ダウト 〜疑いについての寓話 公演情報 ダウト 〜疑いについての寓話」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-11件 / 11件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    脚本と翻訳がすばらしい上にキャスト4人の実力で、舞台にずっと引き込まれる力のある作品でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    これほど高水準の舞台にはそうそうお目にかかれるものではない。
    ところで最後のセリフ、あれだけでは観る人によってはその意味を誤解してしまうかも、という気がしてしまうが、それをもスッキリしない謎のままにしておく、という意図なのか・・・。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2021/12/04 (土) 19:00

    素晴らしい舞台でした!
    質の高いお芝居を満喫できました。

    最後はドキッとさせられ、考えさせられるストーリーでした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    2回目。
    観客の期待と熱気、口コミでどんどん盛り上がっていく正しい演劇ムーブメント。感謝。

    ネタバレBOX

    亀田佳明氏がどんどん魅力的に見えてくる。背を丸めて手帳に字をクチャクチャと書き込む姿。伊勢佳世さんとの夕暮れの中庭、ベンチでのシーンは美しい。『シスの復讐』のアナキン・スカイウォーカーのようだ。オレンジ色に世界は染まりカラスはカアカアと鳴き続けている。

    津田真澄さんの語る世界観人生観、そこから得た哲学が凄まじい。圧倒される。「貴方はお知りにならないでしょうが、それが世界なんです。」「卒業したらここであったいい事だけを持って行き、嫌な事は全てここに置いていくんです。息子にはそう教えました。」

    伊勢佳世さんのリアクションが少々オーバー気味か。余りに技巧派すぎて何をしても計算尽くに見えてしまう。ちょっと頭の悪そうな、抜けている天然女性のぼんやりとした目線が、二人の対決を見守る観客の目線とリンクしなければならない。映画版でこの役を演ったエイミー・アダムスはメリル・ストリープとフィリップ・シーモア・ホフマンという化物に挟まれて「ずっと吐きそうだった」と語った。那須佐代子さんと亀田佳明氏の人生を賭けた対決も、彼女からすれば余り興味の持てないどうでもいいことだったりする。そこがいいのだ。

    亀田佳明氏の目線から今作を紐解くと、当時はタブー視された同性愛者の物語とも取れる。同性愛者である事を肯定し、聖職者として隠しながら、同じ苦しみを抱えた少年にシンパシーを感じている。今となっては病気でも異常でもない、尊重されるべき一つの生き方だが、当時は時代が悪すぎて、忌むべき犯罪者のように扱われてしまった。そう読み取るとこの物語は更に混迷を深める。「言えないこともあるんです!全てを口に出せるとは思わないで欲しい!」

    ラストの那須佐代子さんの表情。

    原作者ジョン・パトリック・シャンリィ(映画版の監督も務めた)はこの作品を書く切っ掛けとなったのは「911後のアメリカを包んだ異常な空気だ」と語った。意図したものは勧善懲悪のスッキリとした物語ではない。登場人物も観客も誰一人スッキリはさせず、もやもやを抱えたまま帰途につかせる作品。ジョン・ゲーガン神父の児童性的虐待事件はモチーフに過ぎないのでは。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    素晴らしい役者さんによる素晴らしい会話劇。絶対のおすすめ。
    「CoRich舞台芸術アワード!2021」の一位はこれで決まり!
    ヴォンフルーさんのあおりに乗せられて良かった。ヴォンフルーさんに感謝。

    ネタバレBOX

    この劇は2004年に上演されました。その2年前の2002年に何があったかを「2002年 カトリック教会」で検索すると印象がかなり変わるかと思います。事態は校長が危惧したようにどんどん広がって行ったのです。
    『欧州代表的カトリック教国の「汚点」』:長谷川良 2021/10/7 という記事を検索して読めば最近の調査結果が分かります。
    誤解している人がいるようですがこれは神父による少年のレイプ事件であって、LGBTとは関係がありません。
  • 実演鑑賞

    めちゃくちゃ面白かったー!約1時間45分集中して考えて笑ってあっという間!!俳優上手いし戯曲巧みだし小空間贅沢だし終演後サービスのコーヒー美味しいしマジ至福。

    ネタバレBOX

    私が観た回の神父の印象は「真っ黒」でした。追い詰められて慌てる姿が滑稽で笑ってしまった。彼(ら)が必死で守ろうとする気持ちも少しは想像できるようになったかも。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    英語戯曲作品の翻訳・演出を得意とする小川絵梨子女史は本作でも本領発揮、題名が示すように疑惑の真偽を探るミステリーでもある本作の持つポテンシャルを最大限に引き出し緊迫感十分であった。主役、と言って良いだろうシスター(学校長)役・那須佐代子と、神父役・亀田佳明が疑惑を巡って火花を散らし、新人シスター(教師)役・伊勢佳世、生徒の母親役・津田真澄の貢献も目に焼き付いた。
    映画版を観た印象というのが今一つであったので、それほど期待はしていなかったが収穫であった。

