十三月の男 -メメント・モリ- 公演情報 無頼組合「十三月の男 -メメント・モリ- 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    濃い登場人物たちの、男臭さ溢れるアクション・ドラマ、で、なおかつ面白い
    まず、物語が面白い。
    物語の展開と、個人への収斂のさせ方がいいのだ。
    テンポもいいし。
    (一部説明台詞のところがちょっと苦しかったけど)

    そして、キャラクターが濃い。男臭いというか(笑)。
    男前の女優陣(笑)もいる。
    さらに彼らの演技はカッコつけすぎで、こちらもちょっと臭い(笑)。
    でも、誰もが演じ切っているので、好感が持てる。
    むしろ、こういう風に演じてくれるからこそ、面白いのだ。

    キャラクター設定がくっきりとしていてわかりやすい。
    そして、印象に残った登場人物が、とても多い。
    ほぼ全員のことを、今もすぐに思い出せるほどだ。
    こんなことって、なかなかないのでは。

    映画などのジャンルで言えば、アクションものだけど、よく聞いていると、台詞の端々の言葉がいい。
    センスがいいのか、吟味されているのか、言葉の言い回しが独特だったりする。
    (「十三月の男」なんていうあたりがナイス)

    ネタバレBOX

    因縁のある傭兵の男たちとそのボス、そして、凍血病という死亡率の高い奇病を取り巻く社会暴力に対抗する患者たちの組織、さらに首都移転がらみの犯罪を追う刑事たち。
    そうした3つのエピソードが、シンプルに、かつスピーディに展開し、絡み合う。

    人生に星は輝くのか、がテーマであり、ある男は、人生の終わりに、病気の人々を取り巻く社会を、暴力を使っても変えようとする。
    また、ある男は、人生の終わりにそれを阻止しようとする。

    外人部隊にいた主人公は、実は妻を失ってからは、まるで、時間の止まってしまった十三月にいるような、空虚な中にいた。
    戦場では、死はそばにあったのだが、それは単なる終焉としてのことであり、死について考えたこともなかった。
    つまり、メメント・モリ、死について想うことはなかった。それは病気により自分の死が目前に迫っていても同じだった。
    しかし、人とふれ合い、妻のことを思い出すことで、死を見つめ直す。それはとりもなおさず「生」を見つめ直すことであった。
    彼の、心の中の時計が、再び秒針を動かしたときに、物語は大きく展開していく。

    とにかくわかりやすい、どんどん話は先に進む。
    冒頭やラストにはダイナミックなシーンがあるのだが、舞台の上でできることは限られているものの、それは情熱のようなもので伝わった。

    唯一女性性を示す、イカロスの妻が、単に弱いだけの女性でないところ、明るさとちょっとした強さのようなものが見えるのもうまいと思った。

    普段は何も考えてないように見えて、やるときはやる、という熱血の刑事もいい。ハードな雰囲気の傭兵たちとは違う、一般人的な風貌がうまく活かされている。

    さらに悪役(傭兵会社のボスと、主人公と因縁のある傭兵たち)が悪役然としているのが、わかりやすいし、そのキャラのちょっとした深みが見えるような、つくり込みも楽しい。
    それに、悪役たちの立ち居振る舞いに、ちょっとしたB級テイストがあるのがとてもいい。そういう意味ではB級アクション・ドラマの匂いがプンプンしてくる。
    アクションはB級が最高だと思っている私にとって、この舞台はこの上ない作品だ(もっともA級アクションってあるのか?・笑)。
    しかも、B級アクションの衣をまといつつ、ドラマ性もあるし。

    主人公のイカロスの死体は発見されていないという。
    こうなると、イカロスが再び現れて続編がつくられても、まったく問題はない・・・と私は思うのだが(笑)。

    面白かった!



    個人的なことではあるのだが、この日はイヤなことがあったのだが、これ観て面白かったので、ちょっとすっきりした(笑)。

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    2010/01/22 07:06

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