公演情報
「ガラクタ」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★★
2024年11月の再演、上野ストアハウスで。
見逃していたので再演はありがたい。原発の「ゴミ」、高線量の放射性廃棄物の地層処分がテーマ。文献調査に手を挙げた北海道の自治体を舞台に、原発マネーで賛成派と反対派に分かれて街が分断される様子を描いた。
NUMO(ニューモ)が実名で出てくるのがおもしろい。地震国の日本に地層処分の適地があるとは常識的に考えられないが、適地を日本地図に落として自治体の手上げを待つなどというやり方で核のゴミを処分するのを「将来世代への責任だ」と言い張るニューモの担当者のせりふが利いている。
スナックと料理店という、地元の人が集まる場所に勤める人たちを登場人物にしたのがとてもいい。日ごろは同じ地元住民として仲良くやっているのに、放射能は怖いかもしれないがとにかく賛成、こんなものを地元に作らせたら破滅だと考える反対派に分かれ、「反対派の店」「賛成派の店」に分かれてしまう。原発マネーの罪深さをうまく浮き彫りにしている。
期待通りの切れ味で、再演を観られてよかった。トラッシュのファンでない人も、日本の原子力政策のいいかげんさを分かりやすく知ることができる。ぜひ見てほしい。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/11/26 (金) 14:00
現在進行形、もしくは、現在進行形+近未来の様子を描くのが得意な劇団ですが、今回は近未来はほとんどなく、ほぼ前者のみ。賛成反対両論併記的な内容もいつもの通り。今回もいろいろ考えさせられました。10年くらい経ったらアップデート版も上演して欲しい。
実演鑑賞
満足度★★★★
#中津留章仁 #星野卓誠
#倉貫匡弘 #森下庸之
#長谷川景 #みやなおこ
#石井麗子 #岩井七世
重厚なテーマに真っ直ぐに挑んだ作品。主宰の中津留さんは、こうした社会問題に鋭く切り込む。今作もきっと、再演を繰り返し、更に強固な作品になるに違いない。
石井麗子さんが抜群だった。目当ての岩井七世さんも好演。彼女を観ながら、知人の新聞記者のことを考えた。新採用で自ら希望して東北の被災地に赴任し、精力的に取材していたあの娘のことを。
世の問題に正面から挑んだ秀作であるのは間違いないけれど、台詞にも演技にも改善する余地はあるように思う。重い話題であるにも関わらず、演技が滑稽に見えて笑いを堪えた箇所が幾つか。
個性の強いキャストが大きな役を複数演じるのはちょっと厳しい。
ラストの収め方は、現代の世相をよく反映している気がした。結局そっちかい……という、ほ〜らねって。だからこそ、何度も手を入れながら再演してほしい作品だと思う。
実演鑑賞
満足度★★★★
北海道の漁村の核廃棄物廃棄場受け入れの可否をめぐる政治劇だ。
いずれ、国としては必要なものだから調査だけは受け入れて交付金を受け取ろうという町長(森下庸之)指導の受け入れ派と、放射性物質反対の反対派(星野卓誠)が対立して、小さな二千八百人の町が分断する。現実にある話だから、描写は一方的、教条的ではないが、やはりドラマとしては浅い。ことに村出身の記者(岩井七世)が出てくると、その設定も甘く、キャンペーン風になってしまう。
簡単に言えば、長い時間に耐える正義・正論か、目先の金か、という議論になるが、それは、原子力のような科学に基づくものでなくとも、歴史の中では幾つも起きてきた。どこでも見られたことでは廃藩置県にはじまり、鉄道駅の設置。教育機関の設立。などの是非で全国的に見られた地域内対立で、その時に起きた議論とあまり進んでいない。どちらの側も、それぞれを正当化する大きな思想というか、モラルが見つかっていないので、どうしても現実の生活レベルで落としどころを見つけることになる。どちらの側も根本には過疎地の貧窮化があるのだが、促進派は将来の繁栄期待、反対派は技術進歩による無効化で、どちらも、実はどうなるかわからないところで戦っている。これも昔とあまり変わっていない。時間に対する確固たる信念に乏しく、また社会に対する構想力が浅い国柄が反映する。ドラマの中の議論も上滑りするし、登場人物の、それぞれの事情も類型的になるし、演技も引きずられてしまう。
