実演鑑賞
満足度★★★★★
#亀田佳明 #伊勢佳世
#津田真澄 #那須佐代子
正義、真実、純粋……それらは正しさとなり得るのかは、たくさん議論されていることだ。同時に、善と悪の対決は見た通りなのか、悪と善ではないのか。視点を変えれば見えるものも変わる。厳しさと優しさも同じことが言える。信じることと疑うことはどうだろうか。権力を持つ者は正しい行いと思想や判断を有するモノなのか。コトを詳らかにすることは虐げられた者を幸せにするのか。白と黒に色分けすることとグレーを受け入れることはどちらが幸福なのか。頭をフル回転させ自身の倫理観を問い続ける。圧巻の100分。結末がそうとは限らないけれど、終演後はなんとも清々しい。きっとそれは、ホンモノの俳優が四人、そこで生きてみせてくれるからに相違ない。一点の濁りもなく、そこで目の前の悪や不道徳や不条理と闘ってみせてくれる。映像であろうと舞台であろうと、お芝居に携わる全ての……いや、もう本当に全ての人に観てほしい。演劇の素晴らしさ、俳優の凄さがわかるはず。
さて、教室で生きている者として、どれだけできているのか自問している。津田さん演じるアノ人の思いがジリジリと詰め寄ってくる。
日本人は……いや、ワタシは、あんな風にキチンと議論できるだろうか。できてきたろうか。心許ない。ましてや地位や名誉や権力を有する相手と。誰とどういった状況であっても、冷静で物怖じせずに対処できる人間に……なれないけれど、なろうとする姿勢や気持ちを持ち続けたいものだと思っている。
素晴らしい時間だった。