十三月の男 -メメント・モリ- 公演情報 十三月の男 -メメント・モリ- 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    和製リュック・ベッソン
    感染すると3年以内には必ず死ぬという凍血病が蔓延した近未来、傭兵である主人公は迫害を受ける患者たちの抵抗組織に雇われて爆破テロ計画に加担することになるが…な物語。
    一言で表現すれば「和製リュック・ベッソン」、荒廃した近未来の状況は『フィフス・エレメント』を想起させ(世界観的には「装甲騎兵ボトムズ」風でもあるか?)、終盤は『レオン』へのオマージュ、みたいな?(そういえば桐生はG.オールドマンっぽくもあり…)
    組織に立ち向かうことになった主人公と組織に残った傭兵仲間が対峙するクライマックスが良く、ハードな決着の後、関係者の「その後」を見せて柔らかく終わるのもイイ感じ。これもまた映画的っちゅうか、本作ってそのまま映画化できそうなほど「映画っぽさ」満載。
    あと、元傭兵たちが使う銃がSIG、デザートイーグルなどそれぞれ個性を主張するものなのが「なんちゃってガンマニア」的にも◎。

  • 満足度★★

    うぐ
    陳腐なセリフの連打と
    ヘタな役者にグッタリしました。

  • 満足度★★★★★

    面白かった!
    前作と打って変わって、おちゃらけた部分がない分、ハードボイルドさが増したように感じた。思えば過去の公演で、白川とくせぽじの下野との絡みが絶妙だったのを思い出して懐かしさを感じた。あれ以上のタッグは無かったのだと気づく。舞台って人々の記憶にいつまでも残るから素晴らしいのだ。。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    詳細は説明に載っているから解り易いと思う。舞台もひじょうにベタな解り易い物語だった。コードネーム・イカロスこと流次郎は自衛隊入隊から、色々経て現在は傭兵部隊に属していた。その間、愛する妻・秋子を失ってしまったが、今でも秋子を忘れられない。秋子は太陽のような女性だった。一方、次郎は月のような男だ。案外、男性って月のような人が多いような気がする。つまり、太陽によって照らされて初めてぼんやりと輝くように・・。

    秋子を失ってから失意の中にいた彼は死を恐れることが無かった。自らも凍血病にかかっていた次郎の元に反政府グループからの依頼がくる。それは政府に対するテロ行為だった。次郎は協力しながらも、組織がだんだん凶暴化していくことに、自らの身の置き所にも疑問を感じていく。そしてかつての妻との生活を思い出しながら、また、星山らと関わりながらも、本来の正義を取り戻していく。こうしてテロ組織と反対の立場に立った次郎は組織からも追い詰められながら、爆弾の藻屑となって消えていくのだが、終盤の流れ星のシーンと、妻・秋子の流れ星の言葉が重なり合って美しいのだ。

    劇中、テロによる復讐の連鎖も登場し、そのシーンの選曲も素晴らしかった。妻を亡くしてから死んだように生きていた次郎の心の機微も繊細に反映され13月の檻から抜け出せない苦悩も見事に表現していたと思う。何より劇中吐かれるセリフの数々が妙に心に響いて感動したのだ。

    赤い血が流れている限り人って何度でもやり直せる。という秋子のどこまでも前向きなキャラクターもいい。酒井の相変わらずのイッチャッテル狂人ぶりぶりが観ていてスカッとしたし、桐生こと長谷川のキャラクターも秀逸だった。とにかく、どのキャラクターもいい意味で秀でてる設定なのだ。桐生が美味しそうないちごにた~っぷりぷりと練乳をかけて頬張るシーンは映画のワンシーンをみてるようで感動。まるで味が無いように食べてるさまは演出なのだろうけれど、この場合、へたを取らないでまるごと食べて欲しいものだった。そのほうがワイルドでしょ?笑
    それでも、こうしたちょっとした演出の詳細さも無頼ならではの見事な演出だ。だから・・・手前で演じてる場面よりも、後ろでの別のワンシーンが気になって仕方が無い。そして今回はその後ろの目立たない演じ方が絶妙だったのだ。