    ネタバレBOX

    元々舞台のたに書かれた脚本で、映画版は作者自身が脚本化・監督し、脚本は映画仕様に随分書き直したらしい(web記事より)。ラストでどんでん返しがあったと記憶するが、それがうまくハマらず「おや?」と寒くなった。「破線のマリス」という邦画のラストで感じた論点ずらし(感動話にシフトしてしまい肝心の謎が置いてけぼり)に似た・・。
    だが舞台は微妙なニュアンスも含めて細やかに整理された演出で、ストーリーが明快に伝わった。
    ただし観客が最終的にシンパシーを寄せる校長の信念が果して「正しい」と言えるものか否かについては、多様性が言われる今は少数派にならざるを得ないのかも知れぬ。存在の承認こそが成長と発達の起点である、という私も信じている視点からすれば、校長の方針は「時代遅れ」とも。もっともこの芝居に関しては校長の判断が正しいとの仮説をとるが、ミステリーとしての面白さとは別に、ドラマは一つの問いを投げている。

    他の学校から転任(転職)してきた新人シスター(教員)に対し、校長が掌を加えず厳しく対する芝居冒頭のやり取りから見事で、「教え」「愛する」教員の仕事にやり甲斐を見出だす新人に校長は「要は注意深くある事」と言う。そこには万人に対する「疑い」が込められているが、今その最大の的が神父であり、中盤、そして終盤での校長による追及と反論する神父の厳しい応酬から「真相」が少しずつ浮かび上がる。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    #亀田佳明 #伊勢佳世
    #津田真澄 #那須佐代子
    正義、真実、純粋……それらは正しさとなり得るのかは、たくさん議論されていることだ。同時に、善と悪の対決は見た通りなのか、悪と善ではないのか。視点を変えれば見えるものも変わる。厳しさと優しさも同じことが言える。信じることと疑うことはどうだろうか。権力を持つ者は正しい行いと思想や判断を有するモノなのか。コトを詳らかにすることは虐げられた者を幸せにするのか。白と黒に色分けすることとグレーを受け入れることはどちらが幸福なのか。頭をフル回転させ自身の倫理観を問い続ける。圧巻の100分。結末がそうとは限らないけれど、終演後はなんとも清々しい。きっとそれは、ホンモノの俳優が四人、そこで生きてみせてくれるからに相違ない。一点の濁りもなく、そこで目の前の悪や不道徳や不条理と闘ってみせてくれる。映像であろうと舞台であろうと、お芝居に携わる全ての……いや、もう本当に全ての人に観てほしい。演劇の素晴らしさ、俳優の凄さがわかるはず。
    さて、教室で生きている者として、どれだけできているのか自問している。津田さん演じるアノ人の思いがジリジリと詰め寄ってくる。
    日本人は……いや、ワタシは、あんな風にキチンと議論できるだろうか。できてきたろうか。心許ない。ましてや地位や名誉や権力を有する相手と。誰とどういった状況であっても、冷静で物怖じせずに対処できる人間に……なれないけれど、なろうとする姿勢や気持ちを持ち続けたいものだと思っている。
    素晴らしい時間だった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    緊迫感がハンパない恐ろしい芝居だった。舞台60年代のアメリカのカトリック男子校。厳格な校長のシスター・アロイシス(那須佐代子)が、生徒にも信者にも人気のある気さくなフリン神父(亀田佳明)に疑いを持つ。生徒にイタズラをしているのではないかと。何の根拠もない。しかし、若いシスター・ジェームス(伊勢佳世)が、校長の疑いに影響され、唯一の黒人生徒ドナルド・ミラーが、神父と二人きりで話した後、様子がおかしかったと報告に来る。
    校長は神父を呼び出して問いただす。これも、逡巡し、嫌がるジェームスを説き伏せて同席させて。最初、クリスマス会の話題という口実を持ち出し、人気の雪だるまの歌も異教的だと批判する校長の「不寛容」を神父がネタにするなど、ユーモアもある。

    校長の追及に神父は「はっきりさせない方が生徒のためになる」と逃げていたが、ついに折れ、ドナルドがミサで隠れて祭壇のワインをのんでいたのが見つかり、それを庇っていたと説明する。しかし、校長は神父の説明に納得せず、執拗に神父の正体を暴こうと絡みついていく…

    血の通った人間なのか、正義と信念だけの塊なのか。厳格な正義と、寛容な優しさとの対決。那須佐代子なので、厳しい校長にも人間味が感じられる。しかし、神父に対する疑いは、言いがかりとしか思えない。不寛容な潔癖さが人間を追い詰めていくのは、魔女狩りの「るつぼ」を思い起こさせた。あるいは罪のない噂から無実の人間が追い詰められて行くリリアン・ヘルマン「子供の時間」とも重なる。アメリカの、左翼作家がこうした主題を度々描くのはなぜだろうか。大衆の誤まれる一方的行動への恐怖を身近に感じることがあるのだろうか。

    ドナルドの母と校長のシーンでは、そっとしておいてくれという母親と校長の狙いがぶつかる。ここでも家庭の秘めた事情と、生徒の意外な素顔もわかってきて、一層、校長のやっていることは平穏をかき乱すだけに見える。それでも、校長は神父に「告白しなさい」「学校を出て行きなさい」と追い詰めていく。スリリングな1時間50分だっった。

