実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/02/25 (金) 14:00
座席I列5番
d-倉庫の「正午の伝説」フェスティバル以来5年ぶりとなる別役作品、特徴的な「無駄に理屈っぽい台詞」の洪水に身を委ねる。
また、縦型ブラインドのような10センチ幅くらいの帯状のものを天井から床まで垂らして舞台を囲み出ハケを自在にしただけでなく途中でその中のLED(?)を仕込んだ2本をブランコのように使う舞台美術も印象的。
実演鑑賞
満足度★★★
別役劇は知的でドライな抽象的遊戯的詩的なものだと改めて発見した。今作はそもそもがナンセンスな「不思議の国のアリス」なのだから、多少の不思議は気にならない。サーカスの団長の父(イワヲ、ロイドメガネが似合う)と娘アリス(紅日毬子)をめぐる因果の糸が最後はほどかれて、意外とわかりやすいとさえいえる。砂漠(=流刑地)での死刑執行はカフカを思わせた。休憩なし2時間10分
「雨が空から降れば」が別役の詩とは知らなかった。この舞台で聞けたのは意外な儲けものだった。
ダンサーであるスズキ拓朗の演出は、まず期待通りだった。とくに、兄(小林七緒)の空中ブランコのシークエンスは、小林の体が次々宙に浮かび見事だった。また、音楽とともに、「後ろの正面だあれ」よろしく、人々が横へスライドしていく場面も印象的。最後はみなロイド眼鏡の父になるイリュージョンも面白い。下半身だけのマネキンを宙づりさせ、上半身は床の穴から突き出すのも、不思議な浮遊感が感じられた。
実演鑑賞
満足度★★★
母が森ようこさん、姉が山丸莉菜さん、アリスが紅日毬子(あかひまりこ)さん。自分の為にキャスティングしてくれたのかと勝手に思い込んで観ていた。歌にダンス、三方の幕に入った無数のスリットから飛び出す小道具。大きな脚立は死刑台にもなり、トランプのスートが入った大量のパイプ椅子は高く積まれて曲芸にも。下半身だけのマネキン、奈落を使った逆さまの上下感覚。童謡を器用にアレンジして白日夢を游ぐ追体験。曲と詩が抒情的で、投影される映像もセンス抜群。
郵便配達夫のチカナガチサトさんが小さくて可愛い。遠近感が狂う程、小顔。
死刑執行人、丸山厚人(あつんど)氏は美声、長身でカッコイイ。『続・荒野の用心棒』のジャンゴみたい。
ヴァイオリン弾きの田村龍成氏の華麗な演奏は最高、ずっと聴いていられる。
音楽担当も兼ねている諏訪創(そう)氏のドルサイナ(チャルメラ)演奏も素晴らしい。屋台のラーメン屋の呼び込みメロディーがジャズ調にアレンジされて哀愁を漂わせる名曲に。
ピアニカ(?)の清水ゆりさんに異常に見覚えがあるのだが、何の作品が思い出せなかった。調べてみると『ぞうれっしゃがやってきた』。その時も楽器多用で見事な演奏。
山丸莉菜さんが最高に可愛かった。御手製のフェルトの靴も素晴らしい。
石炭を積んだまま、砂漠に忽然と消えたキャラバン隊。その行方を探し続ける探偵(伊藤俊彦氏)。
父親(イワヲ氏)は嘗てブランコ乗りで失敗して地面に落下。人事不省の一週間を経た後、気付くとピエロになっていた。
永井豪の傑作『手天童子』を思わせる話だった。
実演鑑賞
満足度★★★★
流山児委託劇団協公演ちゅう事で、あとCHAiroiPLIN「FRIEND」を痛恨見逃したリベンジ的な意味で、拝見。そう言やスズキ拓郎氏演出の舞台は久々で、氏のエンゲキの「過剰さ」が苦手な回があった事を思い出すが、真逆に絶賛する向きも必ずいて、感性の違いを如実にあぶり出す所が興味深かった事も思い出した。
恐らく「過剰」の理由は、舞踊作品の場合であれば物語の抽象化によって大胆に「抄訳」されるのに対し(上演時間も短くなる)、拓郎氏の欲するエンゲキでは、戯曲に即して進むところへ舞踊の要素が追加盛りとなるため、ボリューミーになってしまう。舞台上の意味的な重複が生じている感じというか。。
ちなみに冒頭は戯曲のト書きにある作者の哲学的な文言がリフレインされる、おかしげなムーブが秀逸で期待感は最大値に。
だが別役実の多登場人物の戯曲(初期作品)を、クロスオーバーなアレンジで通すのは一筋縄では行かない。別役戯曲を「借りた」舞台にはなっても、戯曲そのものの魅力が表現されていたかどうか。。
