はちみつ 公演情報 はちみつ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-20件 / 30件中
  • 満足度★★★★★

    想う側の必然が伝わって
    物語はとてもわかりやすいのですが、
    想う者の熱に
    愚かさをがっつり凌駕するだけの必然があって。

    その強く逃げられないようなテイストに
    時間を忘れて見入ってしまいました。

    終幕前のシーンからやってくる、
    どこか醒めているのにぬぐいきれないような感覚が
    ゆっくりと深く心に残って。

    前回公演とは色の違った、
    しかし前回同様に
    強い印象の残る作品でありました。

    ネタバレBOX

    愚かな恋であっても
    それが止められないことに
    濃密な説得力があって、
    ただ息を呑んでその行く末を見つめていく感じ。

    働き蜂が憑かれたように働いて
    一生に集めるという
    ティースプーン一杯ぶんの蜜の重さや軽さが
    冷徹に置かれて、
    それゆえに
    はちみつ屋の二人の想いの必然性も
    有無を言わせぬ力を持って伝わってくるのです。

    挿入される
    はちみつ屋のお客様やメイド喫茶のエピソード達が織りなす「愛」の姿も、
    したたかに物語に厚みを作っていく・・・。

    負け続けた博打にすべてをかけようという感覚、
    さらには
    舞台が満ちる中で、
    働き蜂が女王蜂に抱きしめられる時、
    聴こえてくる羽音にぞくっときました。

    自らが意図しないものまでを女王蜂に奪われたそのあとに、
    蜜を失ったような愛を語り始める
    終幕の二人の会話の質感もすごく研がれていて。

    シャッターを叩く音が
    二人の想いを観る側に
    打ちつけていくようにも感じて。

    役者たちも常ならぬものを感じるほどに秀逸で、
    前回公演に続いて非常に印象の強い
    出色の舞台でありました。






  • 満足度★★★★★

    面白うて やがて哀しき 恋愛譚
    過去に観た2作が(大リーグボール級も含む)変化球だったのに対して今回はド真ん中の剛速球、吟ずれば(笑)「面白うて やがて哀しき 恋愛譚」、序盤は「え、まさかラブコメ!?」なほどに笑いも多く、がしかし、次第に恋愛特有の切な~い感覚が強くなり、身につまされてしまうという…。
    裏切られてもまだ相手を信じる「まっすぐな」朔太郎には往年の自分自身を…すみません、ウソです(爆)「かくありたかった自分」を重ねて観ていたりもするから感情移入しすぎてまるで擬似体験、みたいな。
    また、メイド喫茶のシーンなぞもともとユーモラスなのに、取材に行っている成島主宰の姿を想像したら、より頬が緩んでしまって…
    (後で聞いた話では主宰のみならずキャストも一緒で、全員癒されたとのこと)
    あと、映画音楽っぽい曲の使用(実際は映画音楽は1曲だけだそうで)や朔太郎が映研であるという設定もあり、全体的に「映画っぽいなぁ」と思っていたら、本作は映画のシナリオとして書かれていたものを舞台化したとのことで、あぁ、それが一番の原因か、なんてことも。
    恋愛ドラマでありながら、劇団競泳水着とはまた趣を異にする1作、面白かったなぁ。

  • 満足度★★★★★

    繊細かつ大胆で神秘的
    非常に繊細に作られている舞台だと感じました。それでいて、見せるところは大胆に作品中に存在していて、非常に好感が持てました。

    後半からの圧巻の展開もすばらしかったですが、前半の張り巡らされた隠喩の緻密さにも感心しました。聞き逃してしまうほどの普通の台詞に対しても奥深さを感じましたし、時折挟まる詩的な台詞も、聞き応えがありました。

    ネタバレBOX

    主人公と店長が、一瞬だけ心が通じ合う瞬間、2人がはちみつの中にいるように見え、何とも言えない感覚になりました。
  • 満足度★★★★★

    ブラボー
    簡単に言えば、はちみつ屋で働く大学生と店長が、それぞれ恋をして恋に破れる物語。
    それぞれ貢がされるだけ貢がされ捨てられるという悲恋話だが、何のために生きるのか、しあわせとは何か、人は何に価値を見出すのか、といったことを考えさせるような部分もあり、とっても好みの筋立てだった。
    シーンや台詞だけでなく、一つ一つのアクションも大切に演じられており、照明や効果音と相まって素晴らしいステージを構成していた。
    セットはかなり変わった形をしていたが、いろんなところから出演者が出入りできるようにとか、高低差を出すことによりほぼずっと板付で後ろでいろいろ何かしている店長の動きなどが見えるように工夫してあるみたい。

    この公演は見て損はないと思う。
    私はもう1回見たいと思ったけど、時間の都合がつけられないので断念。

  • 満足度★★★★★

    物足りなさがしっくりきた
    無神経も無関心も無意識も依存も卑怯も美徳も優しさも、ちっちゃいスプーン1杯分。

    この物足りなさがしっくりきた。それゆえにもう1杯舐めてみたくなるライフイズビューティフル。

    ネタバレBOX

    偏見や甘えや欲求を、スプーン1杯分くらい意識して、そこから眼鏡のレンズ1枚分くらいの距離を置いて共に暮らしている。

    すきなもの、きらいなもの、こわいもの、いとしいもの、全部、当たり前に少しずつある。

    善悪とか勝ち負けとか是非じゃない。

    声高に主張して思想を肯定しない。

    誰もイイ人じゃないのに清々しい。

    ちっちゃい世の中が好きだ!
    一瞬思い出すくらいの青春が好きだ!
    一瞬憧れるくらいの未来が好きだ!
    一瞬なぐさめあうくらいの距離が好きだ!

