌いです。だから、言葉の呪いという言い回しも本来なら好きじゃないはずですが、有言実行、いったん自らが将来の夢を宣言したら重いぞ、初心忘れるなよ、状況は変わるだろうけど後悔するなよって想いがビシビシと伝わって来る言葉でした。

    高峰ドロシーの小説、オズの魔法使いをモチーフにしたグロテスクな話からスタートし、彼女の小説を読んで小説家や漫画家を目指すようになった26歳前後の同級生たちの話が主題のように進行していきましたが、高峰ドロシーと父親との葛藤と和解が本当の主題でした。何と素晴らしい構成でしょう!!

    一足先に作家デビューした北間(北の魔女)は、畑山(案山子)が言うように、優越感を顕示するために作品の読み合わせ会を続けていたように思えましたが、宍戸(ライオン)に高校時代の約束通りに言葉の呪いを掛け漫画家への道を思い出させるなど、友情に満ちていました。

    オズの魔法使いのお話のように、畑山は脳みそを働かせ小説のテクニックを磨き、宍戸は男と距離を置く勇気を得、金秀(ブリキ)は心を得て友情表現に深みが増しました。まだまだ不十分ですがこれからも頑張るでしょう!

    そんな北間にも、中学生の頃イジメに遭っていたときに高峰の小説を読み、次回作を読みたい一心から自殺を思い止まった過去がありました。

    グロテスクな作品の模倣事件で、父親から小説を書く意味を問われた高峰は答が出せず10年間家に帰ることができませんでした。この間彼女を助けたのが一通のファンレターでした。

    そして、北間がファンレターの主と分かるシーンは素敵でした!!

    作家志望の若者を見たり、ファンの存在に勇気を得た高峰は、思いつくことができる才能を活かしてこそが作家だと答を持って父親の許に帰還することができました。

    北間もそうでしたが、編集者や宍戸の恋人など、誰が良い魔女(人)で誰が悪い魔女か、見方を変えればどのようにも捉えられる奥の深いオズの魔法使いです。

    舞台中央の道であり、テーブルである装置、そこから延々と続く背景も帰還の難しさを表していました。オーバー・ザ・レインボーが流れるときの七色ならぬ9色程のライトも綺麗でした。
  • 満足度★★★★★

    笑いもあり、ダークファンタジー
    心の闇をも照らすのだが、場内は笑い声も響く。それ以上に、心に響く作品でした。『オズの魔法使い』のメルヘンに潜む残酷性も浮き彫りにされ、現実の厳しさも感じるが重くはなく、私は希望を持ち帰れました。

    ネタバレBOX

    人気作家、高峰ドロシーの残酷な作品に魅せられ、犯罪をおこしてしまうファンもいた。作品に感銘して、漫画家、小説家、童話作家を目指す三人と、高峰が偶然、喫茶店で出会い、関わっていく話と、『オズの魔法使い』が交差しながら、物語はすすんでいきます。

    作家と言うクりエイターの目から、譲れない感性を見せるが、一般人も同じと思った。
    ある事柄を、どう感じるかにより、友情や愛情が絆になったり、百年の恋も醒める事がある。
    魅力でもあり、怖さも潜む感性。
    だが、それ以上に、真実、嘘、綺麗事は、毒にも薬にもなる。大切なのは、感性を理解しえる関係と思いました。

    足りないものを得る為には、覚悟が必要。覚悟する度胸がなくても、想いが強ければ、自ずと開けるはずとも、思えました。
    売るためには手段を選ばない編集者や、理解者のようで、何も解ってもらえなかったりと、切なさもあるのだが、皆各々の大切な事を、掴み直せそうな、素敵な作品でした。

    遠近法で描かれているテーブルの続く壁画、永遠に続きそうで怖さもあり、オズの魔法の不思議さや、人々の葛藤でもあり、世界観がでていて、よかったです。
    扉を開くことでの、場面転換も良く、達者な役者さんばかりで、魅せられました。二役や、全然違う顔を見せる人物の使い分けが良かったです。
    オズ役中田顕史郎さんのチョイ気障加減も、とても良かった。
    穴戸(ライオン)役の小玉久仁子さんの『間』は、最高です。

    見続けたい劇団が、また、増えた喜びを感じた作品でした。
  • 満足度★★★★

    初日
    観劇してきた。
    前作は心温まる作品で見事だった。
    今回は客演陣のキャスティングも見事で前作とは真逆のダークな内容。
    とてもよかった。

  • 満足度★★★★★

    職人芸のように。
    小玉久仁子、久保貫太郎など、各劇団の飛び道具を集めながら、びっくりするようなピュアな演技をさせている。そこら辺のほさかようの演出能力に恐れ入る。

    舞台美術、照明、音響、いずれをとっても一級品。

    中田顯史郎のうまさは相変わらず。今回、川田希が素晴らしかった。

  • 満足度★★★★

    ダークな「オズの魔法使い」が…
    ファンタジーをやりきって、会話劇もしっとりキメて、装置や照明でも楽しませてくれて。王道のダーク・ファンタジーでした。おもしろかった!

  • 満足度★★★★

    本当は怖いオズの魔法使い
    面倒で痛々しいけど、書かずにはいられないのだなぁ。

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