満足度★★
少女漫画なアイーダに堕ちてしまった
新アイーダの秋夢子、名前も数十年前の少女漫画のヒロインのような
名前な彼女が主演になった今回、作品全体も、まるで少女漫画のような雰囲気になっており、一人悲劇のヒロイン風に酔いしれているアイーダに、観ている僕は、すっかり「アホくさ」と冷め切ってツライ3時間を
過ごすハメになってしまった。
新しい人、若い人が登板する事は非常に望ましい事だし
経験が少ないから従来の役者さんと比較すれば見劣りする部分が
あっても、その分ひたむきさや一生懸命さが慣れた役者さんより
輝く利点がある。
それは瞬間の感動だから、とても貴重と思い重宝しているのだが
今回のアイーダは、どうも様子が違う。
夏休みだし、あえて子供向けに、わかりやすい喜怒哀楽を
表現しているのかもしもしれない。
しかし色々な方法で演じられている、この作品、
オペラや宝塚、また四季でも他の役者さんでも観ているが
今回の秋夢子アイーダは、
とにかく品位がない、あまりにも安っぽいというか、
心が入っていないように思えた。
とにかく大きな声で語尾を伸ばせば、熱唱風に聞こえると思っているのか、台詞を張り上げれば熱演と思っているのか
自分一人の世界に陶酔しているとしか思えない作品になってしまっていた。
艶っぽい佐渡アムネリスのアイーダにむける視線が
「アラアラ、何をやってんだか」って感じに見える程
バランスも、ちぐはぐ。
これが座長芝居なら、まだ構わないと思うんです。
モー娘が主演、ジャニーズが主演なら
その人が好きで見に行っているんですから、
上手かろうが下手だろうが、その人が舞台に立って
生身を見ているだけで、楽しいのでしょうから。
コスプレ劇でもファンタジーでもファミリーミュージカルでもない、
ドラマ中心の大作のタイトルロールを勤め上げるには、やっぱりカリスマ性とまではいわないけど、お金を払う価値の有る役者さんに
演じてもらいたいと、つくづく思いました。