実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/03/11 (土) 19:00
炭鉱労働者の苦難を描いたラブストーリー。
低賃金で働かされながらも生活の為に身を投じるもの。
生きる望みを失わず、愛するものの為に責務を果たそうとするもの。
いずれも彼ら・彼女たちの自尊心【プライド】が、個性的なキャスト陣を色濃く象徴した作品。
舞台演出、美術、演技面では学術的な原理や応用をきちんと汲み上げて創られている様に感じた。
私はこのマギーの世界観とても好き。細かな小道具や古木のフローリング。特徴的なドア。
良い舞台なのですが、強いて言えばどの役者にしても、あの会場であの発声は適切だったかどうか。
歌う。叫ぶ。怒る。笑う。咽び泣く。どれもバンと強い声で、バグパイプのように張り上げている様に聞こえる。
今回の小屋では、もっと繊細な声の色・ニュアンス、間が伝わると豊かな声の意味合いも変わって来るのではないか。
そんな風に観ていて感じました。
実演鑑賞
満足度★★★★★
骨太で濃厚な舞台でありました
休憩15分を入れて2幕の時間15分という長丁場
でしたが眠気もおきる事は無く
話に引き込まれてしまいました
役者さん巧いなぁ と
話は説明通りで
特に補完するようなことは無いっすね
観客は高齢の男性が多いように
みうけられました
実演鑑賞
満足度★★★★★
俳小さんの舞台は何度も観ているが,今回も役者さんが演技に真正面から取り組んだ,素晴らしい出来映えの芝居だったと思う。物語の内容も考えるものがあり,最後はちょっと背すじが寒くなったが,奥深いものでもある。そして,やはり役者さんの演技,舞台映えして素晴らしい。舞台装置,照明,音楽すべてが質が高く,満足できる内容。オススメの舞台です。
実演鑑賞
満足度★★★★
俳小の翻訳劇シリーズは掘出し物のままある古本屋(通人なら骨董屋と言う所か)を覗くような楽しみでチラシを眺めるが、タイトルも作者名も大概判らぬ。今回は炭坑夫の弟を持ち炭坑夫の兄と父を亡くした主人公マギーの家が舞台。炭鉱にまつわる話らしいと知って少しわくわくするのは映画「プラス!」やミュージカル「ビリー・エリオット」、はたまた「わが谷は緑なりき」?の影響だろうか。
年頃のマギーは稼ぎ手の弟と、母、祖父と暮らす。所へ、一人の男が現われる。マギーと男、家族らの関係の変遷を軸に、炭鉱の町、引いては時代への眼差しへと観客を導く。炭鉱と来て、バグパイプ・・音楽と来れば先の映画とミュージカルを思い出すが、舞台はいずれもイギリス。だが今作の舞台はカナダである。
戯曲は来訪者である男の人物像を特徴的に描いている。のだが、、
実演鑑賞
満足度★★★★
公演は、タイトルにある「博物館」としたマギーの家、そこで力強く生きた人々の「証」を紹介もしくは回想した力作。同時に、人によって捉える観点が恋愛劇であり社会劇といった違い、そんな幅広い受け止め方が出来る作品でもある。
当日パンフに翻訳者の吉原豊司氏が「時代背景は1940年代後半、場所はカナダの東海岸にある炭鉱町グレースベイ。今の日本とは地理的にも時間的にも遠いところの話」と記しているが、何となく現代的なような気もする。
人間はどんな劣悪な環境下でも生きる、そのために無くしてはならないのがプライドである。生きる原動力にもなっているプライドの激しいぶつかり合い、その中に さり気なくルーツの大切さも描く。それがバグパイプの調べであり ケルト語で書かれた祖母の日記帳である。言葉を発しなくなった祖父の意思表示は、<英語>で祖母の日記帳へ殴り書きをする。何もかも上書きし無かったことにする、その虚しい行為に自分自身憤っているかのような態度=後ろ姿。
