実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/11/22 (月) 19:00
社会派として知られるトラッシュが、今回は、核のゴミ最終処分場の受け入れを巡って分断される町を描いた。面白い。観るべし!65分(休憩10分)78分。
北海道寿都町をモデルに描かれたフィクション。核のゴミを受け入れるのかでモメル町の人々、調査だけやって実際は作らないと言う町長、町を出て記者として戻ってきた反対派夫婦の娘、等々、わずか7人の役者で9人の登場人物を演じ、描かれるのは壮大なドラマなのである。核のゴミの問題を扱っているようで、実は、大きな力(例えば、国)で分断される小社会を描いているのだと思う。同じことは、ここだけでなく、例えば沖縄・辺野古などにも起こっていると言えそう。いつもながら笑える場面は少なく、緊張がほぐれる場面で思わず笑いが起こるが、途中から笑ってる場合じゃないな、と思った。2時間半が全く長く感じない。
役者陣は充実しており、今回も、みやなおこの壮絶な演技がすごくいい。指定席なので、席は選べないが、下手に座った人は2幕1場のみやなおこの演技に注目すべき。彼女と長谷川景の、駄目な感じが特にいい。ただ、漁師の松下と原子力機関の矢口を同じ長谷川景が演じたのは、やや残念。この時期、多くの役者を使いたくないのは分かるが、連続する場で同じ役者が演じるのはちょっと…。また、今回トラッシュ初登場の岩井七世の感じが新鮮。
この長さだと初心者にはお薦めしにくいのだが、あえてオススメする。