愛、あるいは哀、それは相。 公演情報 愛、あるいは哀、それは相。」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    昨年の前作で出演した劇団で、座・高円寺の劇作家プログラムでの作品。震災がテーマで、同じ日本人でも地域によって気質だけでなく受け止め方が大分違うのだと感じた。

    ネタバレBOX

    日本という狭い国でも、関東(東北)と関西では震災の影響や考え方は異なる。東京から西に逃げてきた、など当時から言われていたように他人事にも思えた。根っからの悪人がいないのが重いテーマの中で見やすくもあるが、本の優しさや願いであるのかも。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    初演を観た自分の目にこの芝居が今どう映るのか、あるいは広いステージでこの芝居を今どう演出して見せるのか、との関心につられて観に行った。
    幾分遠い(高い)席では座高円寺は不利なことがある。今回は台詞が聞こえない箇所や、若い女優が扮する人物の混同、「間」に語らせるニュアンスの読み取りづらさ、等あった。ただし(前記二つ目を除き)その根本の原因は、震災・原発事故からの歳月が初演時の倍を超えた今、確実に「当時なら皮膚感覚で共有できた」であろう一つの言葉が持つ含意や風景が、必ずしも一つに集約されない事にあるのでは、と思った。言葉は震災という唯一無二の事件から(良くも悪くも)解放された、という事になるか。
    原発事故に関して、時間経過によって明らかになっている(はずの)事実を示される事で、この歳月の空白を埋めたい(何もできなかった後ろめたさを幾らかでも軽減したい)願望を持つ自分は、震災直後に設定されたこのドラマによって「痛いところを突かれない」事に不足感を覚えてしまう。何とわがままな観客か、という事であるが、それが正直なところで実感である。
    初演とは俳優陣が大幅に変わり、いくつか演出が異なる部分もあった。総じて良くなったと感じる反面、やはりこの芝居は間近で、狭い空間で観たい思いは残った。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    4回目の公演となる劇団の看板作。
    2011年3月11日の福島県南相馬市の大津波がプロローグ。その年の9月、三重県伊勢市に亡き夫の妹夫婦を頼って疎開してきた母と娘二人。妹夫婦は喫茶店を経営しており、地元の仲間達の溜まり場にもなっているアットホームな店。この喫茶店での何てことはない日常をスケッチしていく。

    中津留章仁氏率いるTRASHMASTERSっぽい肌触り。当たり前のように飛び交う方言の遣り取り、軽い日常会話で示す濃密な一人ひとりの関係性、根の張った共同体の“場”を序盤から見事に観客に提示してみせる。
    マスター役甲津拓平氏、見た目は強面武闘派の宮迫博之似だがリアクションのリズム感が良く、多数の出演者を円滑に回す潤滑油として見事に機能。観客を退屈させない。
    出演者全員ただの賑やかしではなく、各々きっちりとしたドラマを背負っている所が脚本の見事さ。
    特筆すべきは無愛想な次女役の吉本穂香さんで、リアルな人物像を見事に造形。後半彼女の笑顔が零れるシーンなどほっとした。

    放射能汚染の謎、未だに福島原発周辺はどの程度汚染されているのか?10年経った今でも謎のまま。

    ネタバレBOX

    大津波の音響はセンサラウンド方式で、客席までビリビリ震える。

    大晦日の月夜、母娘三人で羊が牧草を食べている姿をのどかに眺めている。亡き父との家族の思い出話。ウミガメが大好きだったこと。その理由はウミガメが産卵の時、自分の子供達の為にどこまでも献身的に尽くす姿であったこと。
    店に店主家族や常連客達が集まり、伊勢の木遣り唄を披露して親子三人を盛大にもてなす。その真っ只中、電話が鳴り長女の行方不明だった恋人の死体が身元確認されたとの知らせ。
    仕事を辞め南相馬に独り帰ろうとする長女、それを泣いて止める次女と激昂する母。終わりの無い口論が続く中、ふと窓の外の光景を目にして静かに止む。観客にはそれは提示されない。母がじっと外を眺めながら長女の帰郷を静かに許す。シーン終わりに判るが初雪が空からしんしんと降り始めたのであった(照明エフェクトで表現)。素晴らしい名シーン。

    硬派ルポライター(宇鉄菊三氏)と母(清水直子さん)の今後を予感させる演出も上手い。久し振りに店にやって来たルポライターに次女が「お帰りなさい」と自然に口にする。男のはっとする表情。

    次女目線で淡々と世界を綴っても良かったのでは。
    全体的に凄く品の良いお話過ぎて、ドラマがドラマを突き破る瞬間みたいなものが観たかった。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    #TOKYOハンバーグ
    #愛、あるいは哀、それは相
    #清水直子 さん、#北澤小枝子 さん、#吉本穂果 さんの母娘が素晴らしい。この一家を迎え入れる妹夫婦の #甲津拓平 さんと #橘麦 さんも流石。
    珈琲が好きな人は香りがたまらないだろう。
    「HOTくれ」が「ほっといてくれ」に脳内変換されて、彼の地の声が木霊しているように思えた。
    ネット社会に溢れる情報、何かに忖度し偏るメディア報道。
    何がホントなんですか⁉️
    叫びとも思える声。
    その人たちが知りたいことは…いま⁉️未来⁉️それとも過去の事実⁉️
    毎年やってくるその日も、安全な(と思い込んでいる)場所で生きてきた者には、思い起こし思いを巡らせる日なのかもしれないけれど、そこに住む人や住んでいた人たちには変わらぬ同じ1日、日常なはず。
    人を思いやることについて考え、大切な人に思いを巡らせる時間がそこにある。
    席の間隔を空けた劇場で、味わっていただきたい。

    ネタバレBOX

    流れの良い戯曲だし、演出も丁寧でよかった。
    避難者に対するイジメやバッシング、長女が帰郷する理由、ライターが一家を取材する理由あたりは、もう少し描いて欲しいところ。
    先生の淫交疑惑の件とかはカットしてでも、その辺を加筆してもらいたいところ。
    そして、ラストシーン。
    あの瞬間を座席が震えるほどの轟音で再現する作品を幾つも観てきた。アレはやはり気持ち良くない。彼の地の人たちはどうなのだろうか⁉️あの地響きを感じながらあの音を耳にして終わることに、後味の悪さを感じるのはわたしだけだろうか。

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