「侠」  君、逃げたもうことなかれ 公演情報 「侠」 君、逃げたもうことなかれ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-4件 / 4件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    非常に凝ったストーリーで、役者さん達も素晴らしく、大いに楽しめました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ちょっと意外な展開だったが、昭和の価値観の人間には納得出来るプロット
    キャスティングの妙でいい味出ていた
    シンプルなセットだが、照明と音響が実に効果的だった

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     ホリゾント中央に額に入った「侠」の字の墨書が掲げてあるが、これは今作の展開する双葉デパート・お客様相談室長、九条侠介の名前から摂ったものである。他に舞台美術は下手と上手に丁度司会台の高さほどの所に書類が置けるようになっており、正面だけ目隠しに書見台に直角に延びている部分を除き側面は書見台に向かって斜めになった三角を形成している台。中央には両側面に箱馬収納場所のある直方体。この直方体奥に椅子1脚とシンプルだ。華4つ☆

    ネタバレBOX


     設定で褒むべきは、物語の展開に地方のデパートを据えたことである。言う迄も無くこの設定には深い意味がある。選挙の趨勢を見るまでもなく一般論として都市部より地方の方が保守的であり、産業形態、就労し得る産業の少なさ、それらの産業への就労形態等々からこの保守傾向図式は広く用いられ、指摘したような地方事情形成即ち日本的不条理にも寄与してきたのは衆知の事実である。
     因みに侠の字は俠の俗字にあたり、夾は脇の下に挟むが原義。弱者を庇い抱き抱える力のある者を意味する所から男伊達という意味が派生した。この男伊達に対応しているのが、矢張り侠(俠)の字を用いで表される‟おきゃん“である。今作のタイトルが与謝野晶子の有名な一節をもじっているのと同様、侠(俠)を巡っても言葉遊びが上手に用いられていると言って良い。
     ところで、今作の台詞の中でクレイマーと苦情を述べる客とを比較する場面が出て来るが、イマイチその差が明確ではないように思えた。苦情を述べる客は、企業の気付かなかった改善すべき点を気付かせてくれる意見と室長は捉えておりプラス評価だが、この点を意識した上で社長に見込まれ助っ人として入っている倉持は終盤「それは苦情ではなく、クレーマーですよ」と客に述べていたと記憶する。このクレーマーという表現に引っ掛かった。ここは“言い掛かり”とでもした方が良いのではないか? 
     今作のもう一つの見所が、室長と倉持の方法的差異の対決にあることは言う迄もあるまい。深読みすれば、この点が最も面白く深いのである。余り書くとネタバレになるからここ迄とする。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    超面白い。日本映画でこんなものを作れれば客は戻って来る。伊丹十三が大絶賛された頃、「そんなに面白いか?」と思ったものだが、今作を観て色々と腑に落ちた。『シン・ゴジラ』で日本人にしか作れないジャンルの実在をしかと感じたように。
    多種多様な役者達、他の劇団ではまずお目にかかれない陣容。ルックスだけで痺れる。誰一人無理して作ったように感じるキャラがいない。

    地方都市(松山市?)にある双葉百貨店。主人公はお客様相談室長の九条侠介(内藤トモヤ氏)。退職する事が決まっている。新たにメンバーとして社長がスカウトしてきた倉持侑(和泉輪さん)が加入。次々と襲い掛かってくるクレームの嵐に誠意を持って立ち向かう。プロ・クレーマー達はヤクザや風俗嬢、たかり屋、中学校女教師など多種多彩。“クレーム“と“苦情”の違いを後任達に伝えなければいけないのであった。

    内藤トモヤ氏は深みのある存在、作品に重厚感を持たせる。伊丹映画の大地康雄的味わい。宝飾店店長役橋本智恵子さんが美しく、フジテレビの元局アナのような品がある。スナック経営のクレーマー役、大図愛さんもドギツく魅力的。正論で怒り狂う客、田野良樹氏もとにかくリアルな立ち居振る舞い。たかり屋稼業の親子、香戸良二氏と垣内あきら氏は最高に立ったキャラ。女教師役の高山佳子さんも怖かった。謎の苦情女、高岡季里子さんの不可思議な空気感。
    脚本の書き方のお手本のような作劇、感心した。暗転や移動中の会話、細かい演出にさりげない工夫。もっと皆に観て欲しい作品。

    ネタバレBOX

    九条の捉える苦情とは、百貨店をより良くする為のアドバイス。求めるものは店側にも客側にとってもより良い結果をもたらすアウフヘーベン(対立する論争をより高い次元に引き上げて答を導き出すこと)。対する倉持はクレームをノイズと認識して、如何に排除するか撃退するかに専念。
    かなり理想論ではあるが、更なる高みに至ろうとする九条の姿勢には人の可能性の余地が感じられる。

    笑いが薄いのが物足りないと言えば物足りない。物語の納め方も教科書通り。女教師のキャラが後半、別人化したような気も。誤解を招くので、女教師が黒幕でクレーマー達に報酬を渡しているのは倉持の妄想だとハッキリさせといた方が良い。

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