愛犬家 公演情報 愛犬家」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-8件 / 8件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    色々なところにダークな部分が潜んでいて、スッキリではないですが心にひっかかり、面白かったです!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    サスペンス・ミステリー風であり、再々演を考慮して、あらすじではなく概要だけにする。本作は、劇団の旗揚げ<6年前>作品の再演だという。当日パンフに甲斐マサキ氏が「それゆえに劇団の世界観が最も色濃く反映した作品にもなっている」と記している。続けて 大きく改訂してほとんど新作とあるが、自分は未見のため どこが変わったのか分からない。

    6年という歳月は平成から令和へ、そしてコロナ禍を経験している。この状況を物語に取り込んでいたのだろうか、少なくとも台詞にはなかった。一方、甲斐ファクトリーらしい描きーー苛めという心身の痛み、見下しながらも見下されているような捻じれーーそれがリアルに立ち上がってくる。変わる環境(状況)、変わらない関係(愛情)が、何か目に見えない うねりによって軋み崩壊していくようだ。

    物語は、現在と過去が並列して紡がれる。勿論、演劇的には交差させ、重層的に観せている。
    家庭を築きながらも家族としての温もりが得られず、もがき続ける鈴木一家。一方、興味を持ちつつ客観を決め込む隣家の佐々木夫婦。鈴木一家に個人の観点を、そして佐々木夫婦に社会(世間)という観点を担わせているようだ。物語に潜む不気味で得体の知れない怖れは、捉(抑)えようがない人の感情であり、不寛容な社会状況によるものか。
    何らかの「家族のかたち」を求めて生きようとするが、いつの間にか正常と狂気の境が崩れて…。
    (上演時間1時間45分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、二層で上部は道であり蔦草が垂れている。上手にドア(鈴木家の玄関)、玄関灯 そして数個の箱馬があり場面に応じて配置を変える。二層の上から滑り台のように傾斜した道ー坂道を表している。この高さの上り下りによって会話だけではなく、単調になりがちな日常<生活>にアクセントを付ける。

    凡庸で不器用な中年男が、高嶺の花の女性(20歳も年下)と結婚し子供(女の子)が生まれる。その際、英国の諺にある「犬を飼うこと」にした。幸せを絵に描いたような…しかし妻は結婚前から異性関係にだらしなく、子はあるコンプレックスを抱くことになる。思春期になり、娘は美しい母に嫉妬し自身と比較し悲観する。それが「ママは本当にきれいだね。死んでしまえばいいのに」。一方 友達からの苛めもあるが…。

    夫は妻に見下されながら、実は内心 見下しているような捻じれた自尊心が垣間見える。それが洗濯物を仕舞ながら ほくそ笑む表情。日常の不満、偽善に鬱屈しながら家族ごっこをする。そんな仮面家族を”普通”の家族へ、そんな当たり前の気持と行動が…。このへんの描きは、甲斐ワールドらしい。
    さて、コロナ禍で労働環境も激変し、テレワーク(自宅での業務)が増えた。夫婦間の物理的距離は近くなったが、一方 精神的な隔たり煩わしさが増したとも聞く。この鈴木家に当てはめてみた時、初演時と今作品との間で変化があったのか否か。

    鈴木家の夫:イチロー(トラ丸<伊藤順サン>)の卑小で無様な中年男の哀しみ、妻:カオリ(安藤紫緒サン)の自尊心が高く、厭らしい女性、娘:レイコ(辻村妃菜サン)の激情・激昂する感情。三者三様の迫真ある演技が素晴らしい。勿論、鈴木家以外の登場人物も熱演、全体のバランスは言うまでもない。

    舞台技術ーピアノ演奏による音響効果、照明はピンスポットによる心情効果、階調による情景変化、そして ラスト映像による回想シーン〈伏線があり見事な回帰⇨幼い頃 娘のビデオ鑑賞〉が登場しない父の慟哭を表すようだ。
    隠れテーマとして、当たり前の日常を生きようとする人々への人生賛歌かも知れない。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    衝撃の展開でした。

    ネタバレBOX

    いくつかの節目での衝撃的な場面で深く多くのことを考えました。登場人物の複雑な人間関係が、いっそう、人が感じる幸せには、いろいろな形があること、そして、生き方にも多くの道があること、どんな状況に見舞われようとも人生は流れていくこと、を熟考しました。きれいごとやハッピーエンドでない展開に、この物語の奥深さ、渾身の力で込められたメッセージを感じずにはいられません。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    何となくこの舞台はこれを伝えたいのかなと思ったが、自分の解釈は合ってるかな…。もう少しだけ短ければな。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     初日が終わったばかりだから、細部は後送するとして、ヒントとしてsenseという単語が持つ様々な意味の中で思慮・分別や感覚や意識、感覚能力の他に方向性などの意味もあることを指摘しておきたい。(追記後送)
     ところで、自分が「観たい」で書いていた深海魚と水圧に関する記述での指摘は、人間が変身した状況を描いている訳だから、作家が敢えて矛盾する説明文にしたのではないか? との疑念を観たいの指摘とは別に同時に考えていたのだが、後者の記述が当を射ていたと舞台を拝見して発見するに至っている。