    死ぬまで生きろ!死んだように生きてんじゃねーぞ!
    とセリフる次郎は自分にも言い聞かせるようにして死んだのだ。
    幕引き間際の輝く一つの流れ星はまるで次郎の命のように、瞬間輝きを増してすっと消えたのだった。



  • 満足度★★★★

    濃い登場人物たちの、男臭さ溢れるアクション・ドラマ、で、なおかつ面白い
    まず、物語が面白い。
    物語の展開と、個人への収斂のさせ方がいいのだ。
    テンポもいいし。
    (一部説明台詞のところがちょっと苦しかったけど)

    そして、キャラクターが濃い。男臭いというか(笑)。
    男前の女優陣(笑)もいる。
    さらに彼らの演技はカッコつけすぎで、こちらもちょっと臭い(笑)。
    でも、誰もが演じ切っているので、好感が持てる。
    むしろ、こういう風に演じてくれるからこそ、面白いのだ。

    キャラクター設定がくっきりとしていてわかりやすい。
    そして、印象に残った登場人物が、とても多い。
    ほぼ全員のことを、今もすぐに思い出せるほどだ。
    こんなことって、なかなかないのでは。

    映画などのジャンルで言えば、アクションものだけど、よく聞いていると、台詞の端々の言葉がいい。
    センスがいいのか、吟味されているのか、言葉の言い回しが独特だったりする。
    (「十三月の男」なんていうあたりがナイス)

    ネタバレBOX

    因縁のある傭兵の男たちとそのボス、そして、凍血病という死亡率の高い奇病を取り巻く社会暴力に対抗する患者たちの組織、さらに首都移転がらみの犯罪を追う刑事たち。
    そうした3つのエピソードが、シンプルに、かつスピーディに展開し、絡み合う。

    人生に星は輝くのか、がテーマであり、ある男は、人生の終わりに、病気の人々を取り巻く社会を、暴力を使っても変えようとする。
    また、ある男は、人生の終わりにそれを阻止しようとする。

    外人部隊にいた主人公は、実は妻を失ってからは、まるで、時間の止まってしまった十三月にいるような、空虚な中にいた。
    戦場では、死はそばにあったのだが、それは単なる終焉としてのことであり、死について考えたこともなかった。
    つまり、メメント・モリ、死について想うことはなかった。それは病気により自分の死が目前に迫っていても同じだった。
    しかし、人とふれ合い、妻のことを思い出すことで、死を見つめ直す。それはとりもなおさず「生」を見つめ直すことであった。
    彼の、心の中の時計が、再び秒針を動かしたときに、物語は大きく展開していく。

    とにかくわかりやすい、どんどん話は先に進む。
    冒頭やラストにはダイナミックなシーンがあるのだが、舞台の上でできることは限られているものの、それは情熱のようなもので伝わった。

    唯一女性性を示す、イカロスの妻が、単に弱いだけの女性でないところ、明るさとちょっとした強さのようなものが見えるのもうまいと思った。

    普段は何も考えてないように見えて、やるときはやる、という熱血の刑事もいい。ハードな雰囲気の傭兵たちとは違う、一般人的な風貌がうまく活かされている。

    さらに悪役(傭兵会社のボスと、主人公と因縁のある傭兵たち)が悪役然としているのが、わかりやすいし、そのキャラのちょっとした深みが見えるような、つくり込みも楽しい。
    それに、悪役たちの立ち居振る舞いに、ちょっとしたB級テイストがあるのがとてもいい。そういう意味ではB級アクション・ドラマの匂いがプンプンしてくる。
    アクションはB級が最高だと思っている私にとって、この舞台はこの上ない作品だ(もっともA級アクションってあるのか?・笑)。
    しかも、B級アクションの衣をまといつつ、ドラマ性もあるし。

    主人公のイカロスの死体は発見されていないという。
    こうなると、イカロスが再び現れて続編がつくられても、まったく問題はない・・・と私は思うのだが(笑)。

    面白かった!



