ヘッダ・ガーブレル 公演情報 ヘッダ・ガーブレル」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    意気込み
    宮田さんの並々ならぬ意気込みを感じました。演出家としても、プロデューサーとしても、今後に期待します。新訳なので、以前観た「ヘッダ」の古めかしさは感じられず、そのせいなのか〝ここで笑うか〟という場面で客席から爆笑が上がってしまうのが残念でしたが・・・。国立の劇場ですから、パンフレットが充実していて当然だと、私は思います。

  • 満足度★★★★★

    主演:大地真央が素晴らしい! 将軍の娘ヘッダが巻き起こす事件の顛末。
    プライドの高さゆえに行動したことが巻き起こす、周囲の人間への衝撃の波紋。
    とにかく主演の大地真央が素晴らしい。
    大規模ミュージカルの主演女優とは思えない、小劇場に合ったキメの細かい心理描写、心の動き。
    だからと言って複雑に演じているわけではなく、極めてわかりやすいのに、まさにヘッダそのものの存在を思わせ、その佇まいに貴族のスケールを感じさせる。

    奥行きを感じさせる舞台美術もイイ。
    非常に内容の濃いパンフレットにも感心。
    新国立小だからか、普通なら大きく載るであろう大地真央の写真すら、小さな稽古場風景のショットしかないストイックな作り。

    (一点だけ、「普通するかぁ」っていうセリフは現代風すぎないだろうか?)

  • 満足度★★★

    いまいち掴めなかったヘッダという女性
    芝居そのものについては、可もなく不可もなくいった印象。落ち着いて観られる舞台ではあったと思います。

    ネタバレBOX

    分からなかったのが、ヘッダという女性の造形。
    素直に芝居を観る限りではこういう感想でした。すなわち、将軍の娘であるというプライドだけは大事にしながらも、自分のプライドを保つための努力は何もしなかった。そして時代の波に飲み込まれ、決して満足とは言えない結婚を選択せざるをえなくなる。そんな自分に嫌気が差していた頃に過去に好意を寄せていた男性に寄り添って生きる女性を間近に見て嫉妬心にかられて絶望し、発作的に自殺する・・・、とても弱い女性なんだなと。ところが公演チラシでは「強く、気高く、信じる生き方を求めて、人生を駆け抜けた女性―ヘッダ・ガーブレル」と謳っているし、演出家の宮田氏もホームページに掲載の公演概要ではヘッダの選択を「変わりゆく時代そのものに、敢然とNO!を突きつけた、個の尊厳に立った、更なる“新しい女”の生き様」と、とても肯定的です。うーん、この隔たりは大きいな。
  • 満足度★★★★★

    まさに「主演女優」の佇まい
    主演ヘッダ・ガーブレルを演じる大地真央さんがいい。背筋をピンと伸ばして、自らの存在を「主演女優」として、大きく感じさせる。
    それは、まさに気高く美しいヘッダ・ガーブレルの姿にダブるのだ。

    ネタバレBOX

    舞台全体を額縁で囲み、その中で演じられる。ヘッダ・ガーブレルは、その絵画の中での主題であり、他の役者たちは、主題を引き立てるために存在する。

    主題であるヘッダ・ガーブレルを引き立てる脇がいい。
    誰もが自分の頭の上のハエを追っているだけで、精一杯なのだ。ヘッダ・ガーブレルにはそれが我慢できない。なにしろ主人公なのだから。

    父親である将軍の陰(影響)を強くその背後に感じながら(下半身しか見えない将軍の肖像画による「陰」の演出が憎い)、ヘッダ・ガーブレルは自分を生きようとする。

    自由に生きようとしているのだが、自分が何を求めているのかがわからない。たぶんそれは、彼女にとっての「美」なのだろう。

    彼女は、普通に(たぶん)憧れているけど、退屈は大嫌い。自意識をうまくコントロールできない様(つい過剰になってしまう様)は現代にも通じるものがある。
    親や自分にさえ、がんじがらめになっている閉塞感が重い。

    そして、ラストの悲劇は美しくもある。

    イプセンが繰り返し上演されるのは、そういう普遍性を見事にとらえているからなのだろう。

    それにしても、イプセンは面白い。この座組だから面白かったのかもしれないのだが。
    2時間45分はあっという間だった。
  • 満足度★★★★★

    一皮向けた、ベテラン女優に賞賛を惜しまず
    いやあ、御見逸れしました。大地真央さん!!