脚本(翻訳)の力は勿論、視覚的に観せる舞台美術、そしてマギーの主観的な追憶であり客観的に俯瞰するような語り、その複眼的な演出が秀逸。それによって炭鉱労働者の劣悪な労働条件・環境、経済的貧困、労働組合による戦いなど、悲惨極まりない出来事を一時の感情的な事としてではなく、事実として伝える。この掘っ立て小屋は、今では 勝手に思っている「博物館」であり、冒頭は 、陳列している「弁当箱・ヘルメット・ヘッドランプ・・・」と説明し、ラストシーンは「覚えていてもらうってのは大事な事」というメッセージで結ぶ。劇中ナレーション風になるのは、回想場面から抜け出し、現在<今>の心境で語るためであろう。
また場面転換をしても、いつも母の床拭きから始まる。いつまで経っても状況は変わらない、そこから一歩も進めていない様子が一目瞭然。その一家の暮らしを支えているのがマギーの弟、炭鉱労働者である。使用者対労働者という典型的な資本主義の構図をあてはめた物語へ展開していく。
気になったのが配役である。マギーに兄がいたが、彼が16歳の時に炭鉱の事故で亡くなった。その子は今8歳…と言うことはマギーやその弟は20歳代前半だろうか?<自分の聞き違い又は勘違いだろうか>
(上演時間2時間15分 途中休憩15分)
実演鑑賞
満足度★★★★
ある娘を通して炭鉱労働者の生活を描く休憩15分を挟み計2時間15分、しっかり作られた舞台装置とバグパイプ、そして主役2人の体躯の大小が印象的、あと歌が素敵でした。全体に暗めのトーンで演出なのか脚本なのか劇的な出来事は全てナレーションで済んでしまうせいかやや盛り上がりに欠ける印象。
実演鑑賞
満足度★★★★★
期待して行きましたが、期待以上に素晴らしかったです。
単なるラブストーリーと観てもおもしろいが、炭鉱の労働の厳しさ貧しさも描かれていて、とても満足でした。
最初から、この作品はおもしろくて、のめり込んでしまいアッというまの130分でした。
バグパイプの組み立てから見せてくれたのは、嬉しかった。
組み立てられたものは何度も見ているが、組み立てを見たのは初めてでした。
それにしても、この劇団さんのお芝居はいつ観ても、魅力的です。
どうしたらこのステキな雰囲気が出せるのでしょうか?
今回の作品も(聖なる日)に少し雰囲気が似ていて好きです。
今回は、歌も入り楽しかったです。
実演鑑賞
満足度★★★★★
やっぱり翻訳劇は面白いと思わせる逸品。
貧しく苦しい生活の中で力強く生きていく様が丁寧に描かれている。
舞台美術もしっかりと作りこまれており、これぞ新劇と堪能させてもらいました。
実演鑑賞
満足度★★★★
貧しい海辺の炭鉱の町の話ということで気が重くなっていたのでしたが、思っていたほど暗くなくてよかったです。マギーは食堂?にお茶飲みに行けていたし、生きる気力を失っているというお母さんも、何か遊びに出かけられていたようだし。しかし仕事が無いらしいとはいえ、たまに臨時の仕事しかしないニールってどうなの?バグパイプが上手で優しいし、なかなか面白い人物みたいだけど私には疑問でした。
貧しさに負けて飲んだくれてるような人がいなくて(少なくともこの家族には)、みんな気丈に生きている姿がよかったです。
でも、チーチコフが弟役って、いくら舞台とはいえ老けすぎて無いですか?
