スリープ・インサイダー(ありがとうございました!またいつか!) 公演情報 スリープ・インサイダー(ありがとうございました!またいつか!)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.1
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    化ける
    観劇後、1週間が経ってしまった。どうも感想の書きにくい作品。
    2部構成、どちらも上演時間は1時間強。役者は4人。奥田洋平、青山麻紀子、高屋七海、佐藤幾優。

    役者がしゃべる台詞のやりとりを聞いていても芝居の状況や人物の設定が最後まではっきりわからないという意味では難解な作品だった。たとえば阿佐ヶ谷スパイダースの「アンチクロックワイズ・ワンダーランド」なんかは、難解さが見る側にとってかなりストレスだったけれど、この作品のわかりにくさはそれほど苦痛ではない。

    プログラムに載っている作者のあいさつ文によると、ストーリー(物語)を得ようとすると転覆するおそれのある作品らしい。音楽やダンスや絵画のように、全体を眺めてそこから浮かんでくる個人的な感覚や思いに浸ってほしいと作者はいっている。

    青年団に在籍していた頃から、岩崎裕司の作品には青年団的なリアルさには収まらない、内省的な要素が強く感じられたので、舞台装置も抽象的な、あるいは簡素なものがいいと思っていたのだが、青年団を辞めてから4年ぶりとなる今回の作品では、こちらが期待した以上に抽象度が高まっていて、興業的、商業的にそれがプラスになるかどうかはわからないけれど、個人的にはものすごく魅力的な作品に仕上がっていた。特に前半の二人芝居は奥田洋平と青山麻紀子のベスト・アクトといってもいいのではないだろうか。

    絵画にたとえれば、それまでずっと写実的な絵を描いてきた人が、ある日突然、抽象画を発表したような変身ぶりといえる。なにはともあれ、次回作が楽しみで仕方がない。


  • 満足度★★★★

    確固たる主体などない
    全体的にどういうことなのか何となくわかったつもりになってるのだが、ああ言葉にできない。過去に起こった花火大会の夜を2話を貫く軸にして、けれど三人称までの主体客体、関係の固有性の境界が溶けかき混ざってしまっている?
    「私」の不確実性を始点にしている芝居を最近よく見る気がするのだが、これはとりわけ複雑。
    最後まで興味深く観たのだが、終始頭で創って頭で観る演劇という印象があり、感覚的に観せようとしているように見えた部分も、肌に浸透せず表面を滑っていく感触だった。

  • 満足度★★

    作品としては嫌いじゃないんだけど。
    なんだか押し付けがましい雰囲気を感じて途中からひどく退屈に感じました。自分としては自然に膨らむはずだったところが、膨らませるスペースを探している間に疲れてしまいました。

    ネタバレBOX

    前半、ある一部屋に閉じ込められているのか閉じこもっているんだか、の男女。その二人の関係性がすごくおもしろかったです。パワーバランスの変化とか。二人は同じ人間じゃないかとか。

    奥田洋平さんのまるで別人のようにも見える、聞こえる佇まいや声色がすごくよかったです。人間とも思えない不自然な身体の扱いとか。
  • 満足度★★

    よくわからん
    よくわからん、正直そんな感じです。難解な現代音楽やフリージャズを聴いているような。断片的に面白いところはあるんだけど。

  • 満足度★★★★

    初見の劇団だったけれど
    素晴らしいです。特に奥田洋平の演技が素晴らしい!で、どんな演技が?ってことだけれど、目だ。目の演技があまりにも逸脱していた。まるで催眠術にでもかけられたような作り物めいたガラスの目だった。魂を奪われて放心した乾いた視線。奥行きのない、だけれどじっと見つめていると底知れぬ恐怖が迫ってくるような目。悲しみの色でも見つめるような目。だけれど無表情。

    以下はネタばれBOXにて。。


    ネタバレBOX

    第1話 「スリープ・インサイダー」
    男は監禁されている。という説明だったが、男は引きこもりだ。男の中で花火師の鏑木君や後輩の女や同級生らが男の回想と妄想の中で交差する。必要な食べ物や音楽、雑誌など欲しいものは紙に書いてトビラに入れると家族(保護者)が見繕って運んでくれる。
    こんな生活のなか、体内時計だけを頼りに1000日以上も引きこもっていた―― そんな時、一人の女がその部屋へ来る。この場面から男の中での今からの脱出への希望として、第二話に繋がる。


    第2話 「哲人の丘」
    一話の続き。今度は荒野の丘の上に建つ小屋の中。この小屋は高い高い崖の一角にぽつねんと建っている。他に小屋はない。外界と遮断された小屋。風が吹き荒れたまにコンドルがカァーカァーと鳴く。この場合、ギャーとかグェーー!と鳴かせたほうがリアル感、満載だったけれど、コンドルってカラスみたいに鳴くのか・・?
    男が俯せに倒れている。二話は一話の引きこもりの男よりも少しよくなって自らを他者に解放しようとしている。だから、ここでの登場人物はいっきに自分以外に3人が登場し、場面も一話のシートの上だけだったスペースが広がっている。
    物語は鏑木君が崖を登って尋ねてくる。彼は「行方不明になった友人を探していると告げる。」これは、戻ってこない友人、つまり男を心配して小屋に訪ねてきた形だ。小屋での4人のセリフは男の妄想なのか事実なのかは計り知れないが、男の気持ちは友人らを好きな感情と殺したいほど憎む感情が交差する。だから、鏑木に対しても「お前を見てると顔に石をぶつけたくなる。」とのたまう。
    一方で女がジャリジャリと音をさせながら崖を登って小屋に到着する。何か物を運んできたようだった。こうして、男の世界はすこ~しずつ小屋から外を眺めたりして、世界と繋がろうとする。苦悩しながら繋がろうとしている。それはやがて・・・村ができ、町ができ、市ができ、県ができるように。だから男はこれから、ちょっとずつ希望を掴もうとしているのだ。


    この物語は好みが割れると思う。そのくらい奥に潜む事実が見え難い。人間関係がきっかけで引きこもりになった男の元に通ってくる人たちが愛しく微笑ましい舞台なのだ。だけれど、それを感じさせないからひじょうに解りづらい。解りづらいけれど、何故か惹かれる不思議な舞台だ。



  • 満足度★★★

    つながってはいる
    何かを感じ取れたかというと、何もなかったわけだが。

  • 満足度★★★

    難解でしたが
    2時間超を飽きることなく観ることができました。

    役者さんの真剣な演技も光っていました。

    ネタバレBOX

    男の嫉妬で、別の男を殺してしまったのか。刑務所なのか、出たいのか、出たくないのか。

    髭の伸び方で日数を計る、つい感心してしまいました。

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