『三姉妹の罠』 公演情報 『三姉妹の罠』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-17件 / 17件中
  • 満足度★★★★

    ラストのまとめ方が好き
    若干、力技でまとめに入っていたように感じましたが、小ネタの散りばめ方もテンポ良く面白いコメディでした。
    適材適所のキャスティングで、見入ってしまいました。

    ネタバレBOX

    実家の八百屋さんを手伝って、実家で暮らしている長女。
    売れっ子漫画家の次女。
    女優を目指し小劇場で端役として活動していたが、お笑い芸人に転身しようかと考えている三女。
    この三人が題名の『三姉妹』で舞台は実家の居間。

    舞台美術が丁寧に作りこまれていて、和室の居間、縁側、庭と奥行き感もたっぷり。
    箪笥やその上に置いてある小物、壁の賞状等と相まって雰囲気のある『実家の居間』が再現されていました。
    劇場に入って公演が始まるまでの間、素敵なセットにワクワクしてしまいました。

    役者陣は皆さん演技が上手かったのですが、特に長女役の嶋木さんがよかったです。
    最初はただ元気なだけの役回りかと思ったのですが、ラストの西日が差し込んでいた居間での表情で一変していたのに、見入ってしまいました。
    二代目役の高宮さん、今回も『一生懸命だけど空回りで、空気読めているのだか読めていないのだか解らないキャラ』を熱演していました。
    勝馬の時と同じような印象を受けてしまったので、次回は違う雰囲気のキャラクターを演じているのを見てみたいです。
    おじさん役の本多さんの台詞のタイミングが心地よく、掛け合いのテンポを面白く引きたていてたように感じました。
    劇場内の受付からの階段に写真が飾られていたので、今回公演で卒業との事を知りました。
    次回も本多さんの演技を拝見できると思いこんでいたので、残念に思います。

    話の流れは最初の導入部分が長すぎて、姿が見えないままに会話を聞かされ続けて入り込むタイミングを見失ってしまいました。
    三女の抱える不満やコンプレックスはよく理解できましたが、長女の心情がいまいち解りにくかったです。
    しっかり者で妹達の事をよく考えていて、稼業も手伝う孝行者のイメージなのですが、好きな事をやって成功している次女と将来を模索して自分の都合で様々な事にチャレンジできる三女に対し、長女自身は自分の現状をどのように考えているのかが知りたくなりました。

    全体的な印象としては、連続テレビドラマの中の何話目かを見た気分です。
    面白い事が始まる事を予感させるBGMの使い方や、『家族』という簡単なようでいて複雑な関係や、各キャラクターの登場が唐突に感じてしまったところが多々あったので、そのように感じてしまったのかもしれません。
    連続ドラマなどで土台がしっかりと理解できていれば、もっと楽しめた様に思います。
    『灰になる』の台詞や野球ネタは解る人には解るけど、解らない人にはまったく通じなかったのではないでしょうか。
    コメディを見ていると、その世代にしか解らないネタを引用する方は大勢いらっしゃいますが、どんなに面白いネタでも伝わらなければ意味不明の台詞にしかなりません。
    8割世界のように客層が幅広い劇団は、世代間ギャップのありそうな台詞は扱いが難しいのではないかと思いました。
    ラストの終わり方が素敵でした。
    次に続くような、それでいていつまでも問題を引き摺らないスガスガしさ。
    姉妹だからこそ解りあえる暖かさを感じました。
    『罠』とは言うけれど、人を陥れようと画策する罠ではなく、相手の為を思うからこそついてしまった『嘘』のような、そんな印象を受けました。
    楽しくて元気になる、面白いコメディでした。
  • 満足度★★★★★

