イカロスのかけら 公演情報 イカロスのかけら」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.1
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★

    意図が分からなかったです。
    使われなくなった映画館で起こる一騒動を描いた話で、元々ミニシアターだったシアター711に適した舞台設定でした。

    物語自体は分かりやすい喜劇風のものでしたが、何を表現したいのかが掴めませんでした。心理描写が弱く、どの役にも共感も反発も感じられませんでした。

    チェロとピアノの生演奏に興味があったのですが、生演奏でやる意味が感じられませんでした。会場が音響的にデッドなので、ホールで聴くときに較べて音が直接的過ぎて耳が疲れました。
    クラシックの曲ばかりでなく、オリジナル曲も演奏して欲しかったです。

    本と演出の方向性が合っていないように感じました。
    もしメタ演劇的なものを意識していたのなら(ライブ映像やチケットの扱いがそういう感じでした)、もっと思い切ったことをした方が作品の意図がはっきりしたと思います。

  • 満足度★★★★

    雰囲気はとてもよかったです。
    チェロとピアノの音の絡み合いと照明の雰囲気がとてもよく、大人になってよかったなと思わせてくれました。
    映像作家志望である役者が手にしているカメラで撮った映像を、リアルタイムに壁に映し出す演出も面白かったです。
    色々と実験的な内容なのかとも思いましたが、最後には全ての伏線をキレイに回収し、とてもいい70分間を体験させて頂きました。

    ネタバレBOX

    兄と弟の二人兄弟の母親はある日突然失踪をし、数年後に骨壷が送られてきた為にもう死んでいると思っていたら、実は南フランスで生きていてしかも大成功して資産30億、でも末期の膵臓癌の為に入院して死にかけていて、死んでからの遺産相続だと税金が掛かるから自分が生きているうちに生前贈与をしたい、と代理人を通じて関係者が集められたところから芝居は始まる。
    30億の資産だけでも驚くのに、いきなり種違いの兄弟が登場し、実は母親は再婚で駆け落ちだったと知らされたり、兄嫁の実の父親は女装趣味の変身スナックの店長であり、しかも兄弟の両親そろってその店の常連であったりと、いきなり付き付けられる情報量の多さに、全ての伏線を回収できるのかと心配になってしまいました。
    確かにどのようにでも膨らませられる内容ではあると思うが、それをあえて『あっさり』としたところが良かったように感じました。
    30億の資産を巡ってドロドロとした人間模様を描いたり、逆にキャラクターの心情を全面に出してコメディにしたら、音と映像と芝居の丁度良い関係性が崩れてしまっていたように思います。
    全ての原因を作りだした母親は一切登場せず、父親も登場しないまま、30億の資産もいきなり増えた親族も、ほとんど受け流して物語は進められて行く。
    最後の最後で南フランスの母親から『資産は次の事業に使うから遺産相続はやっぱり取りやめ、ごめんね』の電話で騒動は終わりになるのだが、遠く離れた南フランスにいて声も姿も登場しない『母親』に、振り回されるだけ振り回される人々の喜(悲)劇、この振り回され感がこのお芝居の中核なのかなと思いました。
    『まあ、あの人なら仕方がないか』で済まされてしまうあっさり感。
    軽い雰囲気の芝居を楽しませてもらいました。
  • 満足度★★★

    松本さんがんばり
    70分がいいですね

  • 満足度★★★

    趣向倒れの感も
    初見の劇団。前回の公演のときに面白そうな劇団だなと注目し、今回クロカミショウネン18のワダ・タワーが客演するというので、この機会にと思って観にいった。1時間10分という比較的短い時間の芝居で、2つのドアを使い、シアター711をまるでギャラリー公演のような空間使いにした。映像を挿入したり、ピアノとチェロの生演奏も入り、趣向としては大変面白いのだが、芝居の内容そのものがあまり面白くないと思った。もっと緊迫感のある脚本だったらこの趣向も生きたのにと思うと残念。

