愛犬家 公演情報 甲斐ファクトリー「愛犬家」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    客入れSEがLOVE PSYCHEDELICO。「Last Smile」が何かに似ているなとずっと考えていた。レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「snow」っぽいが、「Last Smile」の方が先。シェリル・クロウの「What I Can Do for You」に似ていると言われているらしいが(?)。「I miss you」はローリング・ストーンズの「ルビー・チューズデイ」っぽい。

    ネタバレBOX

    ラストはエリック・クラプトンの「レット・イット・グロウ」で締める。

    死んだ愛犬をブルーシートにくるんで背負い、埋める場所を探して土砂降りの雨の中を何時間もとぼとぼと歩く初老の男(トラ丸〈伊藤順〉氏)。ブルーシートからは血の滲みが。それを不審に感じた若き警官(塩谷惣一朗氏)が保健所の職員の女(大槻千草さん)と共にその男の後を追う。
    男はまむし指と呼ばれる太く短い親指を持つ。16年前、若く美しい、二十も歳下の会社のマドンナ(安藤紫緒さん)と結婚、娘(辻村妃菜さん)を授かる。しかし産まれた娘もまた、まむし指であった。
    妻は不倫を繰り返し、醜いまむし指の娘に手袋を着けさせる。夫はその全てを許し、娘の為に同年齢のゴールデンレトリバー、デカプリオを飼う。娘と共に成長し、守護神として友達として共に人生を分かち合う伴侶としての祈りを込めて。隣の家の夫婦、廣井真知子さんに味があった。

    物語は自己中心的な病んだ妻、顔色を伺うだけの卑屈な夫、学校でいじめに遭うコミュ障の娘を描く。6年前に妻は手首を切って自殺し、犬もとうの昔に死んでいた。ぬいぐるみのデカプリオをいつも大事に抱きかかえる娘。
    デカプリオの散歩に行って帰ってくる父親(彼の妄想で本当は存在していない)。娘と口論になって思わず首を絞めてしまう。はっとなって我に返るシーンが。

    いつから男の妄想なのかが焦点なのだが、ストーリーの流れは娘の高校生活の話に比重が傾き過ぎていてバランスが悪い。ラストに娘が高校ではぐれギャル達に受け入れられるエピソードが語られ、髪を染めた3人組が公園で楽しそうに遊んでいる映像が流れる。
    「愛を育てよう 育てていこう
     満開に咲かせ 風に靡かせ
     晴れた日も雨の日も雪の日も
     愛は素敵なもの だから育てていくんだ」

    誰もいない家で娘の映像を眺めていた男。
    娘と同年齢の犬の死ということから、背負っていたのは娘の死体だったんじゃないのか。(それにしては大きさが小さすぎるのだが)。

    正直、自分的には面白く感じられなかった。脚本がどっちつかずで振り切れていない。必要のない登場人物が多過ぎる。夫、妻、娘、それぞれを見つめるゴールデンレトリバー、デカプリオの視点が必要。

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    2023/02/08 22:57

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