    手を変え品を変え罠をかけあう・・
    ・・三姉妹とそれをとりまく人々。真剣かつのほほんとした展開に最後まで楽しめました。兄やん(本多さん)お疲れ様でした。。

  • 満足度★★★★

    面白かった
    冒頭部分がいまいち乗り切れなかった感じがありましたが
    一度波に乗ってしまえばテンポよく楽しく見れました。

  • 満足度★★★★

    好感持てる罠に安堵しました
    この頃、何故か観に行く芝居、どれもこれも、誰が敵か味方か混沌とした、あまり気分の良くない作品にばかり遭遇していたので、まさか8割世界までも、そんな後味の良くない罠を仕掛ける作品だったらどうしようかと、内心かなり恐る恐る劇場に向かいましたが、そんなことは杞憂に過ぎず、いつもながらのこの劇団らしいカラーで、ひとまずほっと胸を撫で下ろしました。

    いつも、導入部分が、やや冗長に感じられるのは、今回も例外ではありませんでしたが、それでも、楽日は、2度目だったせいもあり、楽しく観劇できました。

    この劇団、何が好きかって、普通のシチュエーションコメディにとかくありがちな、浮気現場が伴侶や恋人にばれそうになって、ドタバタ的な、誰もが心から笑えないような内容のネタが一切ないところです。
    だから、舞台が終わる頃には、登場人物全員に何か好意的愛着が湧いてしまうのです。

    いろいろ、作者の無茶振りもあるにはあったけれど、この、他にはあまりない、老若男女に受け容れられる、気持ちの良いお笑いネタが効を奏し、今回も、万人受けする楽しいコメディに仕上がっていたと思います。

    ネタバレBOX

    最初のお尻ネタが、やや長過ぎる気がします。
    コメディは、もう少し、早い段階でお客さんの心を掴まないと、その後の展開が難しくなる気がしています。
    役者さんも、早くに観客受けしないと、気持ちが焦って、それがまた笑いにくい空気を生みがち。悪循環の危険をはらんでしまいそうに思いました。

    三菱UFj書店の編集さんが庭に現れたら、俄然面白くなりましたが…。

    8日に初見の時より、野上3姉妹が、本物の姉妹に近くなり、3人のやりとりが自然で、こちらも、自然に笑みがこぼれました。3姉妹の次女役の奥山智恵野さんは、大変魅力的!また1人、一目惚れの女優さんが増えました。

    嶋さんは、単独出演の時より、シマーズが揃ってからが、俄然魅力的でした。やはり、妻役のちさえさんの功績大ではと思われます。

    長女役の嶋木さんは、8日はまだ幾分固さが見えましたが、楽日の演技は突き抜けていて、爽快感がありました。

    初代役の水野さん、小林さんは、それぞれ、異質の持ち味ながら、どちらも好演。

    自然な演技で、笑いを誘った今野さん、石丸さんも、前回のミュージシャン役より適任で愉快でした。

    いつも、8割世界の隠し味だった、本多さんは、今回も、要所要所で、芝居に良い味付けをして下さいました。

    三女役の倉田さんも、8日は、やや不機嫌さが目立って感じましたが、楽日は、複雑な末っ子の気持ちを見事に体現。

    (二代目については、故あって、言及を控えます)

    全体的に、バランスのとれたカンパニーだったのではと感じました。

    ただ、何人かの御指摘があるように、嶋嫁が、灰になる、強引な流れや、最後が3姉妹揃わない点等、やや不満もありはしました。
    3姉妹の心の描写にも今一歩踏み込んで頂けたら、より満足できる作品だったように思います。

    薫役の奥山さんと、坂本役の飯島さんは、共に、殊勲賞ものの名演技でした。
  • 満足度★★★★

    面白いけど……
    8割世界の今までの作品と比べると完成度が弱かった気がする。冒頭の長電話、何でも演じます男。男連中よりタイトルどおり三姉妹をメインにすべきだったのでは? 他劇団なら満足するレベルですが、何しろ8割世界ですから。

