満足度★★★★★
ぞっくぞく
ここまで満足した芝居を観たのは何年振りだろうか?スタイリッシュな演出かと思えば、情熱的なシーンもあり、何よりも4時間まったく絵変わりのしないセットであそこまで心の機微、変化を魅せられるのは何よりも役者の力量か・・・?とにかくとてつもないモノをみせてもらいました。第2回公演も期待しています。
満足度★★★★★
本当に観てよかった
4時間と聞いて心配しつつ観に行ったのだが、とんでもなく良かった。作者・三好十郎の実生活を戯曲にしたような作品で、愛する妻の看病に専心する主人公の姿が、他の人々との関わりと事件の中で淡々と描かれるだけで、笑えるシーンもほとんどないのだが、10分の休憩2回を挟んでの3時間52分が全く長くない。ほとんどのシーンに出ている田中の力量と緊張感も見事だが、その看病を病身で受け止める藤谷の存在感も素晴らしく、他の役者陣も実に丁寧に役割を演じて、本当に観てよかったと思わせる芝居だった。
満足度★★★
そこまでいい?
結構ベタボメのコメントが多いけど、俺としてはそれほど楽しめなかった。寝不足のせいもあったと思うけど。長すぎたし… 俳優陣はすごかった。
満足度★★★★★
評判に違わぬ良作。
演出の長塚が掲げている、戦中に書かれた戯曲を現代の作品として舞台に立ち上げるというテーマは、概ね達成できていると思いました。各役者が演じる対象を自身に引き付けて創り込んでいるなど、俳優・スタッフが一丸となって良い公演にしようという意気込みが伝わってきています。田中哲司の演技に物足りなさを感じるところはありますが、あまり高いレベルを求めすぎるのはそれこそないものねだりになってしまうのかと・・・。
浮標、やはりいいよなぁ
三好十郎作「浮標」は以前、他の演出家作品で観たことがあり、あまりにも好きすぎて今回も迷いながら長塚演出を観た。「生死」に寄り添う脚本であるが、長塚演出は「生きる」を強調した演出に思われた。スタイリッシュな演出に今回は泣かないで済みそうと思いながらやはり後半堪らず涙。なんでこう人間臭い良い人ばかり出てくるのでしょう。
満足度★★★★★
な、なんだこれは…!
吉祥寺シアターの、二階バルコニー席。
役者の顔、動きが十分に見える位置だったので、心の底の方から
絞り出すような台詞が、衝動的で動物の様な動きが、
本当に時々弾丸のように私の感情を直撃してきて…
とにかく、ラスト周辺ではタイトルの様な言葉しかいえない。
☆5個じゃ足りないぞ、これは!!!
迷っている人は以下で『浮標』の原文を読んで、ひっかかる台詞が
一つでもあるのなら絶対に行くべき。 後悔は絶対にしない作品。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001311/files/49776_36893.html
観劇。
台詞をこれほど美しいものと感じたのは初めてかもしれない。耳に入ってくる台詞ひとつひとつに生命のエネルギーが宿っている。前日に観た「アンナ・カレーニナ」では音楽に震えたが、今日は三好十郎の台詞に震えた。俺泣きすぎだよ本当に。でもただただ泣くしかできないんだ。
二村周作さんの美術と、小川幾雄さんの照明が秀逸だった。砂浜の上、ひとりの人影が左右にふたつ映し出される。まるで海の沖合で浮標が揺れるようにゆらゆらと、人が生と死との狭間を漂うように…。その境目は僅かな紙一重であるというのに、ひっくり返った瞬間にすべてが変わってしまうのだ。
そして晒しの舞台上で負けなかった役者の根気に、何よりの拍手を。田中哲司に藤谷美紀、大森南朋の迫ってこんばかりの演技が身体に染み渡る。安藤聖は演技力こそ伸びしろがあるものの美しい声。しかし1日2ステとか馬鹿じゃないのかと本気で思う。観る方ですら憔悴する芝居だというのに。