    ネタバレBOX

    フリン神父が、「真実は曖昧で、さまざまな問題を孕んでいて、説教にむきません。譬え話がいいのです」という。この芝居のことを言っているようだ。校長が暴こうとする「真実」が人を傷つけるという意味で、あるいは、この芝居も譬え話だから人々に教訓を与えられるという意味で。この相矛盾する二つの意味で。

    神父と校長の対決で、神父は盛んに「司祭に言えば、あなたが辞めさせられる。出ていくのは私ではなく、あなただ」という。そうなるのかなと思っていると、大逆転で、最後は神父が出ていく。(司教に面談して、栄転という形だけれど)

    最後になってみると、もしかしたら神父には悪癖があったのかもしれないという疑いが残る。「全てを話すことはできないんです」と泣き言を言うところもある。校長が前任校のシスターに電話して、前科があることを掴んだ、というブラフを否定仕切らなかった。校長は「出て行ったことが、彼の告白よ」というが、そうとも言い切れない。神父にすれば、校長を追い出して、外で行動の自由を与えると、逆に自分への攻撃がエスカレートするので、自らが出て行ったとも受け取れる。どちらの言い分が正しいのか、曖昧という点では「アンチゴーヌ」のようでもある。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    シアター風姿花伝プロデュース公演は毎年良質な作品を提供してくれて評判となっている。
    今回の作品も劇場に入った瞬間からわくわくさせてくれる。
    物語の時代背景を一瞬で感じさせてくれる良質な舞台セット、そして夕暮れどきを感じさせる良質な照明。始まる前から期待度がどんどん高まる。

    開幕前に演出の小川絵梨子さんからプレビュー公演の説明がていねいにあった。われわれも作品作りに関わるんだという新たな喜びを感じた。新国の芸術監督がシアター風姿花伝という小さな劇場で手作り感のある作品をていねいに作っているということに感動し贅沢感を覚える。

    上質な会話劇。那須佐代子さんが自分よりはるかに年上であろう厳格な校長役を熱演している。役者と役者が舞台上で火花を散らしている状態が見応えある。これぞ演劇の醍醐味だ。

    ダウトという名前のとおり、人に生まれた疑いの気持ちがどのように増幅していくかをテーマにした物語。役者の魅力をたっぷりと味わえる素晴らしい作品。観終わった後、満足感が残った。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    プレビュー・序・破・急とチケット代は少しずつ高くなっていく。観るのなら、今すぐチケットを確保した方が良い。多分評判が評判を呼んで、なかなか取り辛くなるのでは。既に観劇後チケットをリピートしている人も沢山いた。演出の小川絵梨子さんが開演前の挨拶で「プレビューの観客の反応を見て更に演出を変えていく」と。ここまで完璧な作品を弄って一体千秋楽にはどうなってしまうのか?想像もつかない。重苦しいシリアスな話を細かなギャグを散りばめることで徹底的にエンターテインメント化。小川絵梨子さんのセンスが冴える。

    「キネマの天地」の女優っぷりに圧倒された那須佐代子さんだったが、今作は最早そんなもんじゃない。メリル・ストリープ(映画版で主演)やジュディ・デンチ、ジョディ・フォスターに並ぶ名演。「シアター風姿花伝」のオーナーとして、最高の仕事をこなしてみせた。
    対する伊勢佳世さんはジブリ顔の美人。細面の安田成美似で、表情や細かい仕草の一つ一つが観客の心をほぐしてくれる。
    倒すべき敵、亀田佳明氏の強大さ。強烈な負のフォースはシスの暗黒卿並み。勝ち目の見えないサイコパスに一体どうやって立ち向かうのか?

    1964年のミッション・スクール(キリスト教系小学校)、転校してきたただ一人の黒人の男の子。担任の教師に校長は、何かあったらすぐ知らせるように厳命するが···。

    名シーンが多過ぎて言及し切れない。「シアター風姿花伝」が世界の演劇の中心になった瞬間が確かにあった。

    ネタバレBOX

    この圧倒的な三人の中に1シーンだけ放り込まれる黒人少年の母親役、津田真澄さん。黒塗りする訳でもなく、そのまんまで成立させてみせる見事な演出。この母親と校長の会話が至極の出来で、“正しい”は必ずしも“正しい”わけではないことを如実に示してみせる。彼女の生活を伴った言葉のリアルさに誰も敵いはしない。それでもこの迷宮の中で心折れずひたすら前に進み続ける那須佐代子さん。きっと彼女は幼少時、同じような心の傷を抱えたのだろう。

    キリスト教を棄ててでも、本質的な意味でキリスト教であろうとする覚悟。”宗教“はドグマ(教義)を否定したところから始まるのか?

    開演前SEのセンスが良い。Blurやカイザー・チーフスを思わせるブリットポップが最高。

    母親の言う「ハイスクール」は「ジュニア・ハイスクール(中学校)」の意味。

    ※8・4制(初等学校8年、ハイスクール4年)が正しいようである。

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