  • 満足度★★★

    千秋楽拝見しました
    シチュエーション・コメディーらしく部分的には笑えたのですが、正直満足したとは言いがたかったです。
    みなさん軒並み高評価なので、観る前から自分の期待値が高かったのかもしれません。
    私みたいな感じ方は例外なのかもしれませんが、気になった点についてはネタばれにて。
    悩んだ末の☆3つ、次回作に期待しています。

    ネタバレBOX

    冒頭、姿の見えない長女(嶋木美羽)の長電話が聞こえてきて、茶の間の人々がさまざまにリアクションをするのですが、観ていてピンときませんでした。
    父親が入院した病名の「痔」の話題を延々続けたのが「お尻いっぱいです!」というギャグを生むためだと考えると、ものすごく時間のロスに感じましたし、観ていて退屈してしまいました。
    中盤へ笑いのエンジンがかかるまでが長すぎたのです。自分はコメディーの場合、最初にまず笑って「うん、これは面白そう!」と惹きつけられないと、魅力を感じないのです。
    長女が状況をオーバーに分析しながらマンガチックに叫ぶところ。私はこういうわざとらしい演技が好きではないので引いてしまいました。
    漫才師の嫁(宮澤ちさ恵)が「灰になる」という言葉の意味が私には理解できず(流行語なのですか?)、フェイドアウトする演出に必然を感じませんでした。「忘れ物しちゃって」と戻ってくる先輩漫才師も、観客にそれとわかる「忘れ物」がないと、説得力がありません。
    男性漫才師2人の演技が終始すべり気味なのも気になりました。
    編集者、次女のおさななじみ、2人の「パクうちだ」などは面白いキャラクターで好みでした(初代、2代目という表現は、世襲でもないのに配役名としては適していないと思いましたが。謎の男A,Bや1,2ではダメなんでしょうか)。
    小劇場系のコメディーの場合、三谷幸喜の東京サンシャインボーイズのように、作者の手腕に加え、チームワークが前面に出る劇団のほうに私はより親近感を感じるのですが、「8割世界」は鈴木雄太さんのプロデュースユニットのような印象を受け、俳優は各自がんばっているように見えました。
    台詞のはしばしに作者の笑いの意図のようなものがみえて、お話として浸りきれないものがあったのです。
    今回、特に印象に残ったのは小林守(Wキャスト)、高宮尚貴、宮澤ちさ恵のお三方。小林さんは期待どおり。高宮さんはまさに孤軍奮闘といった趣で盛り上げ、演技力がある人だからこそ、お客も笑えるのだと思いました。
    宮澤さんもいかにも生活に苦労している女芸人で妻という感じがよく出ていてよかった。本多さんが今回で抜けたのは誠に残念。来年は新生スタートとなりますが、実力のある劇団員を抱えているだけに、客演者も含めたチームワークをもっと感じられれば、さらに楽しめるのにと思いました。
    終盤、編集者が次女を諭す場面がとてもよく、そのあとの姉妹の会話の場面、ホームドラマの最終回のような親しい身内同士のちょっと気恥ずかしい会話だけに、引っ張りすぎに感じました。
  • 満足度★★★★

    笑った、笑った♪
    東京では田舎ものを気取られないようにあまりしゃべらないように
    してるのだが、笑うのだけは全国共通だと思う。
    豪快な笑いや、くすくす笑いで舞台と観客席は一体となる。
    パワーとスピード、意外性十分、脚本的にはちょっとありえない話では
    あったけど、コメディならOK!
    この笑ってる観客にPA!ZOO!!やガラパを見てもらいたいと思った。
    (ローカルネタでごめんなさい)

    ネタバレBOX

    アンケートと引き換えにもらった「こばや紙」
    こーれもおもしろかった!!!
    アイデア満載の8割世界でした!
    劇団名もすごい(^^;)
  • 満足度★★★★★

