ドロシーの帰還 公演情報 空想組曲「ドロシーの帰還」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    感動!必見!今年一番!!
    構成が最高!

    オズの魔法使いをふんだんに使った素晴らしい人間賛歌のドラマでした。

    これから観に行く人はネタバレBOXを読まないでください。

    ネタバレBOX

    「言葉の呪い」。私は言霊とか言って、言葉に魂があるという風な言い方が嫌いです。だから、言葉の呪いという言い回しも本来なら好きじゃないはずですが、有言実行、いったん自らが将来の夢を宣言したら重いぞ、初心忘れるなよ、状況は変わるだろうけど後悔するなよって想いがビシビシと伝わって来る言葉でした。

    高峰ドロシーの小説、オズの魔法使いをモチーフにしたグロテスクな話からスタートし、彼女の小説を読んで小説家や漫画家を目指すようになった26歳前後の同級生たちの話が主題のように進行していきましたが、高峰ドロシーと父親との葛藤と和解が本当の主題でした。何と素晴らしい構成でしょう!!

    一足先に作家デビューした北間(北の魔女)は、畑山(案山子)が言うように、優越感を顕示するために作品の読み合わせ会を続けていたように思えましたが、宍戸(ライオン)に高校時代の約束通りに言葉の呪いを掛け漫画家への道を思い出させるなど、友情に満ちていました。

    オズの魔法使いのお話のように、畑山は脳みそを働かせ小説のテクニックを磨き、宍戸は男と距離を置く勇気を得、金秀(ブリキ)は心を得て友情表現に深みが増しました。まだまだ不十分ですがこれからも頑張るでしょう!

    そんな北間にも、中学生の頃イジメに遭っていたときに高峰の小説を読み、次回作を読みたい一心から自殺を思い止まった過去がありました。

    グロテスクな作品の模倣事件で、父親から小説を書く意味を問われた高峰は答が出せず10年間家に帰ることができませんでした。この間彼女を助けたのが一通のファンレターでした。

    そして、北間がファンレターの主と分かるシーンは素敵でした!!

    作家志望の若者を見たり、ファンの存在に勇気を得た高峰は、思いつくことができる才能を活かしてこそが作家だと答を持って父親の許に帰還することができました。

    北間もそうでしたが、編集者や宍戸の恋人など、誰が良い魔女(人)で誰が悪い魔女か、見方を変えればどのようにも捉えられる奥の深いオズの魔法使いです。

    舞台中央の道であり、テーブルである装置、そこから延々と続く背景も帰還の難しさを表していました。オーバー・ザ・レインボーが流れるときの七色ならぬ9色程のライトも綺麗でした。

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    2011/02/24 10:53

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