満足度★★★★
初役、勘太郎さん、お見事でした
「四谷怪談」通しを、大好きな女優さんを誘って、観に行きました。
たまたま、新婚の、伊右衛門お岩コンビ。
海老蔵さんの伊右衛門は、良くも悪くも予想通りでしたが、勘太郎君は、期待以上の素晴らしい初役でした。
序幕の与茂七の軽快な演技振り、実直な小平、哀切なお岩と、3役を、どれも破綻なく務め上げ、初役で、ここまで、演じきった「四谷怪談」は、もしかしたら、初めて観たのではと思う程。父親である勘三郎さんのお岩を踏襲してはいるものの、伊藤家からの毒薬を、ありがたがって一つ残らず飲み干そうとする哀切さは、お父上以上だったように、感じました。
獅童さんの直助権兵衛、七之助さんのお袖もとても良かったので、2人の「三角屋敷の場」がカットされたのは、残念でしたが、猿弥さんの愉快な解説で、カット場面の粗筋説明があったのは、大変観客に親切で、好感が持てました。
2010/08/14 13:16
2010/08/13 16:43
2010/08/13 10:57
2010/08/13 00:03
2010/08/12 19:38
2010/08/12 10:11
2010/08/11 23:30
2010/08/11 18:44
KAEさまのこの回答を読ませていただき、単なる回答というだけでない感動を味わうことができました。うまく、言い表せませんが、誠実にお答えいただき、本当にありがとうございます。
>笑いが起きていたのは、田圃の場で、直助と伊右衛門が、、悲嘆にくれるお岩姉妹の後ろで、しめしめと合図し合うところと、お岩が、お歯黒の仕度をしている時に、宅悦が、面相の変わったお岩の顔が近づくと、ぎょえーっとなるところぐらいで、まあ、許容範囲だったと思います。
あ、それならじゅうぶん許容範囲ですよね。よかったです。ホッとしました。
>実は、お岩がさんざん悲惨な目に合っているのに、大爆笑が起こった舞台は、私も目撃し、あの時は、さすがに、もう歌舞伎も衰退かと、嘆かわしくなったのを覚えています。
コクーン歌舞伎の時だったのか、歌舞伎座でだったかは失念しましたが…。
「勧進帳」で、海老蔵が、実に劇画チックな演技で、爆笑をさらっていた時も、愕然としましたけれどね。
自分が観たときは歌舞伎座でした。初演だったような?いくらなんでも笑うなんてヒドイと思いました。誰だか忘れたのですが、何かの雑誌に、その場面について、四谷怪談を観たタレントの人が「何かドリフのコントっぽくていいね。歌舞伎って面白い」と書いていて、腹が立ちました。
ちなみに、私だけの感想かもしれませんが、海老蔵さんの「助六」を初めて観たとき、「助六ってこういう芝居だっけ?」とショックを感じ、戸惑いました。当時、「型破りの新時代の助六誕生!」ともてはやされてたときですが、台詞回しや動きが現代劇みたいに大雑把で粗く、違和感が強くて「歌舞伎十八番」のそれとは別物に見えました。でも、これが「平成の助六」なのかな、と。時代によって変わっていくことに異を唱えるつもりはないですけども。かつて11代目団十郎さんが武智鉄二さん演出の「勧進帳」に「型を壊している」と激怒したことを思うと、お孫さんのこの「助六」をはたしてどう感じるか、聞いてみたかったです(笑)。
>歌舞伎座閉鎖前に、物見遊山でいらしたお客さんが多かった時は、3階席は、本当に悲惨でしたよ。壮絶な殺しの場面で、お煎餅のボリボリや、茶の間かと思うような私語で、ほとんど台詞が聞き取れないこともしょっちゅうでした。
閉鎖前、そういうことがあったのですね。TVの情報番組の宣伝を見て、来た人も多いようですしね。ずいぶん以前のバブルのころ、歌舞伎ブームで新しいお客さんが増えたときは、3階席に大学生らしきグループが押し寄せ、私語も多く、お菓子をくちゃくちゃ食べ、休憩時間もコンパ会場のようにうるさく、私がいつ行っても雰囲気が悪かったので、昔ながらのファンの年長の友人に聞いたら、同感だと言っていました。当時、淀川長治さんも、「歌舞伎座の雰囲気が悪くなったので、近頃は行きたくなくなった」と随筆に書かれ、知人にももらしていたようです。
>それを考えると、今回のお客さんは、とてもお行儀が良い方ばかりで、ほっとしました。
本当ですね。今回、観ていない部外者ながら、私もお話を伺って、それはよかったな、と思いました。