声から特徴ある丸山厚人は、以前くちびるの会だったかに出演した(共演に確か橘花梨が居たような)時初めて観て、なかなかのインパクト、はまり役(アングラ系?)を与えればいい仕事しまっせな風情だったが今回はどうだったか。装置演出諸々、アイデア豊富で気張っているのに、それぞれが今一つ「活きない」後手に回った印象を残像に残して行くという塩梅で(それがため声量のある丸山氏が悪目立ち?)、ただただ役者たちは走り回り動きをこなし、沈没せずにどうにか航海し終えたという所。
ラストに向かっては紅日女史が長く登場して本領発揮、色彩の統一感が漸く生まれ、「終わりよければ」と相成る。だが肝心の物語の方はいまいち伝わって来なかった。「核が見えない」というのが言い当てているだろうか。
拓郎氏的には、安部公房「友達」の後の別役初期作。不条理劇の土壌を用意したとも見える安部公房の「友達」を、別役氏はかつて詳細に分析して「不条理劇が目指されているのにそうなっていない」(意訳)との批判を展開したが、社会の不条理を映した「友達」(ストーリーがある)と、別役戯曲の構造自体が持つ「不条理」とは次元が違い、要は難しい。・・正確に言えば、私が望む別役戯曲の理想形にするには、難しい。
実演鑑賞
満足度★★★★★
#紅日毬子 #イワヲ
#森ようこ #山丸莉菜
#小林七緒 #田村龍成
#清水ゆり #山下直哉
#佐野陽一 #丸山厚人
#伊藤俊彦 #チカナガチサト
(敬称略)
何度か観てきた今作。いつだってどことなくアンティークでアングラな空気があった。今回はその空気感はありつつも、ポップさが増し淫靡さは薄れ親しみやすい作品に仕上がった。展開もスマートになり、不条理の条理が通った気がした。
特に前半はスッキリとした印象で、キャストも演じるのが楽しいだろう。
チャイロイプリンのスズキ拓朗さんの演出が進化し続けている。
いま最も観ていて楽しい作品を提供してくれる演出家ではなかろうか。
今作の最大の演出効果は、対極にあるモノの融合。
出る=入る、上=下、北と南……。
特に、上下に分けた胴体で天と地が結ばれたことで、限られた演技エリアが無限に広がった。
ダンスと音楽の効果はスズキ演出の両輪。
今回、諏訪創さんの歌のアレンジが秀逸。『かごめかごめ』の変化はサイコー。チャイロイプリンの音楽を担当する清水ゆりさんが今作にも出演し演奏されているが、あの表情と演奏の功績は大きい。
『かごめかごめ』のぐるぐるダンスが大好きだし、空中ブランコを再現する人海戦術を駆使したパフォーマンスも見事だった。
金の兵隊の丸山厚人さん、郵便配達のチカナガチサトさん……キャストにそれぞれ見せ場があり、みなさんが演ずることにやりがいを感じているに違いない。
人は誰だって人生が豊かになることを願う。
それを……信じていないワケじゃない。
人生を辞めるわけにはいかない。
人生を降りるわけにはいかない。
世界が不条理に溢れていても。
世界のどこかで戦争が始まり、どこかの国が存続の危機にあるなら、
声を上げなければ。
いま観るべき舞台が、確かにそこにあった。
実演鑑賞
板上で舞い踊っている言葉と、外から吹き込んでいる風向きが、うずまき、突拍子もない情緒が生まれていました(あくまで観る側の話ですが)。
失ったり、奪われたり、そういう気配に気付いてから、漸く目覚める。とか、嫌ですね。
ほとんどの事、だいたいそうなんですけと。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/02/24 (木)
価格4,500円
24日19時開演回(125分)を拝見。
ルイス・キャロルの原作とは全く別物の別役実作品。
処刑の運命に陥った父親を捜して彷徨うアリス。どこか自分の家族に面影の似た人々との出逢いを重ねるうちに、彼女は自身が何者かを気づくことになる…。
CHAiroiPLIN(チャイロイプリン)主宰のスズキ拓朗さんの演出のおかげか、敢えて小難しくストーリーを追わずに、唄や演奏、ダンスに心和ませながら、素直に劇の流れに身を委ねることが出来た。
さて、125分以降のアリスは一体何処へ向かっていくのかな?
