満足度★★★★
みたー
確実に死に近づいてゆく人間と、廃棄さえない限り存在しつづけるアンドロイドという関係は、ブレードランナー(「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」)の逆バージョンのよう(ブレードランナーは、寿命をプログラミングされたアンドロイドが死に恐怖する話)。人間もアンドロイドもたいした違いはないのじゃないか、と考えさせる点は同じですね。
アンドロイドは、主人(人間)の最大の利益は"生命を守る"ことだと考えているようです(花火をしたいという女の願いを遮って、身体を休めることを主張しているから)。
治験を続ける女に対し、アンドロイドは他の治療法ならば助かるのではないかと提案します。しかし、「たとえ助かっても、今の報酬はもらえなくなり、元のひとりぼっちの生活に戻るだけと」女は、その提案を受け入れません。
命は地球よりも重いというアンドロイドに対し、そんなのはウソッパチだという女。
ここでアンドロイドがどう学習したのかは興味深いところ。主人の願いは、命を失っても今の生活を続けたいということですから。もし、女が「私を殺して」と願ったらアンドロイドはどうしただろうか?
やがて女は命つきます。切なさを感じないわけではありませんでしたが、それ以上に「看取ってくれた人がいてよかったね」という気持ちがはるかに強く生じました。一人でしんでゆくのはあまりに悲しすぎる、だからアンドロイドをそばに置いたのでしょう。
印象に残った場面がふたつ。
1.二人がキスをする場面。アンドロイドの表情が無表情だったこと。
2.女が亡くなる場面。目をあけたまま、電池が切れるように動かなくなりました。それは人間というよりもアンドロイドのようでした。
この2つがなかったら、単なる甘ったるいお話になっていたかも。
人間の望むことが、最初は理解できないアンドロイドですが、人間同士だって初対面から理解しあえるんなんて滅多にないですし、たとえ長く付き合っても、このアンドロイドのように理解してくれるとは限らないわけです。そういう意味では、この作品、ハッピーエンドなのかもしれませんね。
満足度★★★★
Fabricated Fact
「F]とは何か・・・というのがアンケートにあったんだけど、作者の宮森さんは実のところ何をイメージしていたんだろう?
常識的には、"Fake"かなと思ったんだけど、"Future"かもしれないし、"Fiction"かもしれない。
でも、個人的にはこれは、"Fabricated Fact"ではないかと。
師匠筋にあたる平田オリザ氏が今年の夏に阪大・石黒教授と取組む「ロボット芝居」のプロローグ的な作品なのかもしれない。
満足度★★★★
どうにもせつない、やるせない。
見終わって、普通に近くにいる人を大事にしなきゃ、とか自分のためだけじゃなく命を大切にしなきゃって思った。染みる。96分。
満足度★★★★
切ない
切ない。女の感情がぐるぐり変化していく。
どうしょうもないこと言うね、女の人は。でもだから女の人なんだろうな。
東京デスロックというユニットなのに東京での上演を封印した東京デスロックの多田淳之介、彼が俳優やってるところなんて滅多に観られないから嬉しかった。今度はデスロック、横浜でもやってくれるらしい。キラリは遠いもん。
照明が凝ってましたね。せりふの進行にリンクしめまぐるしく、赤や青が入りました。けどベースとしてホワイトでがつーんと照らしてるから、赤が入ろうが青が入ろうが、微妙なニュアンスが変わる・・・?くらいの変化しかない。そんな照明演出のことをあれこれ聞いてみたかった。
いいホンだなと思ったので、台本も購入。ホチキスで止めただけのものだけど、500円って安いでしょ。
満足度★★★★
結局ヒトはわかり合えない、けど、ヒト同士だから救われることもある
アンドロイドの台詞のトーンが変わってからの、舞台での空気の変化が素晴らしいと思った。
予定されている結末へ一直線なのだが、それでも見入ってしまう魅力がそこにあった。
満足度★★★
デスロック
デスロックな多田淳之介さん。演出が違うので当然と言えば当然なんだが、この方がお芝居したらどうなるんだろうと初見で向かう。繊細なのもいいけど、ワイルドなものもみてみたい。
満足度★★★★
叶わない望み
女とアンドロイドは、哀しいことに女と男ではない。
いや、あるいは幸せなことに。
「あなたのことを思えば思うほど、あなたが遠くなっていく。」
満足度★★★★
少女マンガのような
SFチックな少女マンガのような舞台だと思った。
とても切ない。
二人の演技は心に沁みた。特に端田は、声と全体の雰囲気はかわいらしいのだが、表情に何かしら不安を呼び起こすような要素があり、この非現実的な物語にリアリティを与えている気がした。
満足度★★★
個人的にはいま1つ
最近、評価高いユニット 「青年団リンク・二騎の会」
この公演も評判良いけど、
どうも個人的にはいま1つだった。
近未来、アンドロイドと女の話なんだが
ストーリーの展開が少なくなくて
いいシーンはあるけど、全体としてはなんだかなー。
「秋」の冒頭は理屈抜きでグッと来た。
むしろ、考えるより感じる舞台なのかな。
端田新菜さん
最近よくこの人の出てる舞台にあたる。
満足度★
見せたかったのは、一人と1体の日常?
季節を追ってゆくという話には共感できたが、そこ以外の設定の吐露や、
観察者=観客に対してのメッセージが希薄に感じられました。
満足度★★
『F』Girl's ver.リーディングを観た!
観なければ良かった、と激しく後悔。前回観た端田と多田の二人芝居が切ない感情を表現した舞台だった。だからこちらも観ていて息苦しくなったほどだった。
ところが今回の後藤麻美&長野 海バージョンはワタクシが期待していた感情を重い蓋のようなもので封じ込める強引さがあった。それでもまだ出たがっている想いというしっぽを、「これが最後の最後!」なんて笑いながらいとも簡単に押さえてしまったのだった。
以下はネタばれBOXにて。