八月花形歌舞伎 公演情報 八月花形歌舞伎」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
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  • 満足度★★★

    やはり
    種を明かせば、ただ単に1、2部とも3階席がとれなかったので、3部しか観なかったのですが、ここでのコメントを拝見し、無理に2等や1等を買わずに良かったなと・・・。お岩は、なんと言っても初役ですから、あと2~30年くらいかけて完成していただければと思います。私個人としては、獅童丈の印象が良く、そろそろ中堅の仲間入りでしょうか?

  • 満足度★★★★★

    中村屋!
    第3部、「東海道四谷怪談」のほぼ全幕を観劇。
    最初歌舞伎を観に行ったときは「すごいなー」とかぐらいしか感想がなかったが、何回か観ているとなるほど歌舞伎にも上手い下手があるのだなとそれなりに算段がついてくる。
    勘太郎の熱演が今回の公演の全てと言ってもいいくらいすばらしかった。メインのお岩役にはいくら拍手をしても足りないぐらい。一つの作業だけで10分ぐらい平気で観させてしまうことができる役者がはたしてどれだけいるんだろう。
    (サーコさんに習って)AB(笑)は立ち姿は素敵なのだが、びっくりするような演技力で、ラスト以外の殺陣に関してはまるで観るに耐えなかった。

  • 満足度★★★

    当代髄一の大根役者、AB
    1日で3部を通しで見たので、ちょっとしんどかった。特に第3部長い!腰、痛い。でも、旧歌舞伎座の3階席に比べると椅子は良いので少しは楽。ABは現歌舞伎界で一番見た目が美しい役者には間違いない。猿之助型の狐忠信が演じられるほど身体能力も高い。でも、台詞を言うとがっかりする。ベッカムみたいである。(関係ないね。)特に型が決まっていないような芝居をやるほどひどい。今月の場合は第3部四谷怪談の伊右衛門。一人だけ不自然な台詞回しで完全に浮いている。勘太郎がどの役もすばらしいのでそちらをよくご覧下さい。

  • 満足度★★

    福助さんの粗さが目立つ
    先日に続き、今日は、2部を観劇。

    大好きな、劇作家、長谷川伸の「暗闇の丑松」には、またしても、泣かされました。丑松の心根が哀れです。お米の気持ちが切なくて、同情を禁じえません。残念なのは、福助さんのお今の演技。巧いんだけれど、内面の描き方に難があり、表層的演技なのが、この芝居の真の悲哀を薄めたように感じます。

    「京鹿子娘道成寺」にしても、福助さんの身のこなし、特に手先にしなやかさが足りず、花子の気持ちの変化が所作に反映されず、いつになく退屈な道成寺でした。押し戻しの海老蔵さんの発声には、口アングリ。こんなに腹から声が響かない押し戻しは、生まれて初めて観ました。

    ネタバレBOX

    長谷川伸は、自らの母に捨てられた体験を「瞼の母」に重ねた作家だけあり、彼の作品の根底には、いつも贖い切れない、母への思い、女性に対する屈折した情念のようなものがあり、「暗闇の丑松」にも、それは、如実に描かれていて、だからこそ、他の殺人場面は、観客の目にさらされないのに、四郎兵衛の女房お今が、亭主を殺そうとやって来た丑松に対して、色仕掛けをして、そうすることで、敵討ちになると囁くのに、絶望し、殺人に至る場面だけが、客の面前に露呈されるのだと思うのです。

    「女は、いつもそうだ。愛する人を守ろうとして、そうして、自分の身も守ろうとして、そのために、怖い人の言いなりになって、体を任せてしまうものだ」と、お今の申し出に、自分の不明のために自殺に追いやった愛するお米を重ねて、そのため、言うに言われぬ後悔と諦観から、自分に擦り寄るお今を殺すのだと思うのです。その、丑松の悔恨が、お今を演じる福助さんの、通り一辺等な芝居に邪魔され、浮き上がって来ないのが、大変残念でした。
    遠いので、どなたか識別できませんでしたが、女郎旅籠で、丑松に、四郎兵衛の悪行を酒にほだされ、語ってしまう、使用人役の役者さんが、お見事でした。

