やわらかいヒビ 公演情報 やわらかいヒビ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
21-32件 / 32件中
  • 満足度★★★★

    板倉チヒロすげえ
    というしかない。 というのが、まずもっての感想。

    涙、鼻水垂れ流しで理不尽さへ憤り時には熱く、時には残酷なほど
    温かい、この主人公を熱演した板倉チヒロの役者精神は、出演者が多い、
    この舞台でも輝き過ぎてました。 お陰で主人公のシンクロ度マックスです。

    「Mと1」の話を語り出した時がこの作品のハイライトと勝手に思ってます。
    この舞台の成立は半分以上彼の貢献によるところが大きいと感じました。

    そして、ラスト。 幻想的で、ほんの少し、かけら位の希望が感じられる、
    美しい光景でした。 よく考えれば残酷でもあるけど、それも含めて
    「生きる」ことに少しだけ思いをはせました。

    ネタバレBOX

    事前の想像よりも、結構ダークで残酷な物語でした。

    他の方が気を悪くしたら申し訳ないけど。。
    6月に観たひょっとこ乱舞「水」を思い出していました。
    「生きる」ことが美しいだけでなく、時に暗くて残酷だ、というテーマ、
    構成や場面転換が複雑ながら巧みに練られていること、時々入る
    冷静だけど詩的で核心を突く長台詞。

    共通点を感じました。

    登場人物が多い作品だけど、何人共感出来るかで評価が決まりそう。
    私は牧、佐々木(弟)、ラミアは好きだけど、美津子、小原、上谷、タダシは
    ド真ん中で嫌いなタイプだなぁ。 

    上谷は牧、タダシは「化学が人を傷つけない世界」に反射させて
    結局自分しか映って無いのだもの。 結局は自分のエゴが透けて
    みえてくるというのか。。 だから、自分は良くても人がどう思うか
    想像の及ばない発言を繰り返しちゃうんだよね。。

    あの場面で、「私を殺して」って、理解はものすごく出来るけど
    絶対に言えない台詞だよ。。 牧の心情を考えたら。。
    ただ、自分が男なのでそう感じるだけで、また他の人は違うかも知れない。

    思うのだけど、「アカデミー」に選抜された人達。 ある分野に
    秀でたはずの、いわば「エリート」集団なのに、自己中心が過ぎて
    子供の集団のようなイメージを持ちました。

    佐々木(兄)をいびってた連中とか、上谷と共同研究チームを組んでた
    二人組とか。 でもああいうのってエリートに限らず純粋培養されて
    しまった人にはよくありがちな性格なのだけど。

    そのアカデミーを事実上支配するのが、「大人になれない、
    永遠に子供のまま」のタダシだなんて、皮肉にも程があるよ。

    そんな人間ばかりの「ノアの方舟」なんて「進むも地獄、戻るも
    地獄」だね、まさしく。意図しての設定だったら脚本家は凄過ぎだけど。

    あと、タダシが何故末期状態の上谷を連れて帰ろうとするのか
    よく分からなかった。 最初、故意にボロボロにして、その状態を
    研究して何かに役立てるつもりなのか??と思ったけど、どうも
    ブラックホールの開発に彼女が必要らしい。 じゃ、なんで
    ボロボロにする必要があるんだろ?

    そこが腑に落ちなかったのが残念。

    それにしても、最後の場面のラミア含むセットの美しさと幻想性は
    今後ずっと覚えていそう。 でも、あれって上谷が死んで、ラミアが
    「解放」されたからこそ、のあの光景なんだよね、よく考えたら。

    「生きる」って、「生命」って残酷なものだな。
    でも、あのシーンだけでも観に行って良かった、と思えた。
  • 満足度★★★★

    見応えたっぷり。
    面白い作品って見終わった後に
    「あっという間だったな」と思うことが多いんですが
    この作品は面白いんだけどお腹一杯になる感じでした。

  • 満足度★★★★

    雄弁な沈黙
    近未来の日本が舞台で、エリートが集まる研究所「アカデミー」に関わる人たちの物語でした。
    登場人物たちはそれぞれ愛する人のことを思って行動するのですが、その思いがすれ違って悲劇が生まれるという古典的な物語構造を、SF的要素を絡めながら感情をリアルに描いていました。

    舞台の手前と奥を仕切るように設置されたシンプルな舞台美術や効果的で、人物の配置や照明とうまく組み合わせて、次々と変わるシーンをスムーズに繋げていました。天井から吊り下げられた竹や日本庭園のような玉石の床などの和風な要素も意外に違和感がなく良い雰囲気を作っていたと思います。最後のシーンの美術もとても美しく、印象に残りました。

    激しい言い争いになるシーンが何回かあるのですが、その中に差し挟まれる沈黙の時間が登場人物の心情を強く感じさせて素晴らしかったです。解決されないままの中途半端なエピソードもいくつかありましたが、物語の主軸がしっかりしているので、観ている間は気になりませんでした。悲しい結末ですが、清々しさを感じました。

