アルトゥロ・ウイの興隆―それは抑えることもできる― 公演情報 アルトゥロ・ウイの興隆―それは抑えることもできる―」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.3
1-8件 / 8件中
  • 久々のシアターPOO
    残っていた席は座るのが困難な場所だった為、ずっと胴体着陸に備えたポーズのままいました。下を向いたままで感じたのは骨太の熱い声質と照明さんと音響さんが細々と仕事をされていたこと。一人で何役もこなしていたらしく(パンフを見ると)ステージ上を観られていないので、把握するのが難しかった。カウンターの方が舞台でした、元からあるシアターPOOの雰囲気に内容は合っていたと思います。

  • 満足度★★★

    中身はとても良かった
    合併前の大学のころから観ている劇団で、いまや半ば責任感のような気持ちをもって観続けている。
    ピーチャムクラシックスという今回の企画は、新主宰の川口典成の嗜好がより濃く出ているような気がする。何しろ、脚色者の清末浩平はサーカス劇場時代、尊敬するのは唐十郎オンリーで「ブレヒトなんてくだらない」とまでブログに書いていた人なので(当時の傲慢さには呆れたが)、その彼がブレヒト作品を脚色するなんて大変意外で、興味があった。
    そもそも劇団名「ピーチャム・カンパニー」のピーチャムはブレヒトの「三文オペラ」の登場人物「ピーチャム」から取ったそうで、ブレヒトは今日の日本のアングラ劇にも通ずるいかがわしさがあり、案外、清末浩平には合っているのかもしれない。
    結論から言うと、両劇団のこれまでの作品と比較しても、今回の作品が一番良かったのではないかと思う。もっとも、オリジナル作品ではなくブレヒトの戯曲なので、元が良いといえばそれまでなのだが。清末は東大時代、オリジナルより脚色ものの「カリギュラ」のほうが評価が高かった人だし。本編のほうは観たことがないので、本編と比べたら、また違う感想もあるかもしれない。だが、古典をこのようなかたちで紹介するのは大賛成。演出がスピーディーで、字幕の使い方も巧く、音楽も照明も良く、大人が楽しめる作品となっていた。中身だけなら、初めて★4つ出したいと思った。
    だが、「箱」との対照で言うと、残念ながら減点せざるをえない。シアターpooは今回初体験。会場は狭くてもかまわない。ただ、これだけ人数を詰め込むなら、1時間30分ものではやはり長過ぎると思った。この会場でこの作品を上演するなら、人数を20人くらいに限定して、もう少し座席をゆったりとるか、人数を詰め込むなら、1時間程度の別の作品を上演するか、この作品をなるべくおおぜいに見せたいなら、小劇場でももう少し広い会場を選ぶか、いずれかを希望する。「芝居大好きでどんな悪条件の観劇でも気にならない」と言う観劇慣れした人ならかまわないのだろうが。自分の場合、前の客が思い切り体を後ろに倒していたので、膝を前に出せず、からだを横向きにしたままの姿勢で1時間30分、身じろぎできないのはかなり辛く、帰宅してから疲れきって何もできなかった。また、「詰めてください」とスタッフに言われて席に飲み物をこぼしてしまった客もいた。私は「良い作品なら、アメニティはどうでもよい」とは考えないほうなので、あしからず。
    昔、サーカス劇場時代、東大駒場の会議室を使って上演した「雪の女王」のとき、長時間、酸欠と暑さで気分が悪くなったことを思い出す。そのときは終演直後、「外、涼しーい!」と言う客が多く、今回は「腰痛かったー」と言う客が多かった。長年観ていて、ここの制作はあまりそういうことは気にしないようだが、環境は大事。環境が作品を殺すこともある。

    ネタバレBOX

    「仮名手本忠臣蔵」が徳川幕府に遠慮して時代設定を変えて描かれたように、ヒットラーをギャングの世界に置き換えた戯曲になっていて、面白い着想。さらにギャングの抗争劇を芝居仕立てで見せることによって、名画「スティング」で使われたブラフにも似た効果があって楽しい。
    俳優は1人何役か受け持つ。観ていて女性の役はわかりやすいが、男性の場合は別人なのかどうかわかりにくい役もあった。私は見落としてしまったが、連れがこの時代に携帯電話が出るのはおかしいと言っていた。
    アルトゥロ・ウィを演じる堂下勝気はいつもより若々しく見えた。このアンサンブルの中で世代的に彼はかなり年上の俳優なので、キャリアの点からも一日の長があって当然だが、この役の持つ底知れぬ狂気、野心を隠した不気味さは表現しきれておらず、存在感が薄く、平凡に見えてしまった。今回は八重柏泰士のドッグスボローがとても良かった。最初、八重柏だとすぐに気づかなかったほど、役になりきっていた。こういう老け役もできるのか、と新しい発見があった。
    しかし、ヒットラーも、このアウトゥロ・ウィもそうだが、こういう勢力の暴走を抑えるのにはどうすればよいのだろうと、この劇を観て思った。
    勢いがついてしまうと、逆らうことができず、民衆の力ではもう抑えきれない。そして、ファシズムの台頭を後押ししたのも民衆の熱気である。太平洋戦争でメディアのありかたをあれほど反省したはずの日本でも、先の小沢騒動では大新聞が検察側に立つ報道一辺倒の姿勢が気になった。直接的証拠がない嫌疑の段階でも「悪の権化」のようなレッテルを貼ったらヒステリックなまでに叩く一方で見事に足並みを揃え、薄気味悪ささえ感じた。
    料金的には3作品セット割引5000円くらいなら良心的なのにと思った。「料金はもう少し抑えることもできる」(笑)。
    この作品、ブレヒト劇を得意とする東京演劇アンサンブルで、公家義徳のアルトゥロ・ウィなら適役だし、2部構成の長尺版でぜひ観てみたい。
    近年の清末は自身の作品を「アングラ」のイメージで語られることを極度に嫌っているようで、「カラス」も「イヌ物語」もアングラではないと言っている。しかし、出演者や観客がアングラだと語っているのが皮肉だ(笑)。清末としてはアングラを脱却したいとは思っているのだろうし、そのためにカラーの異なる地上3mmとも合併したのだろう。
    3部作終了後、秋公演のオリジナル作品がどのようなものになるのか、見ものである。

