満足度★★
これじゃ、2軍戦・・・
今週で千秋楽を迎えるアイーダ名古屋公演、
こういった注目が集まるような週には比較的ベテランキャストを
揃えて非難を回避している四季。
今回も、濱田・井上の両アイーダ、阿久津ラダメス、佐渡アムネリスが
他の作品から外れていることから
「オリジナルキャストで見れるかな」と期待して行ったら
良く判らない名前の女優陣とサムカーマイケル渡辺正。
「何だこりゃ」と思ってみていたら、
女優陣は、こないだまでアイーダのアンサンブルをしていた人ら。
若手の登板は必要と思います。
新陳代謝は企業の活性化に不可欠です。
しかし、歌が上手い下手とか、芝居がどうのこうのというより
舞台の真ん中に立てる資質があるかどうかが、根本じゃないでしょうか?
宝塚が面接の項目に「容姿端麗」と謳っている様
見ていて魅かれる、というのが第一条件のはず。
サムカーマイケルと全く同じ歌い方、話し方の渡辺正は、
それでも、まだ清潔感ある風情なので
良くなって行くかもしれません。
でも、今は良くありません。まだ30点程度です。
良くないうちに正規料金で観客の前に出すのは、いかがでしょうか?
メインの女優2人に至っては、問題外。採点以前の問題。
田舎娘の学芸会です。
語尾をわーわー伸ばして歌って、すぐにポーズをつける。
全く持って不愉快極まりない。
五体満足なら、誰でもいいのでしょうか?
お客が入らないから、キャストを安くあげて固定費を減らして・・・って
どっかの企業じゃないけど、ほんと悪循環。
前のほうを陣とっている熱狂的四季ファンの方でしょうか?
カーテンコール後、観客は帰る流れになっているのに
客席に向って
「素晴らしい芝居を見せてくれたキャストの皆様に、
もう一度、熱い拍手をしましょう!!!」って呼びかけてました。
帰りかけだから、みんな立っているので、おのずと
スタンディングオベレーション。
再度登場し、その様子に涙くむキャスト、あぁ情けない。
これだけ日本もミュージカルが増えてきているのだから
「ダメ」な作品には「ダメ」な態度で接するのが、
本当のファンではないでしょうか?途中で立つとかカーテンコールは
拒否するとか。
新年早々、ホント不愉快にさせられました。
満足度★★
少女漫画なアイーダに堕ちてしまった
新アイーダの秋夢子、名前も数十年前の少女漫画のヒロインのような
名前な彼女が主演になった今回、作品全体も、まるで少女漫画のような雰囲気になっており、一人悲劇のヒロイン風に酔いしれているアイーダに、観ている僕は、すっかり「アホくさ」と冷め切ってツライ3時間を
過ごすハメになってしまった。
新しい人、若い人が登板する事は非常に望ましい事だし
経験が少ないから従来の役者さんと比較すれば見劣りする部分が
あっても、その分ひたむきさや一生懸命さが慣れた役者さんより
輝く利点がある。
それは瞬間の感動だから、とても貴重と思い重宝しているのだが
今回のアイーダは、どうも様子が違う。
夏休みだし、あえて子供向けに、わかりやすい喜怒哀楽を
表現しているのかもしもしれない。
しかし色々な方法で演じられている、この作品、
オペラや宝塚、また四季でも他の役者さんでも観ているが
今回の秋夢子アイーダは、
とにかく品位がない、あまりにも安っぽいというか、
心が入っていないように思えた。
とにかく大きな声で語尾を伸ばせば、熱唱風に聞こえると思っているのか、台詞を張り上げれば熱演と思っているのか
自分一人の世界に陶酔しているとしか思えない作品になってしまっていた。
艶っぽい佐渡アムネリスのアイーダにむける視線が
「アラアラ、何をやってんだか」って感じに見える程
バランスも、ちぐはぐ。
これが座長芝居なら、まだ構わないと思うんです。
モー娘が主演、ジャニーズが主演なら
その人が好きで見に行っているんですから、
上手かろうが下手だろうが、その人が舞台に立って
生身を見ているだけで、楽しいのでしょうから。
コスプレ劇でもファンタジーでもファミリーミュージカルでもない、
ドラマ中心の大作のタイトルロールを勤め上げるには、やっぱりカリスマ性とまではいわないけど、お金を払う価値の有る役者さんに
演じてもらいたいと、つくづく思いました。
満足度★★★★
ノリにノッてる井上智恵が最高!
2年前の秋「京都劇場」で見た以来の「アイーダ」。
その時、井上アイーダ登場を見ているのですが、あれから
キャリアと経験を積まれたのでしょう、今回名古屋で見た
井上アイーダは京都とは比べ物にならない程の圧倒的存在感で
大きな役が続いていてノリにノってる感が伝わる。
鳥肌モノの歌と迫力と表現力に、すっかり魅了されて
「こんなに素晴らしい作品だったんだ」と見直しました。
井上智恵の歌は、山口祐一郎と双璧をなすほどの
素晴らしい歌です。
以前「美女と野獣」と福岡で見た時、偶然ファンの集いみたいな
ものが閉幕後にあり、井上智恵を間近で見て
「素顔は、とっても綺麗なお姉さん」「本当にお人柄もよい
お姉さん」とヒイキ目では見ていましたが
ここまでの感動はありませんでした。
阿久津ラダメスは3-4年前と変わらず少年漫画のヒーローみたいで
格好いいですし、素顔が由紀さおりに似ている五東アムネリスは
あくまで井上アイーダの引き立てとしてバランスが取れている。
歴代で一番クセがなければアクもなく歌も綺麗でした。
この作品は3人の登場人物が中心に進められていく
非常に役者の力に依存する作品と思います。
同じディズニーでも「ライオンキング」や「美女と野獣」
のように舞台装置や数々の登場人物に気持ちが分散される
ことなく繊細な心境や人間関係を楽しむ作品。
逆に云えば3人に魅力を感じなければ全く話に入り込めない作品で
自称「神の声を持つ」濱田アイーダには
僕は魅力を感じなかったので、退屈はしなくても劇画感が強かった。
(濱田自身がポカホンタスみたいな風貌なんだけど)
京都の時のシルビア.アムネリスも素敵でしたが、シルビアが
目立ってしまい舞台上では地味な顔立ちな井上アイーダが
負けてしまっていて、傾いた船のようでした。
そういう意味で、今回は本当にバランス的にも
素晴らしい組み合わせで充実した観劇。
これがカラオケじゃなくって、ちゃんとしたオケなら
満点です。