    待ちに待っていました
    いやー面白かった。番外公演でこの劇団の作品をはじめて見て本公演を首をながーくして待った甲斐があった。

    脚本がしっかりしていて、演出もうまく、あっという間に終ってしまった。

    役者では長女役の嶋木美羽さんが実に存在感があった。でも舞台が終わって、観客との面会では、おしとやかな感じに変わりさすが役者は違うなあと実感した。次女役の奥山千恵野さんは表情の表現がすごくうまいなと感じた。
    三女役の宮澤さち恵さんも末娘らしく、甘えん坊でっわがままの雰囲気を出していた。
    ほかの役者さんも皆芸達者で、気持ちのいい劇団だった。

    次回作が待ち遠しい。

  • 満足度★★★★

    うん!
    おもしろい!期待!

  • 満足度★★★★

    楽しませてもらいました。
    初見でしたが、期待どおり楽しませてもらいました。話が転がり始めるまでは、う~んと思いましたが転がり始めると怒涛の展開で大いに笑わせてもらいました。なるほどコメディ劇団として評判が高いのも納得の舞台でした。

  • 満足度★★★★

    なるほど
    ちょっと気になる部分(灰になる等)が数箇所あったものの、初めて見せてもらって、想像以上に面白く、結構笑ってしまいました。個人的には長女役の女優さんのキャラ設定(地だったりして)がとてもよかった。

  • 満足度★★★★★

    眠くなる事が無かった!
    1時間50分という長丁場にもかかわらず、
    次の展開気になって、あっという間に終わってしまいましたね。
    笑えましたー、いやホントに。(前の馬券のより面白かった)

    基本BGM入れずに無音で、役者さん達これまた声大きく。
    台詞も聞き取り易かったです。
    で、絶妙なタイミングで効果音やBGM入れて盛り上がったですよ。
    楽しかったです。ありがとうございましたデス。

    ネタバレBOX

    ポラギノールのメーカーさんとかの協賛あるのでは?
    と思えるくらい、名前と用法の連呼してましたよね。
    実際差し入れとかは無かったですか?知りたい(^^)!!

    長女の住んでる実家の居間での話しながら、
    次々と入れ替わり立ち代わる登場人物。
    基本SE少しに、タイミング良く入るBGM。
    ラストの引き戸のSE入っていれば、
    パーフェクト!って思ったんだけどねぇ。

    なんとなく自分の描く作品が面白くなくなって、
    漫画家を辞めると言い出した次女の気持ちを上手に周囲に分からせて。
    解答出ないまま、
    問題提議で終わりつつ上手に話をまとめた手腕は好かったです。

    なんか栗っぽい編集の坂本さん。
    次女にフラレた回数を気にする五十嵐君。
    プロ意識の塊の、2代目パクさん。
    ダメ人間代表のように言われつつ、要所要所で〆る信夫オジさん。
    たたみかける様な連続の笑いは、楽しめました。

    各自の行動に無理に結論等を押付けない、
    余韻のこした終り方も好感持てました。

    野上三姉妹の一番長い日などという、
    古典的タイトルも合いそうでしたね。
  • 満足度★★

    んー
    ネタバレにて。

    ネタバレBOX

    シチュエーションコメディとするなら事件が少ない。
    最後の登場人物が出るのが開演80分後は遅いなあ。

    舞台は必然が支配します。
    ・漫才師(高齢のほう)が忘れ物をとりにかえってくる。
    ・帰ってきたまんなかがトイレにいく。
    ・漫才師(高齢のほう)の嫁がエネルギー尽きて動かなくなる。
    といったあたりは必然性がないので排除するべきです。
    (冒頭、見送りに2人いくのも必然性薄いなあ)

    あと、状況を大声で説明してるけど他のひとには
    聞こえない設定の漫才師(若いほう)もどうかなあ。

    あと、必要にせまられて嘘をつく人たちの中に、
    「依頼次第でどんな設定でもこなす職業のひと」
    を出すのはズルイんじゃないかなあ。
  • 満足度★★★★

