満足度★★★★★
熱い現代劇
普段は時代劇が多い め組ですが、終戦後の昭和を描いたものに興味あって、当日になって予約をいれました。しかもそれもが最前列。
戦争がおわった後に、戦犯として日本が侵略した各地で行われた軍事裁判で死刑を求刑され、その執行日までを描いた真摯なテーマでした。
ステージもいたってシンプル、その分ひとりひとりの演技、言葉が胸に響いてきます。
上演時間は2時間くらいですが、笑いなどない重い舞台でしたが、当時は全く身に覚えのない罪で戦犯としてこの世を去った人間も多かったのでしょう。
あまりメディアや歴史の教科書には登場しないような「BC級戦犯」 の生き様、「生」への執着が目の前で展開され、息苦しいくらいの 熱いドラマでした。
僕は戦争を肯定するのでも美化するつもりもありませんが、そこには、潔さと男の軍人としての"プライド" が まぶしいくらい精一杯生きた男を感じました。
それは、め組お得意の武士道に通じるのかもしれませんが・・
そしてひとりひとりが最愛の人に贈るラストメッセージ 、しかもそれはトイレ用の紙に書き記す「遺書」
ラストでは堪えきれずにハンカチ出動でした。。
サブタイトルの Wings to fly 自分がこの世を去ったあとに、鳥になって祖国に、愛する家族のもとに飛び立つんだ という意味があとでわかるときも (涙)です。
だけどこれがお芝居で終演後はいつものようにキャスト全員がお見送り、ちょっと ほっとしました。
満足度★★★★★
まさに求めていた作品
「自衛隊は暴力装置」という官房長官の発言に非難が集中、北朝鮮が韓国を砲撃し、若い世代の間でも「国益優先・国防強化」の論議がかまびすしくなっている今、この作品に巡り合うことができて本当に嬉しかった。
戦争の風化が言われて久しいけれど、パンフレットの合馬さんの挨拶文に胸打たれ、改めて演劇の力を感じた。
「国を守り、戦争をする」ということはどういう状況を生むのか、私たちは改めて考察する必要があると思う。
満足度★★★
Pには、いろいろな意味がありました。
死刑を待つだけの空間内での群像劇。
戦争は終ったのに戦勝国側に訴えられ・裁かれて・・、
死という結末を押し付けられた者たちの、最期の日々が坦々と流れてゆく。
静かながらも、訴えるモノが大きな芝居でした。
満足度★★★★
静かなる燃焼
め組は時代劇しか観たことがなかったから、ある意味斬新。ワタクシは個人的に野村という役者が好きだ。だから必ずと言っていいほど、終演後にお声をかけるのだが、なんだか髪型が似合わねー。笑)・・ちょんまげの野村しか観てないからなのかも知れないけれど・・。ちょっとお話をしながらも、込み上げてくる笑を必死で隠してました。苦笑!
以下はネタばれBOXにて。。
満足度★★★★★
やっぱり 好きです!
め組さんが描く、生き様が、好きです。それが、死に際と言う悲しい場面でも、残る人々への託す想いが、込められているので、立ち上がる事が、できる。歩いていかなければ、と思えました。母(戦争体験者)も、一緒に拝見させて頂きましたが、良かったと、申しております。ありがとうございました。
満足度★★★★
硬質な芝居
幕末ものに定評のあるめ組がBC級戦犯を扱った芝居を上演。ストーリーは完成度が高く申し分ない。ただカラー映像はシンプルな舞台にそぐわないのでは?女性像も観客の想像力に任せてよいのでは?映像ももっと昭和20年代っぽくないと。
満足度★★★★
殺陣はないけど、め組の芝居は・・・
戦争ものを芝居は、場合によって戦争経験者等から反論を招くこともあり、その内容には大変気を使うものだが、本公演は戦争のネガティブな面には余り触れず、人間関係を舞台化したものだった。観る側にとって、粛々と展開されたストーリーは、これまでの殺陣で演じられた泥臭い、派手なシーンがなく物足りなさを若干感じたものの、戦争が背景にありながら、極めてスムースに受け入れることが出来た。(合馬さんの本は、良く書けていたと思う。) 戦争を美化してはいけないが、人間の結びつきを戦争というシーンを利用して上手く演じられており、観客の涙を誘うエンディングは、役者、芝居の完成度が高い表れだと思う。