作者もそのあたりはよくわかっているようだから、新鮮な視角で見せてほしいものだ。
「背水の孤島」のような素材はそれほどあるわけではないが、観客はあの作品の衝撃を忘れていない。
実演鑑賞
満足度★★★★
TRASHの舞台もほぼ毎回の観劇、心酔しきってる訳ではないがつい観てしまうのはこの劇団の(というか中津留氏の筆致の)癖(ヘキ)を差し引いても得る所のある故だ。
今回も面白く観た。構造はシンプルで芝居も観やすく、「う~むちょっとこれは」という台詞も少なかった。役の数もこの位がちょうど良い(6人で8役)。ワン・イシューだが飽きさせず、日本の将来に関わるテーマでもあり、過疎地での「ウイルス感染症」の影響という形で経済問題に触りながら、メインテーマを掘り下げている。
立場の違い、人の分断と繋がり、理念の衝突と、対話・・地方の政治には国政の縮図も見られるが、国政との違い(地域性)に作者は希望への糸口を残して物語を終わらせている。
俳優陣ではナカツル・プールヴァール「おかめはちもく」に出演した岩井七世が綺麗どころで目を引き、庶民的悪役を存分に演じるみやなおこ、根のよさが滲む町長(森下)、先輩を慕う昔気質な漁師(長谷川)らが脇をにぎわし、観客がその目線に近づく(主役に近い)役として料理屋の夫婦(星野、石井麗子)、役所勤めの青年(倉貫)が堅実な所を押さえてバランスが良かった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/11/22 (月) 19:00
社会派として知られるトラッシュが、今回は、核のゴミ最終処分場の受け入れを巡って分断される町を描いた。面白い。観るべし!65分(休憩10分)78分。
北海道寿都町をモデルに描かれたフィクション。核のゴミを受け入れるのかでモメル町の人々、調査だけやって実際は作らないと言う町長、町を出て記者として戻ってきた反対派夫婦の娘、等々、わずか7人の役者で9人の登場人物を演じ、描かれるのは壮大なドラマなのである。核のゴミの問題を扱っているようで、実は、大きな力(例えば、国)で分断される小社会を描いているのだと思う。同じことは、ここだけでなく、例えば沖縄・辺野古などにも起こっていると言えそう。いつもながら笑える場面は少なく、緊張がほぐれる場面で思わず笑いが起こるが、途中から笑ってる場合じゃないな、と思った。2時間半が全く長く感じない。
役者陣は充実しており、今回も、みやなおこの壮絶な演技がすごくいい。指定席なので、席は選べないが、下手に座った人は2幕1場のみやなおこの演技に注目すべき。彼女と長谷川景の、駄目な感じが特にいい。ただ、漁師の松下と原子力機関の矢口を同じ長谷川景が演じたのは、やや残念。この時期、多くの役者を使いたくないのは分かるが、連続する場で同じ役者が演じるのはちょっと…。また、今回トラッシュ初登場の岩井七世の感じが新鮮。
この長さだと初心者にはお薦めしにくいのだが、あえてオススメする。
実演鑑賞
満足度★★★★★
2時間40分の大作だったが、あっという間の公演時間だった。それほどまでに集中して、のめり込んで観たお芝居だった。
原発廃棄物の処分場という問題について、自分だったらどう考えるかと、観劇しながらずっと考えさせられる。観終わった後も、いい意味でずっと心がザワザワする作品だった。
実演鑑賞
満足度★★★★
原発廃棄物問題を題材にしたシリアスな話なのだけど、ああ言えばこう言う的な会話が妙に面白い。それにしても「肌感覚」とは上手いフレーズ、今度使ってみよう。
実演鑑賞
満足度★★★★★
当事者だったら自分はどう言う選択をするのだろうと思いながら見ていたら、すごく苦しくなりました。
舞台の両側に並ぶ「ガラクタ」が不気味でした。