ユートピア 公演情報 ユートピア」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-8件 / 8件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    専制君主……どころか独裁的だった父の入院の報で久々に集った三兄弟。題材は違えど緊張感が漂う作風はここの特徴か。それでいて終盤でいつの間にかふわりと軟着陸する方向に向かうのが巧み。
    この少し前に観た吉田恵輔脚本・監督「空白」と通ずるモノがあるような気も。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    とても良くできていたという印象です。みんなそれぞれ頑張ってるけど噛み合わない、そんな感じがよく演じられていて、とても雰囲気内容が伝わりました。お父さんが頑張っているのになぜなんだ。と思うのもここまでじゃなくてもある話だなあと、拝見してました。面白かったです

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    家族…一律には語れない内容、それを父親を悪者(実際いるだろう)に仕立て親・子の関係を切り口に描いた秀作。血の繋がり、子にしてみれば親は選べない。切り口を抉ってみれば憎悪の塊だったか?表層の面白さ、その奥にある味わい深いさに酔いしれた。

    俺が働いて食わしてやっているんだ、女房・子供は言うことを聞け。妻(家内)は、家の中だけのことをやっていればいいんだ!…そんな夫であり父の絶対的力、傲慢な思い、悲哀は後からついてくる。一方子供たちは、そんな父親の傲慢な態度に辟易し憎んでさえいた。本作は父親の独善的な考えを前面に出し、それに対する子供視点で描いている。子の憎まれ口を通して父親像を浮かび上がらせる。同時に父親の思(重)いも付いてくる。
    シンプルなセット、キャスト5人という少数ながら、家族 特に父という家庭内の独裁者とどう向き合うかを体現。たしかに「少しだけ温かくコミカルでそれでいて胸に刺さる」見事な作品だ。
    この父親を反面教師にしようかな、あっ時すでに遅しか。

    (上演時間1時間40分)

    ネタバレBOX

    セットは、中央に卓袱台もしくはテーブルに見立てた台のみ。家族は父、兄・姉、そして物語をリードする自分(次男)、母はすでに鬼籍。自分が小学3年生、夏休みの伊豆高原での回想から物語は始まる。父親の言うことは絶対服従、その象徴がトランプのババ抜き。
    父曰く、一流大学を卒業し大企業へ入社、そして安定した生活を営むこと。自分の言うことを聞いていれば間違いない。子供たちは息詰まる生活、その抑圧された家を早く出て自活したかった。

    父が癌で入院・手術という事態になって久しぶりに兄姉弟が集まる。従順だった兄、姉は何となくすり抜け、自分は父の叱責を一身に負った。そんな兄姉、そして自分も変わっていた。従順だった兄も一流企業に入ったはいいが、ノルマに追われ、妻とは離婚協議中。姉は離婚し、年下男と同棲中。自分は転職を繰り返し不安定な生活。

    物語は父親の威圧さを強調して描いているが、当日パンフに「その人が構築されるまでには、家族の影響が多分にある」と。父親は貧しい家庭に育ったこともあり、早く家を持ち自分なりの家庭を築きたかった。セット卓袱台の上に立ち君臨する姿は、家をイメージさせる。冒頭の伊豆高原は会社の保養所、自分なりに家庭サービスもしていたつもり。自分の思いと妻や子供の意識、そのギャップを生み出し気がつかない。これは悲劇なのか、それとも「家族」という名の喜劇なのか?

    演技はそれぞれのキャラクターをしっかり立ち上げ、バランスも良い。特筆するとすれば、1人2役(姉と母)を演じた内海詩野さん。目元が母に似ているという台詞をきっかけに、それぞれの役の表情を演じ分ける。動作(母=家内は卓袱台内だけの動き、姉は卓袱台も含めその周りを動く)も実に自然体だ。
    亡き母へのプロポーズの言葉、「幸せに出来るかは判らないが、苦労はかけない。」に困惑の笑み。ちなみに漫画、映画化された「釣りバカ日誌」の浜ちゃんのプロポーズは「君を幸せにする自信はないが、ボクが幸せになる自信がある」だ。プロポーズに込めた思いが真逆の結果になるが、そう簡単に思いは通じないということか。
    さて、この構築された家族の行く末が気になるのだが…。
    次回公演を楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    良いシナリオだ。板垣雄亮(ゆうすけ)氏演ずる父親が強烈。独裁者であり、絶対的な支配者。”家族“を司る教祖であり、その根幹となる造物主。『血と骨』や『モスキート・コースト』、父親版『愛を乞うひと』でもある。前半は観ているだけで死にたくなる程苛烈。思い当たる節がある人にとっては観ちゃいられない地獄絵図。この父親が象徴するものが、人間を苦しめている諸悪の根源なのではないかとさえ。ババ抜きでそれを表現するテクニック。

    三人兄妹の末っ子の述懐から始まる。父親への呪詛、その父親に追従した兄への憎悪、惨めな奴隷としての生涯を終えた母親への無念。母の死から家を出、もう二度と父と会うつもりもなかった。そこに父親が癌で倒れ、緊急手術で危篤状態の知らせが来る。長らく家を離れていた長男、長女、次男が実家に何年振りかに集まる。