    このクオリティで2500円とは、コストパフォーマンスも素晴らしいと思います。当日パンフに挟まっている人物相関図はネタバレになるので先に見ない方が良いかもしれません。

  • 満足度★★★★

    難しいけども
    重厚深遠な脚本と、超絶演技に圧倒されました。観て来た皆さんが一様に言われている通り、自分も観て良かったと思う作品でした。

  • 満足度★★★

    観る側の力量が問われる作品
    全体的にはわたしの苦手な、感想の書き難いタイプの芝居。

    ただし、話がどう転がって行くのか目が離せなかったし、
    役者さんもそれぞれとても良かった。
    最後の幕切れは切なくて涙が出そうになった。

    それなのに小さな違和感や説明の無い部分が沢山あり、
    それらが後からチクチクと効いてくるのだ。

    観る側に託されたものは少なくないと思った。

    ネタバレBOX

    枯山水を思わせるセットが印象的。
    そして古風な印象の美術とは対照的に、
    ストーリーは近未来の世界を描いているのが面白いと思った。
  • 満足度★★★★

    ラストまで目が離せなかった
    初見です。チラシ絵とタイトルだけで観ましたが、観に行って良かったと思いました。
    いい意味で無駄がなく、空気感がとてもよかったです。
    序盤、誰が主軸か分からず少々混乱しましたが、中盤に物語が転び出してからはラストまでもう目が離せませんでした。

    ネタバレBOX

    帰納法の話やクモの巣のイメージがラストに鮮烈に残り、涙が止まりませんでした。

    夫婦の物語に焦点が定まってから物語の加速度が凄かったのですが、その分、後半の他の人物たちがあっさりな印象でした。
    他の人の苦悩や顛末や業ももっと観たかったかも。
  • 満足度★★★★★

    引き込まれました
    念願のカムヰヤッセンを初観劇。印象的な舞台装置と舞台転換の巧みさもさることながら、緻密なシナリオ、そして心にしみ込むメッセージ性でグッときました。泣けたー。
    キャストも素晴らしい。客演陣が普段とはまったく違った印象で、役作りに苦労しただろうと想像。でもその大変さをも昇華しており、お見事の一言に尽きる。
    劇場が近かったら、絶対もう一度観るのになー。

  • 満足度★★★★★

    ヒビ割れた世界を生きるヒビ
    これは泣けるわ。
    嗚咽もれそうだった。いや本当に。
    近未来が舞台だったり、特殊な設定があったり、あれやこれやあるんだけど、
    描かれているのはシンプルで力強いものだった。
    クロム勢が素晴らしい。
    まいった。いや~泣かされた。
    かぶりつきで観て欲しいな。

    ネタバレBOX

    今城文恵は難しい役にチャレンジしていた。
    ツンツン甘粕ちゃんも良かった。
    ラストシーン前の暗転は、もうちょい頑張って短くした方がいいと思う。
  • 満足度★★★★

    愛情のかたち
    カムヰヤッセン、キャストにひかれ、初めてみた作品。

    とっても良かった!!
    夫婦のお互いを想いやる気持ちが、深い愛情だなぁと思いました。

    場面がころころ変わるんだけど、とってもわかりやすかったし
    ついていけた!!

    もう一回見に行ってもいいかもと思えた作品。

  • 満足度★★★★

    心に響く
    人間の本性を描きながら、重たさをあまり感じさせない、しかも心に響く作品。場面転換が小気味よく、最後まで飽きずに観ることができた。観なくてもまったく影響ないが、開演のちょっと前から役者が舞台に上がる。

  • 満足度★★★

    表現したいものは深い
    未来を表現するも、人間臭さを残していて良かったです。
    初見ながら、いい作品を見せてもらいました。

  • 満足度★★★★★

    もう1回観たい
    初めてのカムヰヤッセンです。
    空間の使い方が素敵でした。

    役者さんたちの会話も場面転換もぽんぽん進んでいくので、
    ついてけない・・・と思ったけど、とんでもない!

    時代は今より少し先。聞き慣れない言葉もでてきますが、全然大丈夫。
    パンフレット(席に置かれているやつ)に「特殊用語集及び人物相関図」がありましたが、見なくてもお話は分かります。
    むしろ読まないほうが楽しめるかも。

    内容・結末が分かった上で、もう1度観てみたいです。

    「生きること」を描いた作品・・・他の人がどう感じたのか気になります。

    ネタバレBOX

    しばらく気になっていたのです。
    「やわらかいヒビ」…日々?罅?それ以外にも???と。
    やわらかい日々→チラシのイラストとギャップがあるような…。
    やわらかい罅→やわらかいのなら罅は入らないのでは…。
    観たら少し解った気がしました。たぶん気がするだけでしょうが。。。

    数学も物理もわからなくても北川さんの気持ちは伝わりました。

    個人的な感想ですが、生きることは残酷だなぁと感じました。

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