    非常に草食系。

  • 満足度★★★★

    こゆび侍のくすぐったさ。
    (※舞台芸術アワード用の登録。本文は後から書きます)

  • 満足度★★★★

    映画を見ているようだった
    普段遠慮する恋愛物だったけど面白かった。
    演者と役柄にミスマッチがなく、違和感なく楽しむことができた。

    映画を見ている感覚に陥っていたので、もともとは映画脚本だったとあとから聞いたときは驚いた。
    主人公にはわからないが、観客は演者の仕草などで展開がある程度読めたり、と客観的に見ることができたからかだろうか。
    転換での音楽の使い方も、映画でいえばセリフはないが主人公があるところへ一所懸命に走っているようなシーンを思わせた。

  • 満足度★★★★

    実に
    面白かった。脚本、演出、役者の配分が素晴らしい。

  • 満足度★★★★

    愚かな働きばち
    盲目な愛の話。

    愛する相手からは愛をまっとうに受けられないと分かりつつも、のめり込んで自滅するはちみつ屋店員ふたり。

    短い時間に良くまとまった物語で、それぞれのキャラが立っているため見ていて入り込みやすいし、主役ふたりの愚かな行動と分かっていても止められない姿が分かるような、痛いような感じで見ていて気持ちを揺さぶられるのでした。

    ネタバレBOX

    ニーナの憎々しい存在感とそれに利用されていると分かっていつつも入れ込んでしまう朔太郎の痛い気持ちが丁寧に描かれています。

    間違って「あいたい」とメールしてしまったと言って朔太郎に会いに来させたり、先輩のために風俗で働くからサヨナラだね、と朔太郎の自宅へ来ては寝て、50万円と大事な朔太郎の撮った映画を盗んだり。
    本当にひどい女だし、見ていてニーナにも朔太郎にも「いい加減目を覚ませ!」と思ってしまうのが、それだけこの舞台にひきつけられた証拠かな。

    こゆび侍さんは初めてみました。
    もっと分かりづらい話をやるのかと思っていたけど、思っていた以上にシンプルで分かりやすく、楽しめました。

    ただ、見終わると何か物足りない感じも残る。
    それが何かは自分でも良くわからないのだけど。

    あれだけの事件があって、自分の才能と仲間の信頼を売ってまでして裏切られたのだから、あそこで終わらないでもう少し続きが見たかったし、もっと主人公の感情が揺さぶられて良いんじゃないかと思ったけど、そこを敢えて軽く見せているのが今の若い人の感性なのかな?
  • 満足度★★★★

    眼福ななかでも
    やっぱり、そうだろうなという役のハマカワすごい

  • 満足度★★★★

    くびれた小指
    初見の劇団でしたが、王子の空間をとてもよく生かしていると思いました。
    俳優さんも非常に真摯にお芝居と向き合っていると感じました。

  • 満足度★★★★

    キャストを信頼して書いた脚本
    やっとこゆび侍、初見できました。
    想像していた通り、成島作品は肌に合いました。
    物語自体は、複線も含めて、予想できる展開ではあるものの、随所に光る台詞が散りばめられ、かなり好きな作品でした。

    主役二人の演技が素晴らしかった!シャッター叩いて泣き喚く場面、役者さんの演技が良くないと、どうしようもなく白けるシーンになりそうなのに、二人を信頼して書かれた脚本なんだろうなあと、変な部分で感涙を誘われました。

  • 満足度★★★★

    かなりよかった。
    音楽の使い方が全体を通してすごくよかった。
    今も頭に残ってるくらいに。

    そして、
    台本を買ってしまったくらいにストーリーが良かった。

    ネタバレBOX

    心に残るセリフがいくつかあった・・・

    けれどとりあえずひとつ、こんな内容のものを。

    一匹の働き蜂が一生で作る蜂蜜の量は?
    ティースプーン一杯分。そしてその全てを女王様に捧げる。

    いいセリフだ。
    働き蜂にはなりたくない。

    ニーナ・・・愛すべき存在だった。
    女性って結局、多かれ少なかれ彼女のようなものだと思った。

    勉強になる作品だった。
  • 満足度★★★★

    一週間以上経ってしまいましたが
    面白かったです。

  • 満足度★★★★

    初見でした。
    佐藤みゆきさん目当てで、初めてこゆび侍さんを観ました。

    観終わったとき、これは感想の賛否分かれるだろうと思っていたけど、、、
    やはりね。( ̄ー ̄)