    王道パターンをダブルで
    三姉妹の妹二人の思惑に振り回される人々を描いた笑劇系、その場しのぎでかわす王道パターンを2重に交差させることで込み入った状況を無理なく(ホントか?)作り上げる手腕が見事。
    また、笑わせるだけでなく底流には姉妹愛が貫かれているのもイイ。

  • 満足度★★★★★

    いつもながら、よく練られたコメディ。
    8割世界のコメディはとても胸が熱くなるコメディだ。三人の姉妹がそれぞれお互いのことを考え、そして人生をしっかりと生きようとしている。その前向きさがゆえに、すれ違ってしまう人生の機微を若干の愛情を込めながら鈴木雄太が素敵な喜劇に仕上げている。

    登場人物のひとりひとりが悩みを抱え、そして誰しも完全な人間ではない。完全でないがゆえに魅力があるのだ。

    今回、嶋木美羽がコメディエンヌとして、しっかりと芝居を引っ張っていた。成長したものだ。次女を演じた奥山千恵野は自然体で魅力を感じた。

    そして二代目を演じた高宮尚貴がプロフェッショナルな役を実に面白く演じた。あたり役ではないか。

  • 満足度★★★★

    長女がとても良く、
    最初からくすくすとさせられ、楽しいコメディでした!!

    ネタバレBOX

    茶の間を舞台にしたドタバタコメディ、長女の動き、顔の表情が活きていて、全体を牽引していました。

    劇中漫才も良かったです!!奥さんのテンションの高低差は最高です!

    次女が漫画家をやめたい理由は何となく。今回のドタバタ騒動の原因ですから、他人には何となくと言っても、その裏には理由があるのだろうと思います。もう少し本人の心情が伝わったらなあと思いました。

    三女のキャラが薄いのが気になりました。だからこそ、何かに手を出して中途半端に終わるのかもしれませんが…。次は何を目指すのかなと期待を持たせる設定はいずれ続編の予感もします。その時はまた、父親はどこかに行っているんでしょうね。

    人違いによる誤解はその都度決着がついていたようで、誤解が誤解を呼びハチャメチャにというまでには至らなかったように思えました。

    長女と次女との会話で、次女の社会的責任を意識したような表情は素敵でした。

    コメディが中心とはいえ三姉妹の物語ですから、テーブルを挟んで三人がしっとりと話すシーンが欲しかったと思いました。

    三姉妹の関係の背景となる家業の鰻屋の雰囲気、匂いが全く届いていませんでした。長女は単に結婚できずに実家にいるのではなく、家業を手伝い家をまとめているという役があるのですから。
  • 満足度★★★★

    「力業」で笑わされたぜ!
    うまくまとめ上げたな、というのが一番の感想。
    上演時間1時間50分と聞いたときには、一瞬クラクラしたが(笑)、その時間は無駄ではなかったと思う。
    笑って楽しい時間だった。

    それにつけても、フライヤー(チラシですかね・笑)に「面白いコメディ」と書く勇気!

    ネタバレBOX

    実家の家業を手伝っている長女。漫画家として成功している次女。役者を辞めてお笑いの道に進もうとしている三女の三姉妹の物語。そして、父親は「じ」で入院中。

    三女は、男とコンビを組んでお笑いを目指そうとしているが、長女はそれを諦めさせようとして、策を練っていた。
    三女はそれをすでに感じていて、長女を説得するための策を練っていた。

    そんな中、漫画家の次女が数年ぶりに家に戻ってくる。
    どうやら、結婚して漫画家を辞めるらしい。それを止めるために編集者がひそかにやってきて、家族や叔父たちと策を練るのだった。
    ところが次女もそのことをすでに察知していて、策を練っていた。