    ネタバレBOX

     今回の公演は甲斐ファクトリーの旗揚げ公演の再演である。小説家などの処女作についてもよく言われることだが、初作品はその作家の傾向を最もよく顕す作品だという。甲斐ファクトリーは劇団なので劇団の傾向を最も色濃く出した作品ということになろうか。そうは言っても、再演に当って大改訂がなされているとのことなので初演を観ている方々にとっても新鮮味のある作品になっているのではないか。導入部で、“何故犬を飼うか”について英国の諺を引いて極めて説得力のある、同時に今作に密接に関わる台詞が入るのも上手い。舞台美術も中々ユニークなもので、殊にピンスポを多用する序盤では舞台美術と相俟って照明の齎す効果は絶大である。中盤では板中央の朱色ドア傍らに付けられた照りの点滅による効果も素晴らしいがこの辺りの演出がグー。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    連鎖の教室から、拝見させていただいていますが、今回もとても素晴らしい内容でした。旗揚げ公演の再演とのことですが、後に拝見した作品に確かに通じるものはあった気がしました。内容は人にとっての幸せって…考えてしまいますね。役者の皆さんの確かな演技と熱演はいつも通りでこれもよかったです。次回も期待です。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    これが「愛犬家」か。。。
    「八月のモンスター」があまりにも良かったので観に来たが、衝撃を受けた。
    凄い!この言葉でしか表現できない。凄い!!
    3回泣いた。それもラストは堪えきれなかった。
    「八月のモンスター」が会話劇だったが「愛犬家」は映像的だった。脚本家の引き出しの多さに感心した。役者は熱演。美しい照明と音響の中でおぞましくも聖なる物語が進行する。ネタバレになるからこれ以上は語れないが必見の芝居である。
    リピーター割があると聞いたのでもう一度観に行きます!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    客入れSEがLOVE PSYCHEDELICO。「Last Smile」が何かに似ているなとずっと考えていた。レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「snow」っぽいが、「Last Smile」の方が先。シェリル・クロウの「What I Can Do for You」に似ていると言われているらしいが(?)。「I miss you」はローリング・ストーンズの「ルビー・チューズデイ」っぽい。

    ネタバレBOX

    ラストはエリック・クラプトンの「レット・イット・グロウ」で締める。

    死んだ愛犬をブルーシートにくるんで背負い、埋める場所を探して土砂降りの雨の中を何時間もとぼとぼと歩く初老の男(トラ丸〈伊藤順〉氏)。ブルーシートからは血の滲みが。それを不審に感じた若き警官(塩谷惣一朗氏)が保健所の職員の女(大槻千草さん)と共にその男の後を追う。
    男はまむし指と呼ばれる太く短い親指を持つ。16年前、若く美しい、二十も歳下の会社のマドンナ(安藤紫緒さん)と結婚、娘(辻村妃菜さん)を授かる。しかし産まれた娘もまた、まむし指であった。
    妻は不倫を繰り返し、醜いまむし指の娘に手袋を着けさせる。夫はその全てを許し、娘の為に同年齢のゴールデンレトリバー、デカプリオを飼う。娘と共に成長し、守護神として友達として共に人生を分かち合う伴侶としての祈りを込めて。隣の家の夫婦、廣井真知子さんに味があった。

    物語は自己中心的な病んだ妻、顔色を伺うだけの卑屈な夫、学校でいじめに遭うコミュ障の娘を描く。6年前に妻は手首を切って自殺し、犬もとうの昔に死んでいた。ぬいぐるみのデカプリオをいつも大事に抱きかかえる娘。
    デカプリオの散歩に行って帰ってくる父親(彼の妄想で本当は存在していない)。娘と口論になって思わず首を絞めてしまう。はっとなって我に返るシーンが。

    いつから男の妄想なのかが焦点なのだが、ストーリーの流れは娘の高校生活の話に比重が傾き過ぎていてバランスが悪い。ラストに娘が高校ではぐれギャル達に受け入れられるエピソードが語られ、髪を染めた3人組が公園で楽しそうに遊んでいる映像が流れる。
    「愛を育てよう 育てていこう
     満開に咲かせ 風に靡かせ
     晴れた日も雨の日も雪の日も
     愛は素敵なもの だから育てていくんだ」

    誰もいない家で娘の映像を眺めていた男。
    娘と同年齢の犬の死ということから、背負っていたのは娘の死体だったんじゃないのか。(それにしては大きさが小さすぎるのだが)。

    正直、自分的には面白く感じられなかった。脚本がどっちつかずで振り切れていない。必要のない登場人物が多過ぎる。夫、妻、娘、それぞれを見つめるゴールデンレトリバー、デカプリオの視点が必要。

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