    ネタバレBOX

    貢ぐ(都合の良い)女。納得ずくで。好きだから。

    それを利用する男。(でも妻には君が一番だと言う・・・)

    その妻。

    愛し合う夫婦。

    好きだという気持ちをまっすぐ伝える学生。

    尽くすだけの男。わずかの可能性を信じて。好きだから。

    自分に尽くす男を利用する女。

    その女に慕われる男。。。

    それぞれのキャラクターの想いや考え方は、すべて愛ゆえ。
    無茶な考え方や言動も、好きだから。もう仕方ない。
    (自分が好き。相手が好き。それは人それぞれ)

    どのキャラクターの想いも、
    自分(観ている私)も多かれ少なかれ、持っているもの。

    それが、それぞれをハッキリと際立たせてキャラクター化されているから、
    誰が言うことにも、心地よく同調できてしまう。

    観終わったとき、しばらく現実に戻りたくなくて、席から動きたくありませんでした。

    幸せな人、片思いの人。
    観ている人の立場で、賛否の分かれる作品だろうと思いました。
    ちょっとつらい恋をしていたりすると・・・切ないかも。
  • 満足度★★★★

    踏まれても、微かな温かみあるラスト
    女王蜂(オスも居るみたい)にセッせと全てを与える働き蜂
    そんな2人の主人公、一見強そうなはちみつ店の女店主「有希子」
    踏みにじられっぱなしのバイト学生「山岡」
    山岡の視点がメインですが、どちらも落とされ・罰を受け痛い展開
    2つの不毛な恋愛の終焉でしたが、そこに希望ほどではない
    温かい雰囲気が感じられました。
    有希子の3度目の(4回は言ってないと思う)言葉にドキリとした
    ラストが印象に残りました。でも好みは分かれそうですね~
    でも小劇場作品としては初心者でもお勧めしたいです。
    ネタバレは、TBの方で

  • 満足度★★★

    蜜色
    はちみつ食べたくなりました。

    ネタバレBOX

    「小松さん」の有無を言わさぬ説得力が面白くて、
    ふわっと投げられちゃうさくちゃん、頑張れ、と思いました。

    ラストのシーンの蜜色の感じが素敵でした。
    劇的な展開もセリフも、なんとなくうっすら蜂蜜がけという感じで、
    不思議とちょっと刺激も控えめという感じ。
    物足りないと表現することも出来ますが、悪い意味ではなく、
    それはそれでいい具合だな、と好感を持ちました。

    花屋夫婦の、幸せで甘くていや~な感じが印象的でした。
  • 満足度★★★

    はちみち
    見てきました

    ネタバレBOX

    王子小劇場が比較的家から近いので見てきました。

    「元カノ」今は新しい彼氏持ち

    「妻」のいる男性

    何かかが違えば幸せ…でも、なにも間違わないから不毛。

    他人の不幸はみつ味か。

    店長さんも青年もどちらも他人ですが、はちみつでは無かったなぁ…かわいそうだった。

    映画を見ているかのようでした。
  • 満足度★★★

    本物?
    広がりと奥行きを感じさせる立体感のあるセット。開演と同時に客席通路を使って演技が始まるなど、ちょっとワクワク。

    内容は、チラシに書いてあるとおり。世間によくある話し。気になったのはそれぞれのエピソードがちょっと大げさ過ぎる表現ではないかな・・・・。

    途中、暗転時の効果音が大きすぎて耳が痛かった。反面、ガラス瓶を割るシーンでは音が聞こえなかったりと、SE面で惜しいところがあった。

    セットの一部にもなっていた商品(ハチミツ)はすべて本物だったのか?それがず~っと気になった。

  • 満足度★★★

    主軸がぼやけてるかな
    主人公は、はつみつ屋の店長とそのバイトだとはわかるのだが、物語自身はぼやけてるというか、主軸がわかりづらかったかな。
    もしかしたら、主人公達もなんだかんだ言っても、働き蜂と変わらないというのを見せたかった、伝えたかったのかな??
    (だとすると、そう感じたのは確かではあるが)

    ネタバレBOX

    役者陣は非常に好演でした。
    山岡朔太郎を演じた安藤理樹は、バイトで映画監督を目指してるが、その一方、ラスト前まで何があっても一途の愛が変わらないのを見せてくれたし、
    佐藤みゆきの、ちょっとオバちゃんも雰囲気がよく出てました。(ただ、設定年齢よりもっと上に見えたがww)
    また、山岡が運命の人と信じる、霧島ニーナ(ハマカワフミエ)は、小悪魔的な演技から悪魔演技に変わる部分は、ゾクッとさせられました。
    後、遠藤友香理は、前作のカムヰヤッセンとは全然違う役で、でもホントにリアルでバイトでもやってそうな(笑)見事な役を演じてました。
    (まあ、ある意味飛び道具だなww) 

    しかし、暗転後のあのビンの散らかりようはお見事です。

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