    またいつもの、独特な台詞まわしなんだろうなと想像していたのですが、見事に、役になりきっていて、真央色が払拭されていてビックリ!
    プライドが高く、身勝手な、でもとても魅惑的なヘッダを、若々しく、美しく、好演されていました。

    イプセンの芝居は、本当に、見事に、人間の業を描いているものばかりで、どの作品も、常に、普遍的で、身につまされるストーリーばかりですが、この作品は、特に、女性の性にテーマが集約していて、大変興味深く、時折クスリと笑いながら、共感しつつ拝見しました。

    舞台セット、照明、音楽、全てが主張しすぎず、身の程をわきまえた脇役振りで、舞台上の登場人物の造形の手助けになっていました。

    宮田さんの演出も、女性ならではの細やかさが随所に見られ、とても丁寧な、まるで、イプセンの原画に、見事な手腕で、色付けされた、美しい塗り絵を鑑賞したような風情に満ちていました。

    脇役陣も、皆さん、秀逸。このレベルの舞台が、こんな低価格で観られるなんて、何だか、良いものばかりの福袋を買った気分でした。

    見逃した方のために、今から再演希望を出したい作品です。

    ネタバレBOX

    馬木也さんが、何度も口にする「ヘッダ・ガーブレル」という、台詞の言い方の変化が素晴らしく、昔からのファンとして、大変ゾクっとさせられました。

    キャストが全員、好配役で、全員が、この作品で、新境地を開かれたようにさえ感じました。
  • 満足度★★★

    絵画のような作品
    舞台設定が秀逸。絵画の額縁ににた舞台設定で、奥行きがあり光の取り入れ方も朝、昼、夜と変化があり芝居にふくらみをもたらしていた。フェルメールのような色彩で舞台が、絵画のように調和が取れていた。
    役者さんでは皆よかったが、特に羽場裕一さんの渋い演技が光っていた。

  • 満足度★★★★

    プロの舞台美術!
    ラストシーンの衝撃を演出する大きな要素は舞台美術だった!
    …と、思わず叫んじゃうくらい素晴らしい舞台美術でした。

    いや、もちろん、俳優も、演出も、照明も、音楽も、パンフレットまでもが、どれをとってもプロの仕事!

    …いや気分的には「5点」なんですけど、新芸術監督への今後の期待も込めて、あえて「4点」にしたのは、…ちょっと書きにくいので「ネタバレ」で。

    ネタバレBOX

    大地真央の演技よかったです!
    舞台で観たのは初めてだったんですが、思わずファンになっちゃうかと思いました。
    益岡徹も他の役者さんも素晴らしかった。

    …だけど、観ながら、なんか違和感があったんですね。
    それは何かというと…ズバリ「年齢」!
    (すいません、ごめんなさい!)


    うーん、
    もっと若いんじゃないのかなぁ~、この主人公は。
    少なくも50代ってことはないですよ・・・

    twitterで、「沢尻エリカで!」みたいなコメントを見かけたけど、自分も気分的にはそういう感じです!いや、別に沢尻エリカみたいに有名人である必要はないんだけど、少なくとも大地真央の「うまい/味のある」演技よりは、無名でもいいんでもう少し若い俳優さんでもっと「狂気あふれる」演出だと、もっと楽しめたんじゃないかな…とそういう気がしました。

    せっかく研修所あるんだし、そこから大抜擢とかしてもよかったんじゃないかなぁ…。今後、そういう思い切りの良さにも期待したいです。

    「JAPAN MEETS …」の企画には期待しています!
    自分のような古典をしっかりみてない“なんちゃって”演劇ファンにとっては、とてもありがたい企画。おそらく、全部拝見することになるでしょう!どうぞよろしく。

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