    板垣氏は兇悪な呉智英と云う感じ。何を言っても話が成立しない人間の典型。そのモンスターに対抗する対となる存在、内海詩野(うつみしの)さんも凄まじかった。母親と次女、叔母さん役もこなす。五人芝居で今作を演らせる劇団の要求も恐ろしい。内海さんの瞬間的な表情の変化がこの作品に緩急をつけている。次女の同棲相手である坂井宏充(ひろみつ)氏もギスギスした話を中和する重要なキャラ。三人兄妹の怨念の中立な聞き役でもある。

    落花生(ピーナッツ)を三人がひたすら食べながら会話をするのだが本当にかなりの量を食べている。矢鱈とそれが気になる。物語は三人の父親に対するトラウマ話の回想から、何故かそれを聴いている父親の魂へと視点は移っていく。

    設定は有りがちだが、真摯に取っ組み合った作家の魂の彷徨を是非とも体験すべき。

    ネタバレBOX

    子供達の罵詈雑言を、昏睡状態の父親の脱け出した魂がふらふらと彷徨って聴いている。妻がパート先の会社の社長と不倫していた話まで聴かされ、落語調に自嘲までする。何処で間違えたのか?何を間違えたのか?

    裏MVPは犬のコロッケ。雑種のゴールデン・レトリバーで舞台には登場しないのだが、重要な役回り。擬人化して登場させて欲しかった。コロッケが四面楚歌の父親を唯一庇って欲しいところ。
    名シーンは、死の淵に立つ父親の下に現れる亡き妻。かつてのプロポーズの言葉、「幸せに出来るかは判らないが、苦労はかけない。」に複雑な笑みを浮かべる内海さん。
    月並みな話だが、全ての解けない問い掛けは時間だけが答を育んでゆくのだろう。それには兎に角時間が掛かる。

    山田洋次調の坂井氏のプロポーズはもっと重要な父子の対面シーンを空気を読まずぶち壊すようにやって欲しかった。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2021/10/01 (金) 19:00

    身内に似たようなことがあった直後なので、感情移入して見てしまいました。こういう家庭内劇こそ小劇場の真骨頂だと思います。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    #ユートピア
    #singing dog
    誰もが家族への思いを抱いている。幸せな家族。辛い家族。苦しい家族。そして……家族を知らない孤児であっても。作品を観ながら思考の旅に出る。大概はそうした邪念が鑑賞の邪魔をするのだけれど、不思議と物語から脱落しない。余分なことのない、違和感のない、#藤崎麻里 さんの強固な脚本がなせる技。
    君臨する独裁者。勿論そこには愛情がある。それでも大きな力は歪みを生む。その姿は、一瞬にして我が父を思い起こさせる。認知症を患い施設にいて、この感染症の世界で20ヶ月も会っていない独裁者を。わたしは反抗し続けたハミ出し者。けれども、最後の手綱は断ち切れなかった。表面では戦ってみても、飛び立てなかった。コントロールされていた。その呪縛は解かれることがない。
    施設に入る前の最後の会話は何だったろう。毎回激昂し詰り合い
    「殺してやる」
    「嗚呼、やってみろ」
    そんなモノだったろう。保護された警察署に1時間もかけて迎えに行って、署で怒鳴りあった深夜1時。
    母が他界したことを忘れてしまう独裁者は、毎朝その"死"に驚き悲しんでいたことだけは哀れに思った。

    ワンシチュエーションの会話劇。中央にあるチャブ台は不落の牙城。拠り所にも監獄にも見える見事な演出を #吉田康一 さんが施した。独裁者の回顧で、スッと背筋を伸ばして横に座った #内海詩野 さんの美しさは絵画のようで、演出家の最大の功績ではなかろうか。
    BGMは演出家の片腕 #山口紘 さん。今作では音の存在を忘れるほどに、そっと自然に作品に寄り添った。終盤の心地良いリズムで、その存在に気付いてハッとした。
    総じて派手さのない物語なのだけれど、なんだか演劇の魅力が詰まっているように感じる良作だった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    1人1人は悪い人間ではないけど、家族としては全然うまくいかないし、
    人生もなかなか思うように進まない、
    という、ありきたりだけど切実な状況が、リアルに演じられていた。
    しんどいけど面白かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ピーナッツを食べているシーンがありましたが、結構長く食べていて、公演の度に食べるのは飽きそうで、大変ですね。鼻血が出るかも...(笑)
    亭主関白のお父さん、個人的には、嫌いなタイプですが、家族のためを思い頑張っているのにみんなに疎まれる。可哀想な気がした。努力が裏目に出ること多いでよね。
    ひとりひとりの感情の動きがとてもよく描かれていた。
    いろいろ考えさせられる、良いお芝居だった。
    ひとつ気になったのは、長女と母親が、同じ人が演じていたが、区別がつかず、混乱した。他の役者さんの二つの役は大丈夫でしたが。

    少し重いテーマではあるが、個人的には興味があり、とても楽しめた。
    満足でした。次回も楽しみです。

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