『どんとゆけ』 公演情報 『どんとゆけ』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★★

    「どんとゆけ」そういう意味だったのかと分かった時の衝撃。

  • 満足度★★★★★

    出だしが『だけど涙・・』と同じ。もっともこちらが元祖である。以前元祖と併演された『あしたはどっちだ』も、元祖の物語の数年後設定のスピンオフ。元祖に出てくる最も特徴的な人物・青木しのの過去に繋がるのが『だけど涙』だ、とは本作(元祖)上演後の挨拶で知り、工藤千夏の構想の的確さにひどく納得する。
    それにしてもこちら元祖は傑作の部類。「死刑員制度」なる制度が存在する架空の物語であるが、想像を超えた状況に思わず笑ってしまう余白と、それでも場に流れる時間のリアリティが、絶妙に混在している。
    配役がまた絶妙である。なぜぽこぽこクラブの彼?いやいや。若い死刑囚役、メイド衣裳で迎えるその「妻」、被害者の父、妻。問題の焦点がスペクトルのように移り変わるのも素晴らしい。

    ネタバレBOX

    その他・・
    *積み上げたボール箱を止める木材が、所々十字架又は墓標となっていた(『だけど涙』では前列最端の席で分らなかった)。
    *本作の初演(2009年)の前年公開された映画『接吻』がちょうど死刑囚の妻になる女の話。触発されたと想像するが、映画は女性の「精神(狂気?)」に焦点化していったのに対し、本作は明確なテーマを据え、しかも女性の存在に芯が通っている。
    *「死刑員制度」はネガティブな制度ではなく、死刑の正当性を被害者(遺族)感情のみに限定し、被害者が望まなければ死刑は執行されない点で、一定進歩した制度だ。被害者側も処刑に立ち会う事以前に刑に処する決断を行なう点で覚悟を求められる。
  • 満足度★★★★★

    どん。『だけど涙が出ちゃう』より良かったです。

    ネタバレBOX

    『だけど涙が出ちゃう』から何年か経った後の話。『だけど涙が出ちゃう』の被害者の一人の娘青木しのが、死刑員制度に基づく死刑の執行に立ち会ったことにより人が死ぬところを見るのが好きになったようで、『だけど涙が出ちゃう』で使用した家に住み、死刑囚と獄中結婚してその自宅を死刑場に提供するという話。

    過去に二人の死刑に立ち会ったと話していましたから、獄中結婚は二度目のようでした。舌なめずりしながらその時を待つという感じの姿は凄味がありました。

    そして、題名にもある”どん”とは、刑務所内で死刑が行われていた頃の、板が外れて死刑囚が落ちるときの音のことでした。最後のドンにはドキッとしました。
  • 満足度★★★★★

    脚本、演出、音響、照明、演者どれをとっても素晴らしい。
    暗いテーマでありながら、笑いとのバランス感が絶妙。
    結構な数の舞台を見てきたつもりですが、独白シーンや、ゲームのシーンにこれほど魅入ったことは今までない。
    それくらい他のシーンも含めぐいぐい引き寄せられました。
    朝10時からの公演でしたが、まさしく目の覚める一本でした。

  • 実演鑑賞

    どんとゆけって、そーゆう意味だったとは。
    死刑囚の妻になることで、死刑観覧に興奮覚えた、青木しの(主人公?)が、いずれ再演するであろう続編でどんなキャラになってるか楽しみ。

    三部作になった「だけど涙が出ちゃう」「どんとゆけ」「あしたはどっちだ」のタイトル由来は分かったが、劇団名の由来が分からないのにモヤモヤしました。

    おはようございますの早朝公演やって頂いて感謝。この後もう一回やってバラして青森ですか。お疲れ様でした。

  • 三演目の「どんとゆけ」。素晴らしかった。血肉の通った柔らかい津軽弁、地元のトランプゲーム、お馴染みの家庭の味、形式的な賛美歌の合唱で人間の変わらぬ営みを示し、その真ん中に「死刑」と名付けられた殺人を据え付ける。これからも劇団の財産として、新しい出演者とともに、大切に上演し続けて欲しい。