実演鑑賞
満足度★★★★★
演技(表情)、舞台美術、照明、音響どれも素晴らしく、しっかりとこの壮絶な闘い(貧困との闘い)を描いていた
貧困の悲しさで胸がいっぱいになる
「聖なる日」のディジュリドゥの音色に対し今回はバグパイプが通奏低音
ともかく息つく余裕もなく見入った2時間15分
加賀谷崇文と小池のぞみは大男とチビという原作にピッタリの配役
4人ともよく声が通っていた
そしてしゃべれぬおじいちゃんの大久保たかひろが木片をたたいて意思表示をする様が実に良く表現されていた
実演鑑賞
満足度★★★
開幕から滅茶苦茶面白い。
1947年カナダの東海岸、ケープ・ブレトン島にある炭鉱町グレース・ベイ。スコットランド移民のアイデンティティはケルト語。バグパイプで奏でる曲はスコットランド民謡。『テルーの唄』に似たメロディーがメイン、元々谷山浩子がケルト音楽をイメージして作ったのであろう。
「洟ッ垂れ」と呼ばれ、誰にも相手にされないチビのマギー(小池のぞみさん)が今日も独りダイナーで時間を潰している。そこに現れたのは戦争帰りの大男ニール(加賀谷崇文氏)、デカい荷物を抱えて。「この席いいかい。」と相席になり、ポテトとティーを奢ってくれる。警戒するマギーの前でニールはバグパイプを取り出して組み立てると、大音量で吹き鳴らす。店主に怒鳴られ叩き出されるニール。
こんな出会いから物語は転がり出す。『俺たちに明日はない』のオープニング、歌の歌詞のような出だしが心地良い。
マギーの暮らす狭い掘っ立て小屋では、塵肺で寝たきりの口のきけない祖父(大久保たかひろ氏)、ビンゴだけが楽しみの母(荒井晃恵さん)、独り一家を支えて炭鉱で働く弟(大川原直太氏)が。弟は労働組合の力で炭鉱夫の待遇改善を目指している。マギーに惚れたニールは毎日通ってバグパイプを吹き鳴らす。
ロバート秋山風味の布袋寅泰、加賀谷崇文氏がカッコイイ。一本気で無頼、プライドが高く強い信念を持っている。
小池のぞみさんの揺れる女心、亡き兄への今も変わらぬ畏敬の念。
大川原直太氏は潮健児や高並功の若い頃を思わせるアクの強さ。
大久保たかひろ氏はいいキャラ設定、ガンガン木片を叩いて人を呼ぶ。
荒井晃恵さんが床を雑巾で拭く様子が印象に残る。
貧しい惨めな暮らしの中で人々の考えは揺れ動く。
一番の名シーンは湾に死にかけた鯨が打ち上げられる。酔っ払った住民共はおどけてふざけ合い小便をかけ痛めつけて遊ぶ。それにキレた弟は独り止めに入ろうとする。弟を宥めるニール。「あいつら何人いると思ってるんだ?それにたかが鯨じゃないか。」弟は怒鳴り返す。「それを言うならば俺はたかが炭鉱夫だ!何とか生き延びる為に必死になっている奴を助けることに理由なんかいるものか!」それを聞いたニールもはっとなり、二人で多勢に殴りかかっていく。
何も持たない弱者達が手を伸ばすべきものは過去の栄光か?闘争の果ての未来か?
実演鑑賞
満足度★★★★★
結構話の背景が重たいですが、役者の演技力もあって、観やすかったです。
マギー役の小池のぞみさん、可愛らしくもあり力強さもあって良かったです。
実演鑑賞
満足度★★★★★
強い生命力が漲っているだけに壮絶な爪痕を残してくれる公演
海岸に位置する炭鉱の町
貧困から逃れるため移り住んだとはいえ、この土地には生きていく術の選択肢があまりに少なすぎる
これではどうやっても豊かになれそうもない
そんなジレンマが常に付きまとって、それでも必死に足掻いて生きている姿から片時も目が離せませんでした
男にモテないけれど明るく気丈なマギー(どうにか幸せになって欲しいと思わせる魅力に溢れている)
マギーと一緒に暮らすのは
旦那と長男を炭鉱で失い生きる気力を失っている母(元々が根明な女性だったらしく、その片鱗に救われます)
強い労働組合を目指す弟(真面目でそれ以上に不器用な男を好演)
長年の探鉱作業で塵肺を患うじっちゃん(寝たきりなので常に部屋の一角に鎮座しているシンボル的存在)
そんな生活の中、マギーと恋に落ちる心優しいニール(体格良く頼もしいのだけれど不安を予見させる一面もあり)
やがて二人は海が見渡せる小高い丘に新たに家を建てる事を誓い合う・・・
あらすじに書かれた登場人物がそのまま具現化されていて、演劇の生々しさがダイレクトに伝わってくる、それ故に強烈に響いてくる公演でありました
この公演に関するtwitter
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劇団俳小公演「マギーの博物館」 昨日無事に千穐楽を迎えました! ご観劇、応援してくださった皆様ありがとうございました! ほんとに楽しい座組でした! またいつぞや! https://t.co/SM2TcOQCeV #マギーの博物館 #劇団俳小 #サンモールスタジオ
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幕間にカブを食べてるんです😌 このカブ2幕の頭に登場してくるカブなんですが、あれは本物です しかも一瞬です! そんなカブも出てくる舞台「マギーの博物館」本日夜公演は19時から! まだまだ席があります! 飛び込み大歓迎です!… https://t.co/lD0bHfbbdP
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