  • 満足度★★★

    非日常的な空間がよかったのかも
    難解と言われるブレヒト劇が意外にも理解しやすく見られたのは、この異空間と言っていい非日常的な狭い劇場のせいだったのかも。もっと快適な空間だったたらこんなには集中してみていられなかったかもしれない。(でも、腰疲れた~)

  • 満足度★★★

    古典は現代にも通じるのか?
    アルトウロ・ウイというシカゴの鼻つまみ者が1930年代の世界恐慌が吹き荒れるシカゴを舞台に、暴力を背景に、近隣の街々をも牛耳る大物ギャングに成り上がるまでを描いた、1941年に発表されたベルトルト・ブレヒトの原作を忠実に、かつ、ずいぶんとコンパクトに上演。

    アルトウロ・ウイというギャングは、1930年代にブレヒトの母国、ドイツで急速に力をつけ、人々を恐怖のどん底に突き落としたヒトラーに重ねて描かれる。

    物語が作られた当時の時代背景を踏まえれば、原作がどれほどの説得力を持ったかは想像に難くないが、本上演でも、原作が描いた暴力の連鎖は時代を乗り越えて、生き生きとよみがえるのだろうか。

    それを表現しようとした劇団の意図は十分に感じることができたが、平和ボケした私の頭では、本作の中でそれほどのリアリティを見出すことはできなかった。
    古典作品の上演の難しさといわざるを得ない。

    本年秋には、新作による本公演があるとこのこと。
    昨年の「イヌ物語」で見せた劇団合同のメリットを生かした現代劇を期待したい。

  • 満足度★★★

    劇団合併後の一発目
    平たくいえば、劇団サーカス劇場と劇団地上3mmとが合併して新劇団「ピーチャム・カンパニー」を設立したから、どんな空気感なのかが、ものすごく楽しみだった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    シアターPOOはとにかく狭い。しかし、その狭さにも関わらず観客は満杯状態だったから、一発目としては観客誘導数からして成功なのだと思う。

    一方で、端っこに座らされた男女2人連れの観客の女性の方が「観えない、帰る!」と言ったと思いきや、連れの男性の意思も確認せずに出口へ向かう。その後を追いかけるように、「見えないんじゃ仕方が無いね。」って草食系の気弱な僕男が従う。つまり、彼らの、いあ、彼女らの関係が直球露呈されて楽しかった。もしかして、作られた芝居よりも、こんな現実的でリアルな情景のほうが楽しいのではないか?と思った。(失笑!)

    さて、物語は殆どが説明にあるから今更解説する事は無い。シカゴを舞台にギャングが野菜市場を牛耳って汚職にまみれ、挙句は自分たちの利益の為に、昨日の友までをも殺しながらのし上がっていく、という筋。また、一方で司法で追及される場面になると証人を次から次へと消し去って、証人の家族や、ある人物に成りすまし、陰謀や巧みな罠を仕掛け、結果、民衆をも傘下に置いて支配してしまうという内争、紛争、暴力、偽善、裏切り・・・黒という黒真っ盛りの物語。

    で、今までの劇団サーカス劇場の空気感は全く無い。ベタで解り易い芝居だ。キャストの演技も噛みかみはあったものの、存在感ばっちりで秀逸だったと思う。しかしながら、ワタクシは前回観た劇団サーカス劇場の「カラス」があまりにも良かったため、ってか、ああいった妖しげな独特の雰囲気が好きだったから、今回は、ちょっと不満が残ったんだよね。だからってギャングものを妖しい雰囲気には出来ないのかもしれないけれど・・。

  • 満足度★★★

    とにかく狭い
    ブレヒト芝居は初めて。だけど戯曲とおりなのか不明なので,コメントが難しい。寓話として見ると面白い。途中2度ほど解説らしきものが入るが,自分としては芝居の流れを阻害して不要に思えた。とにかく狭くて,肩がこった。飲み物サービルがあり,芝居を観ながらのどを潤せるのはうれしい。

  • 満足度★★★★★

    体育座り大変だったけど
    バーのほうを舞台として使用することで、このストーリーにぴったりの雰囲気が出ていたと思います。最後は明るい歌で終わりましたが、その直後の「それは抑えることもできる」の言葉の重みがなおさら感じられました。実社会では抑えることができなかった例はいくつも思いつきますが、抑えることができた「良い例」は思いつきません。気づかないうちに「良い例」がたくさん起こっていて、悪の興隆が上手く避けられていることを期待します。

  • 観劇
    観劇いたしました。

このページのQRコードです。

拡大