断っておく必要があるのは、激しい集中力を使うことで体力的に憔悴する芝居でありつつも、精神的には生命の活力がみなぎり溢れた芝居ということだ。生きて生きて生き抜くパワーが伝わってくる。倍の値段払っても全く惜しくない芝居に出会えるなんて、そうあることじゃない。素晴らしかった。
最後に、パンフレットからの知識の引用となるが、一言書いておこう。幕末の国難を乗りきった一度目の奇跡、第二次大戦敗戦から復興を遂げた二度目の奇跡を我々日本人は経た。そして今、三度目の奇跡を果たすべく、未曾有の社会状況に立ち向かっていかねばならないという。まさに時代の過渡期にある。
今こそ我々には生きることを強く願う意思が必要だ。執拗なまでに生の讃歌を歌い上げるのだ。戦渦にあった三好十郎が書いた台詞を、「生きて生きて生き抜け」という言葉を、後世の日本に引き継がんためにも。
満足度★★★★★
田中哲司さん凄い
ここでの高評価を見て行ってきました。
かなり久しぶりに、見応えのある舞台だった。
ホント、観れて良かった
休憩2回を含む計4時間の大作。
だが、終わってみればそこまで長かった感覚は薄く
特に3幕はあっという間だった。
いい役者さんが揃ってるが
今回はその中でも主役の田中哲司さんが凄まじかった!
こういうのを「内に秘めた狂気」と言うのかな。
後半の演技には、本当に鳥肌がたった。
長塚さんの演出も派手ではないが
両脇で座ってみている役者等とても効果的なものだった。
満足度★★★★★
愛することと、生きること
演劇を愛している=人間を愛している。
つまりは、生きるということに、まっすぐに向き合っていくこと。
長塚圭史氏は、そういう表現者なんだな。
愛していると抱きしめておきながら、自分の力で生きろと突き放されたような・・・、
三好十郎はそんな作家だ。
そして、それは媚薬のようであり、劇薬のようであり、癖になる。
開幕の口上で、長塚氏は70年前の戯曲を上演するにあたり、「現代」という言葉を強調した。
現代的というのは、演出も俳優も自分の「現代(いま)」を背負い、戯曲と対峙し、観客に届けることだと思う。
藤谷さん、すばらしかった。
田中さん、正直言って期待はしていなかった。けれど、二幕以降、どんどん引力を増し、最後には人相まで変わっていた。戯曲とともに生きていた。
一部、俳優さんが「現実」を背負うという、「作業」段階であがいているのが見えて惜しかったけど、まだ上演中。ますます深まっていくと思う。
私は休憩2回で4時間ぐらいの作品が、一番しっくりきて好きなので、上演時間にも満足。
「演劇には力がある」を実感できる舞台。多くの人に観てほしいと思う。
満足度★★★★
芸術作品
会社をバックれて、昼の部を観賞。
平日の昼間だというのに、満席でした。
そこに見えるのは、砂。
描かれるのは人間の生きる力。
ちょっと神秘的ですらありました。
(春琴に似た舞台設定)
時代背景、社会事情が異なるとはいえ、
現代と似た問題を浮かび上がらせ、
その鳴門のような渦に翻弄されつつも、
慟哭しながらも、生きようとする人間が
そこにいることを思い知らされました。
ただ、、4時間はキツかったですぅ。。
満足度★★★★★
私の宝物になりました
KAATで観ましたが、もう一回。それでもまた観たいと思う作品です。
すばらしく完成された70年前の戯曲を長塚さんが現代に蘇らせ、それに応えて、さらにすばらしいものに出来るスタッフや役者さんたちの力って凄いです。それを心に刻むことが出来た私は幸せです。
とくに二村周作さんの仕事(美術。それは全然主張していないんですよ)は一生忘れないと思います。と、そこにいる五郎さんの背中と万葉集からこぼれ落ちる砂。
満足度★★★★★
砂浜の残像
「戦争」「生きること」。昭和15年の作品。現代においても何も変わらないそれらの主題。人間だから、日本人だから、「愛」があるから。「幸せ」なのです。