    ネタバレBOX

    刑務官が子だくさんなわけ。
    柱の頂点の十字架たち。
    死刑囚と結婚したしのの過去が「だけど涙が出ちゃう」で補完される。彼女もまた死刑員制度の被害者だった。
  • 満足度★★★★★

    前にもう一方の同時公演『だけど涙が出ちゃう』を観劇したおかげの相乗効果がめちゃ大きかった!
    既に架空の法律「死刑員制度」に対しての免疫(?)が出来ているというか、勝手もよ~く分かっているだけに、本作での登場人物の心情がとても汲み取りやすい。

    『だけど涙が出ちゃう』では被害者の子供、当時まだ女子高生だった彼女が、こんな風な大人の女性となって本作に関わっているのだと思うと、何とも複雑に感慨深い。
    執行案内役の保安員は地元青森出身の職員に変わっていて、その違いからくる影響も大きく、緊張感と日常的な緩みのバランスがこれまた絶妙。

    「こんな残酷な制度が現実に成立するなんて…」という思いは一旦据え置いて、本制度のルールに基づき進行する出来事からポロポロこぼれ落ちてくる登場人物達の心の内をひとつひとつ拾い上げながら、改めて人が人を裁く行為、つまりは真の正解など見つからない迷宮の中を彷徨い歩く、そんな世界観を存分に楽しむ事ができました。

  • 満足度★★★★

    手錠で腰縄で茶の間に連れてこられた若い死刑囚に、目のギラギラした美人が「似合ってる!」と嬉しそうにいう。そんなブラックユーモアからはじまって、死刑員制度で被害者の老父と若い妻と、見守りの刑務官が死刑執行までの1時間を、一緒に過ごす。かつて死刑を執行していた刑務官の、死刑執行の、踏み板の開いて、落ちる音が耳をついて離れない、のセリフが良かった。

    被告と文通し獄中結婚したという女性(最初から出た美人)がいることで、演劇になったと言える。出ないと、死刑囚と被害者家族のぶつかり合いだけになる。刑務官がいるだけでは、この単純な構図は破れないが、この変な女性の存在で、人物たちの関係が複線的立体的になり、バランスも取れる。

    俳優はみな好演。死刑囚の嗚咽や、腰の立たないほどの恐怖などなど、言葉にならない感情をみなぎらせて、特に良かった。
    80分休憩なし。2008年初演の三演目だという。

    ネタバレBOX

    最後、どう終わらせるのか。第一は死刑を行うのか、やめるのか、あるいはなんらかのジャマが入って延期とか取りやめとか。遺族が温情を発揮するという結末は甘すぎるから、執行してその後の後悔や苦さを強調するかと予測した。しかし見事に裏切られた。

    執行間際に、遺族の妻の新しい恋人(店長)が飛び込んできて、この人物が新しい見方を提示する。やはり、変化は新人物の登場によって起きるとは、演劇的セオリーの一つ。
    「悪いのはあの人、人殺しとは結婚できないって」という妻のセリフで、舞台に新しい奥行きが生まれ、犯人だけでなく、死刑もまた人殺しという死刑批判が提示される。
    それまで、妻が犯人に向かって「こんなの人間じゃない。ただの人殺しよ」など人殺し呼ばわりを何度もしていたので、ラストの台詞で大きなアイロニーがうまれる。

    また、この家で既に二人死刑執行されたというのも、今回の執行を相対化するとともに、変な広がり、死刑フェチとも言える女性の不気味さがうまれて、残酷さを緩和する。
  • 満足度★★★★

    ■80分強■
    死刑囚の近親者(?)の人物造形に妙味があり、面白く観た。

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