    個人的なことではあるのだが、この日はイヤなことがあったのだが、これ観て面白かったので、ちょっとすっきりした(笑)。
  • 満足度★★★

    Vシネマのようでした
    任侠な男の生き様が、よく演じられていました。
    そこそこ詰めの甘いところもありましたが、
    おおむね若さとパワーで押し切った感じがしましたね。
    自分としては、組織の主任さん気に入りました。

    ネタバレBOX

    えーまず、主任さん初登場はインパクトなきように、
    上段からの上から目線で出てきて欲しかったかな。
    話の要所要所での存在感強いから充分だと思うのだが、いかがかな?

    爆弾さんは、起爆装置よりも設置場所や量・種類が重要だと思うのだが。
    そーゆー描写は無くて残念。

    音響は銃撃や爆発音など、特に遜色なく感じたが。
    いかんせん、ライトワークが甘い!
    流星のシーンはインパクトあったけど、爆発シーンは今3つ位な出来ですよ。
    もっとフラッシュとかいろいろ最後なんかのビルにしても、
    派手にした方が良かったと思いますが?

    最後の主任との銃撃戦で、赤外か光量増感か説明不足!
    場所も屋上テラスにでもして、新月で流星群の光は外に溢れてるけど、
    内側のシャッターで遮られて、シャッター背にしたイカロスの後ろで、
    外の光が差込み、スターライトスコープがハレーション起こして
    使えなくなり、外そうとする隙で銃弾打ち込む。といった話の方が
    無理ないと思うのですが?どうかしら。

    電車内の凍結病患者の暴行未遂シーンはよかったけど、
    最後の「アジトまで・・・」といった科白は不自然です。
    いりません!ふつーはその場から逃げたら、あと別々になりますよ。
    イケメンについていったという話は、後のシーンでの語りで説明すればよい。

    細かいところの煮詰め方が、もどかしかったー。
    マスターキートンの引退したがったボマーの話も地下道だったので、
    参考にするべきだな、友達との罰ゲームで地下坑道に来ている。
    とか言う台詞は使えますよ。

    イカロスのラストの羽根は、ライトでとか出来なかったのかな?
    いままで積み上げてた世界観から、微妙にズレていた気がしました。
    羽根の見せ方は、カレイドスターのラストシーンの演出に学びませう。

    台詞かんだら、アドリブでごまかしてね。世界観壊さない程度で。

    キャラは、しっかり作られたいましたね。役者さんたちもうまかった。
    それっぽく見えました。ようは観客騙しとおせれば勝ちなんだから。

    細かい事もうひとつ、「銃の撃ち方を・・・」よりは、
    「武器の使い方を・・・」の方が、自然に耳に入りますね。

    最高の人生の終わり方みたいな、ゲンジツ見に行くラストシーンは、
    オチとしてうまかった。
    あと「死んだように生きるな」の台詞も!

    とうーことで、更なる研鑽望みます。
    がんばってください。

    PS 主任さんよかったー、ホントに。
       コメディーだったら、猫抱いてワイングラスもって登場でしょうな(^^)
  • 満足度★★★★


    男好きする芝居と言えばいいのか(ミリタリとか政治)オタク好きする芝居と言えばいいのか。あまり触れてこなかった類いのジャンルなのでどうも何とも言い難し。これがハードボイルドというものか。
    物語構造の渋さなど好きな要素はあったものの、説明や直接的な教訓台詞が多く、そこはかとないとか醸し出されるといった言葉にぐっとくるタチの自分は「ひゃー」という印象の方が強く残り。いまいちそのカッコよさの美学が自分には馴染まなかった。
    MEはすごく好み。

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