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日本劇団協議会「不思議の国のアリス」紅日毬子の愛らしいアリス。彼女にとって宙吊りでも抱き留められるものなら、きっとそれは愛せるもの。別役実おなじみ空中ブランコ。ブランコ乗りの矜持。空中にある=架空に存在する。死刑執行人は空白に配線する。王国は砂漠に。喜劇役者のキャラバンはデラシネ
2年以上前
(承前) KAATカナガワ・ツアー・プロジェクト『冒険者たち~JOURNEY TO THE WEST~』 名取事務所『ペーター・ストックマン~「人民の敵」より』 日本劇団協議会『不思議の国のアリス 五幕と二つの幕間小景』 ほりぶん… https://t.co/mYXeXomNU9
2年以上前
日本劇団協議会 『不思議の国のアリス~五場と二つの幕間小景~』 2月23日〜27日 於:下北沢ザ・スズナリ 全公演、奇跡的に、無事に、幕! 普く凡ての皆樣、森羅万象に、最大の愛と感謝を!! だいすき。 叉、おたよりします。… https://t.co/pke464ZjPg
2年以上前
日本劇団協議会『不思議の国のアリス~五場と二つの幕間小景~』下北沢ザ・スズナリ観劇終了!別役実さんの台本をスズキ拓朗がとても演劇的に創造性豊かに演出・振付して見事に不思議の国のアリスを具現化してました。素晴らしいの一言。堪能! https://t.co/fZ3LhTTiFn
2年以上前
日本劇団協議会「不思議の国のアリス」 好きなタイプの演出 歌に演奏に映像にからくり時計のようなパフォーマンス 砂漠のサーカスと共和国と王政と あのアリスのような狂騒が続き道理はひっくり返り好奇心が暗い穴の中を覗き込む 夢の中というよりも目が冷めたら劇が終わってしまうような感覚
2年以上前
【実測上演時間情報】日本劇団協議会「不思議の国のアリス」:(3分ほどの押しを含まず)125分(2月25日マチネ=3日目:中日・全7ステージ中3ステージ目) https://t.co/8oiZ3sDGlL #実測上演時間情報 #不思議の国のアリス2022
2年以上前
【実測上演時間情報】日本劇団協議会「不思議の国のアリス」:(3分ほどの押しを含まず)125分(2月25日マチネ=3日目:中日・全7ステージ中3ステージ目) https://t.co/GHAOSvyOKY #実測上演時間情報 #不思議の国のアリス2022
2年以上前
ザ・スズナリなう。日本劇団協議会「不思議の国のアリス」すーん♪ I列5番、メインブロック後方(8列目)通路際の席である。
2年以上前
「おや、戦争があった」という台詞でこの芝居は始まります。悲しい「現実」世界の中で別役実の不条理演劇のコトバがゴロンところがる。そして、そこにニンゲンが「いる」。ある種の全体のある種の部分、ある種の機能。👁砂漠の虚構の共和国へ👁 2… https://t.co/d2rOMTuQxD
2年以上前
アメブロを投稿しました。 『日本劇団協議会『不思議の国のアリス 五場と二つの幕間小景』』 https://t.co/xbqDbbNBGg #アメブロ #不思議の国のアリス #紅日毬子 #イワヲ #森ようこ #山丸莉菜 #小林七緒 #丸山厚人
2年以上前
日本劇団協議会『不思議の国のアリス』。冒頭からこれ好きなヤツ!と分かる作品だった。少年王者舘っぽい振付なんかもあったし、丸山厚人さんは美声を聞かせてくださるし。週末、予定が立て込んでいなければおかわりするところなんだけどなー。27… https://t.co/s9bffOCsZ8
2年以上前
今夜はザ・スズナリにて日本劇団協議会『不思議の国のアリス』(作:別役実、脚色・演出・振付:スズキ拓朗、芸術監督:流山児祥)。 https://t.co/MI4KryiIP3 #theatre2022
2年以上前
【情報共有】ザ・スズナリの日本劇団協議会「不思議の国のアリス」、受付開始は開演の45分前、開場は開演の30分前。(全席指定) https://t.co/VDaBiwdohT #受付開始タイミング #不思議の国のアリス2022
2年以上前
【情報共有】ザ・スズナリの日本劇団協議会「不思議の国のアリス」、受付開始は開演の45分前、開場は開演の30分前。(全席指定) https://t.co/FXG77UhzmH #受付開始タイミング #不思議の国のアリス2022
2年以上前
『不思議の国のアリス』最終通しです!2回目のPCR検査・全員陰性。2カ月間、様々な事態を乗り越え『奇跡』のようなスズナリ入りです。 ★砂漠の移動サーカス、虚構の共和国へ★ 2月23(水)~27(日)@スズナリ 『不思議の国のアリス… https://t.co/6bq5o1Ogrw
2年以上前