    「娘道成寺」は、後見の技術も影響したか、引き抜きも、手間取り、とにかく、福助さんの花子には、所作の全てに、大雑把さが感じられ、とても冗長な踊りになっていたように思います。

    花道の、捕り手の「とう尽くし」も、あまり面白さがなく、残念!!
    長唄の囃子連中の技量にも、首を傾げるところがあり、この「娘道成寺」は、役不足なのではなく、逆に、役者不足の印象でした。
  • 満足度★★★★★

    勘太郎さんのお岩
    「四谷怪談」、勘太郎さんのお岩が圧巻です。
    「無念」が人間の姿をしてそこにいる居るよう。型を超えて伝わってくるリアルな情感に、何度も目頭が熱くなりました。そしてお岩の見せ場のひとつひとつが繊細に、丁寧に演じ進められる様子には、芸の継承にかけるお家の気迫までが感じられ、それもまた感動的でした。
     おせっかいながら一等席のチケットがまだ連日残っていることに驚き。見逃すには惜しい名演技です。今からでもぜひ!



  • 満足度★★★★

    初役、勘太郎さん、お見事でした
    「四谷怪談」通しを、大好きな女優さんを誘って、観に行きました。

    たまたま、新婚の、伊右衛門お岩コンビ。
    海老蔵さんの伊右衛門は、良くも悪くも予想通りでしたが、勘太郎君は、期待以上の素晴らしい初役でした。

    序幕の与茂七の軽快な演技振り、実直な小平、哀切なお岩と、3役を、どれも破綻なく務め上げ、初役で、ここまで、演じきった「四谷怪談」は、もしかしたら、初めて観たのではと思う程。父親である勘三郎さんのお岩を踏襲してはいるものの、伊藤家からの毒薬を、ありがたがって一つ残らず飲み干そうとする哀切さは、お父上以上だったように、感じました。

    獅童さんの直助権兵衛、七之助さんのお袖もとても良かったので、2人の「三角屋敷の場」がカットされたのは、残念でしたが、猿弥さんの愉快な解説で、カット場面の粗筋説明があったのは、大変観客に親切で、好感が持てました。

    ネタバレBOX

    勘三郎さんが、コクーン歌舞伎などで、若いヒトにもわかりやすい歌舞伎上演を積極的に行うようになって、ようやく、歌舞伎の本公演でも、そういう空気が生まれて来たのだなと実感できる、大変嬉しい気持ちになる公演でした。

    序幕から、陰隠滅滅とした雰囲気になりがちな演目なのに、今回は、序幕から、やけに軽快な雰囲気で、与茂七とお袖の夫婦の再会や、伊衛門と直助権兵衛の悪党2人の殺し場後の、結託シーンも、まるで、喜劇テイストで、ずいぶん、様変わりした「四谷怪談」でした。

    でも、お岩が、伊藤家の親切を信じ切って、血の道の薬と偽られた面相が変わる毒薬を、拝みつつ、飲み干すシーンは、哀切極まり、胸が痛くなります。

    勘太郎さん、3役を、見事に、演じ分けて、本当に感嘆してしまいました。
    中村屋3代のお岩、皆、拝見していますが、今後、一番好きなお岩になりそうです。
    海老蔵さんではなく、菊之助さんの伊右衛門とのコンビで、観たい気がしました。
    海老蔵さん、どうも、わざとらしい台詞回しに感じます。最初から、すごく嫌な男で、何故お岩と縁りを戻したかったかが、見えてきません。伊右衛門は、最初は、お岩を愛していた筈なのに…。
    勘太郎さんが、3役とも良いだけに、残念でした。

    お岩、小平の戸板返しから、だんまりで与茂七に早替わりするところが、実に鮮やかで、嬉しくなりました。

    3階席に、幽霊が出現したり、猿弥さんの愉快な解説があったり、お客さんに親切な歌舞伎上演形態になり、今後の歌舞伎界に希望が持てて、歌舞伎歴50年の私には、とても心嬉しくなる「四谷怪談」でした。

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