    そんな「策」と「策」が思いがけない登場人物の出現や、思い込み、勘違いで滑り出していくというストーリー。

    これが、なかなか面白い。
    濃〜いキャラクターを次々と放り込んできて、話が広がり出す。これをうまい具合にまとめ上げる力業に拍手を送りたい。エピソードの絡まり具合がなかなかいいのだ。観る側をわくわくさせ、物語の先へと強く引っ張っていく。だから、2時間近い上演時間であっても飽きることなんてない。
    脚本を、時間をかけて練ったであろうことが伺える。こういうしっかりと作り込まれた面白さは好きであり、支持したい。
    それは、決してスマートではなく、力業なのだが、面白いのだ。
    力業だけど、細かいところにも気を配っているところが憎い。例えば、机の上の煎餅を、その前に座る人が必ず食べるなんて、どうでもいいような設定も楽しいのだ。

    テンションが高すぎるキャラクターが多すぎるところが、少々辛くはあったが、まあ、そのあたりは、勢いっていうか、そんな感じなんだな。

    初日ということでの固さもあるのだろうが、あまり上手いとは言えない役者も、上手い役者も同等に演出していたのだと思う。しかし、あんまり上手くない人については、それを逆に持ち味にするぐらいの、図太さがほしいと思った。
    また、ちょっとコミカルなシーンに出てくる「ここはコミカルですよ」というようなBGMは、はっきり言ってあまりいい印象はない。そういう音楽の使い方で、面白くなることは、まずないからだ(あえて、それをギャグとして使うのならば別だが)。

    全体のトーンはテンション高めだが、それをクールダウンさせるシーンもあることにはあるのだが、その緩急がうまくリズムに乗っていれば、さらに面白くなったのではないかと思う。

    とは言え、スピードが乗ってきて、笑いが増してくるところは、なかなかの快感だ。そのスピード感というか、ドタバタ感も良い。特に2代目が登場してからの一連の展開は(三女のお笑いの相方役の石丸将吾さんが叫ぶ、2代目の行動の解説なんかがいいアクセントになりつつ)、とてもいい感じで笑った。

    ラストは、想像の範囲内ではあったが、とてもいい雰囲気であった(夕日が唐突すぎるけれど)。
    ただし、「三姉妹」の物語である以上、ラストは三姉妹が揃って話をするシーンのほうが効果的ではなかっただろうか。
    そして、もっと「姉妹」という関係性が熱く語られても(もっとストーリーの端々に感じられても)よかったと思う。

    さらに言うと、妹たちの自由な行動にストッパー的な役割を果たす長女であったが、その長女は、本当は何をしたくて、何を目指しているのかが、少し見えてきたほうがよかったのではないだろうか。彼女が「幸せ」について語るときに、それが見えてこないので、単に寂しくなってしまうのだ。

    三女のお笑いに対する意欲も、もっと見えたほうがよかったと思う。ツッコミとは言え、お笑いに対する(無理にやってる風な)どん欲さで、長女たちにアピールする、みたいな。彼女は、ずっと不機嫌な印象なのだ。

    長女役の嶋木美羽さんの動いて叫んで、その健闘が目立つ。次女役の奥村智恵野さんがなかなかクールでうまい。2代目のプロフェッショナルを演じた高宮尚貴さんの、プロフェッショナルぶりが笑いを誘う。初代の小林守さんの不安げな佇まいもいい。守銭奴な嫁を演じた宮澤ちさ恵さんは、今回もうまく脇を固めていた。

    どうでもいいことだけど、言葉の定義に敏感な編集者の台詞で気になったのが「ストラテジー」。「ストラテジー」は作戦ではなく戦略で、作戦は「オペレーション」なのだ。

    あと細かいことだけど、アンケートを書くともらえる「こぱや紙」は、なんでA3サイズなんだろう。しかも片面しか書いてないし。B5ぐらいにして、裏表にしたほうが経済的なんじゃないかなと、余計なことを思ったり。あのサイズ、帰りの電車の中で広げて読むのはナンですし(笑)。

    …そして、「お尻だけにぃ」を感想のどこかに盛り込もうと思ったが、無理だった(笑)。

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