ダウト 〜疑いについての寓話 公演情報 風姿花伝プロデュース「ダウト 〜疑いについての寓話」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    プレビュー・序・破・急とチケット代は少しずつ高くなっていく。観るのなら、今すぐチケットを確保した方が良い。多分評判が評判を呼んで、なかなか取り辛くなるのでは。既に観劇後チケットをリピートしている人も沢山いた。演出の小川絵梨子さんが開演前の挨拶で「プレビューの観客の反応を見て更に演出を変えていく」と。ここまで完璧な作品を弄って一体千秋楽にはどうなってしまうのか?想像もつかない。重苦しいシリアスな話を細かなギャグを散りばめることで徹底的にエンターテインメント化。小川絵梨子さんのセンスが冴える。

    「キネマの天地」の女優っぷりに圧倒された那須佐代子さんだったが、今作は最早そんなもんじゃない。メリル・ストリープ(映画版で主演)やジュディ・デンチ、ジョディ・フォスターに並ぶ名演。「シアター風姿花伝」のオーナーとして、最高の仕事をこなしてみせた。
    対する伊勢佳世さんはジブリ顔の美人。細面の安田成美似で、表情や細かい仕草の一つ一つが観客の心をほぐしてくれる。
    倒すべき敵、亀田佳明氏の強大さ。強烈な負のフォースはシスの暗黒卿並み。勝ち目の見えないサイコパスに一体どうやって立ち向かうのか?

    1964年のミッション・スクール(キリスト教系小学校)、転校してきたただ一人の黒人の男の子。担任の教師に校長は、何かあったらすぐ知らせるように厳命するが···。

    名シーンが多過ぎて言及し切れない。「シアター風姿花伝」が世界の演劇の中心になった瞬間が確かにあった。

    ネタバレBOX

    この圧倒的な三人の中に1シーンだけ放り込まれる黒人少年の母親役、津田真澄さん。黒塗りする訳でもなく、そのまんまで成立させてみせる見事な演出。この母親と校長の会話が至極の出来で、“正しい”は必ずしも“正しい”わけではないことを如実に示してみせる。彼女の生活を伴った言葉のリアルさに誰も敵いはしない。それでもこの迷宮の中で心折れずひたすら前に進み続ける那須佐代子さん。きっと彼女は幼少時、同じような心の傷を抱えたのだろう。

    キリスト教を棄ててでも、本質的な意味でキリスト教であろうとする覚悟。”宗教“はドグマ(教義)を否定したところから始まるのか?

    開演前SEのセンスが良い。Blurやカイザー・チーフスを思わせるブリットポップが最高。

    母親の言う「ハイスクール」は「ジュニア・ハイスクール(中学校)」の意味。

    ※8・4制(初等学校8年、ハイスクール4年)が正しいようである。

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    2021/11/29 21:44

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