【会場が変更になります8.7】A-hoj!2021 公演情報 【会場が変更になります8.7】A-hoj!2021 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.9
21-24件 / 24件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    みのむし 「岩見重太郎・狒々退治の段」

    ネタバレBOX


     時は慶長年間某月某日、ここはある村の在・今年16になった庄屋の娘、糸が泣いている。その訳は村の社に祭られた神から白羽の矢が立てられたことである。糸は村一番の器量よし。娘を差し出さなければ村に禍が起こると矢文に警告されていた。偶々庄屋の家には有名な豪傑岩見重太郎が逗留していた。そこで指定された日、昼なお暗い社の森の奥社へ籠に載せて運ばれていった。やがて駕籠かきたちは、人魂や突如現れた大蛇に恐れをなしホウホウの体で逃げ帰ってしまった。暫くすると大きな狒々が籠を襲った。籠から出てきたのは岩見重多郎であった。重太郎と狒々の決闘が始まる。このシーンも中々見ものだ。というのもこの操り人形劇団は江戸時代の糸操り人形の技術を総て受け継いでいるという集団なのである。黒子は昼なお暗き森の暁闇に溶け殆ど目立たない。一方、人形の衣装は華やかで非常に鮮烈に観客の目に焼き付く。この辺りの計算も見事である。無論、人形操作も見事なものだ。おまけに痛快な作品である。
  • 映像鑑賞

    満足度★★★★★

    「小さな足の劇場」 
     ヴェロニカ・ゴンザレス。アルゼンチン出身の彼女だが、現在はイタリアに住んで活動している。

    ネタバレBOX

    その表現法は仰向けに寝転がり観客席に向けた足裏を顔に見立てて衣装をすっぽり被せ、両掌を衣装の袖に通して足裏即ち表情のサポートに用いショートコントを発表するスタイルをとる。足裏を顔らしく見せる為に鼻や目等を装着するが時に帽子様の物を被せたり取った時には足指が髪の毛として機能したりもする。足裏の代わりに膝を用いることもある。兎に角、足と掌のコラボレーションが素早く而も素晴らしいので引き込まれる。ショートストーリーの内容は開明的でユーロコミュニズムの追及した理想を描いたような作品が多いが、根底には無論人間という生き物に対する普遍性人間観が在る。日本人には欠けているものだ。
  • 映像鑑賞

    満足度★★★★★

     Covid-19の影響で海外アーティストの作品は総て上演会場での映像鑑賞となっている。また有料だが今回の海外作品は1作千円、全作品は割引価格になって5千円で配信して貰える。(少しだけ追記)

    ネタバレBOX

    「ソロ」 
     チェコの偉大なマイマー3人の継承者、ラディム・ヴィヴァ―リの様々なパフォーマンスを描く。体の鍛え方が凄い。それは登場した瞬間に判断できるものだ。実地に映像を観ていて、パフォーマンスの最中に片足だけで腰を下ろして行き座り込む直前に浮いていた足を入れ替えてポーズを取るなどという離れ業は身体機能を鍛え抜かなければ出来ることではない。また、中性的な印象を齎すその身体は例えば片手をオーバーの片袖に通し反対の手で女を演じる等にも両性の差異が演技によってのみ如実に現れることで活きている。その所作たるやまさしくアート。ところどころにセクシュアルなくすぐりや笑いを入れている点でも大人の遊戯感覚が活かされている。
     ところで、今作の冒頭、ラディムはピエロの衣装で登場しているが、子の衣装は「Les enfants du Paradis(邦題・天井桟敷の人々)」でジャン・ルイ・バローが演じたアルレッティーが着ていたピエロ衣装に極めて良く似ている。これはラディムのジャンに対するオマージュなのではないか?
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    八王子車人形西川古柳座  人形浄瑠璃を基本とした車人形操りの劇団。

    ネタバレBOX


     元々は説教節だったのだが、先代(4代目)が義太夫の方が音曲が優れているということで説教節の演じ方のノウハウを総て義太夫方式に改めたことから現在の形の基本が創られた。現在5代目が跡を継いでいるが若い頃に海外で公演を行ったりしていた関係で現在では世界とのコラボレーションをも視野に入れるが、基本は浄瑠璃なのでその基本はキチンと守っている。ただこの劇団は“八王子車人形西川古柳座”という劇団名から類推できるように箱馬の半分ほどの高さの台に車を取り付けて自由に動けるようにし、この台車に演者が載って人形を操る。人形の頭と手の動きの表現が肝要である。本日の演目は「二人三番叟」を筆頭に、鈴を打ち振る所作を旨とした演目が続き、「東海道中膝栗毛」からの抜粋、尚今作が浄瑠璃として世に出るには、原作者十返舎一九の死後50年を要したとされる。次に安珍・清姫伝説を基に書かれた人形浄瑠璃の脚本「日高川入相花王」、フラメンコ風洋舞で幕を閉じる。時間が限られているので殆どの作品が、最も面白そうな部分を抜き出して演じられた。因みに三番叟は大地を踏み固めて地下に居る悪霊を追い払う為の儀式として演じられる。また鈴を振る所作は種撒きを表象し衣食住のうち最も生き物にとって大切な食料生産・五穀豊穣等を祈る為にこのような形で演ぜられてきた。

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