    ネタバレBOX

    HPの以前の公演写真を見て、ダンスパフォーマンスも取り入れたもっと抽象的な内容を想像していたが、意外に普通の芝居だった。田所という見知らぬ人間からの葉書を手に、「曽我久仁子の追悼式」に参列すべく、ゆかりの人々が会場のシアター711に集まってくる。チケットがその葉書になっているところが洒落ている(細かいことを言うと、文中「ご来臨」という最上敬語を使う場合は「賜りますよう」と続けるのが普通かと)。
    まず「追悼式」を執り行う意味が「列席者たち」同様よくわからなかった。横溝正史の小説のようで期待感をもたせ、家族や友人の複雑な事情が明らかになっていくが、意外にあっさり決着がついてしまう。曽我久仁子という人物の意図もいまひとつ不明。話の展開が面白くないためか、こんなに短い芝居なのに途中で眠気を覚えた。特に田所が持っているクマのぬいぐるみ型通信機を使っての久仁子とのやりとりの場面が子供騙しのように馬鹿馬鹿しい。
    なかなか個性的な俳優をそろえただけに惜しい。田所の松本寛子をはじめ、異父兄弟・涼の柏原直人、涼の恋人・美鈴の木母千尋、変装バーの主人で久仁子の友人・ロザンヌの佐藤大樹が印象に残った。久仁子の長男誠役のワダ・タワーはクロカミショウネン18での役どころを思わせ、笑わせてくれた。生演奏は大変耳に心地よかったが、芝居そのものにうまく溶け込んでいたかと言うと疑問が残る。
    なかなかユニークな試みだとは思うので、回を重ねて洗練されていくのではと期待している。
  • 満足度★★★★

    ピアノとチェロの生演奏に感激!
    中谷路子のピアノと山岡真弓のチェロがとても素敵だ。チェロの優雅な音、そしてピアノと実に合う。なんて素敵なんだ。この生演奏を聴けただけでも来たかいがあるというもの。

    NICK-PRODUCEは毎回、生演奏と芝居とのコラボをやっているが、今回が一番フィットしたのではないだろうか?今回はまさにピアノとチェロのためにある芝居のようだった。

    そして、今回映像がとても効果的だった。特に舞台上で映して、それがすぐに背景に映し出されるという演出は見事だった。

  • 満足度★★★

    ふりまわされる
    実母に。笑)


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    曽我久仁子の追悼式に集った子供たちと知り合いら。彼らは曽我が死んでいないことを田所に知らされる。その田所は「今回、皆様に集って頂いたのは曽我の資産30億を生前贈与したいとの意向を受けて誓約書に皆様のサインが欲しい。」とのことだった。

    しかし、曽我と実況中継している田所の通信で南フランス在住の曽我が死んでしまったかのような会話が成り立ってしまう。ここでの田所のフランス語の会話があまりにも雑。更に世界共通の英語も話せないようだった。これって痛い・・。そして数分後、今度は先ほどの通信は間違いで曽我は生きているという。しかし当の曽我は資産30億をある事業の制作費に回すので財産分与の話はなかったことにしてくれというのだ。天国から地獄に落とされる瞬間だ。笑

    つまり久仁子という彼らの実母は自由奔放な女で相当な事業家だが、子供たちや夫や周りの人たちを振り回す性癖があるようだった。その度に彼らは被害を被ってきたがやはり実の母は憎めない。そんな一見、どーしようもない母親はとあるコミュニティのサイトで渡が撮るビデオをピエールというHNでしっかり見ていた。という筋。なんだかんだいって母親は彼らより一枚も二枚も上手だった。

    ちょっと感じたことをかきこ。本の作りが少々、雑なような気がする。30億が手に入ることを知った彼らの感情の描写が薄い。逆に30億が手に入らないと知ったどん底の表情も。人間て、なかったものがあると錯覚し、頂けると思っていた資産が貰えない、と知ったときの落胆ったら、あんなもんじゃないと思う。もっと物語りに突飛な展開があっても良かったように思う。そしてナビ役の田所役・松本の演技があまりにも不自然だ。ここでは田所が重要な役割を果たしているのにだ。ちょっと残念。一方で釜風味、ロザンヌの中世の貴婦人のような衣装は良かった。今回の出演者の中で彼が一番愛くるしいのは一体どうしたことか?!笑
  • 満足度★★★

    演奏は良かったけれど、
    演奏は必要なのか?!

    人間が描けているのか?!

    ネタバレBOX

    死んだはずの母親が生きていて、異父兄弟がいて、その母親には30億円の資産があって、生前贈与をするという。ただし、契約の前に死んだら全額寄付してしまうという。お膳立ては揃ったぞ!!わくわくするじゃないですか。

    しかし、どのような配分か分からない。配分でもめない。兄弟たちは契約書を読んでいるが、少なくとも観客に説明がない。

    母親が急死したと誤解したときも、有頂天になって天高く舞い上がったところで、蝋が溶けて地上にまっさかさまに墜落したはずなのに(イカロスの説話を使ってみました)、少しがっかりしたようではあるが、誰も怒りまくらない。

    バイトで生活している人もいるのに、みんな金にきれい。人間の生々しさが描かれていないようでした。

このページのQRコードです。

拡大