公演情報
「堕落ビト」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★
天使の堕胎事件は、1949年11月×日と、やけに日付まで愚痴的なので、モデルになる実話があったのかと思うと、やはりあったそうだ。九大生が、妊娠した相手の諸湯学校教員女性の中絶手術を行って死なせた「九大生死の堕胎事件」。それをモチーフに、田舎の風習と情念、エリート層の家庭の束縛と貧困家庭に育った女性の上昇志向、そのズレ違いが生んだ悲劇を描いた。
おどろおどろしい事件の展開を、群読の登場人物が、ギリシア悲劇のコロスのように、運命として人間を超えた力で事件に突き進んでいく。
コンパクトな1時間40分。
満足度★★★★★
鑑賞日2019/08/27 (火) 14:00
座席1階1列
すみだパークスタジオ倉での桟敷童子公演、舞台前面には広い横幅に厳然と舞台と客席を分けるような柵めいた仕様があって、「ここから先は芝居空間です」といった強い分断感がある。(悪いと言っているわけではなく、創作空間への強い拘りだと思っている)
しかし、サンモールの横が狭い舞台でそれをやると閉塞感が際立ちダメだと思ったのだろう、今回は舞台をオープンにして、客席との連続感を打ち出した。
時として、登場人物は舞台前の段差のところで蹲り、時としてコロス風に状況を語り、遠隔の存在感を醸し出し、登場前・後の不穏な空気を湛える。最前列の席の前を小走りで通り過ぎる役者たちの存在感は、桟敷童子の舞台では新鮮だ。
狭い舞台では、従来の同時進行的な劇演出ができないところを、登場人物たちのリズムある動きを伴った語りによって補っていく。
飛べないものは、落ちることもできない。そして飛ぼうとしないものは、飛ぶことすらできない。つまり堕落しようとするものは、高邁でなければ堕落することもできず、高邁であろうとしなければ、そうあることもできない。
冒頭、登場する八雲、村瀬、中條の3人は堕落に至ることを声高々に語り、その精神を称揚する。この辺りは若者特有の自尊心に満ち、稚拙さが愛らしい。しかし実際に堕落する権利を持っていたのは誰か?まずのポイントはここ。そして、実は堕落していくのは、この3人ではなく、、、というのが、この物語の肝。
満足度★★★★
鑑賞日2019/08/23 (金) 19:00
価格2,800円
実際にあった事件をモチーフにしたフィクションにして劇団員のみの小規模公演、序盤には笑いもあるがやがて物語は悲劇に向かう。
結末も悲劇でありながら、それでも強く生きてゆく人物も併せて描かれるのが巧みで、そこが桟敷童子らしいところか。
また、この規模の会場だからできる複数の場・会話を交錯させる手法でテンポアップを図っているのもイイ。(すみだパークスタジオでは声が響いて聞き取りにくくなりそう)
ちなみにすみだパークスタジオ以外の会場での公演は(成子坂のアトリエは別として)ザ・スズナリでの「紅小僧」(2013年)以来。
満足度★★★★★
鑑賞日2019/08/28 (水) 14:00
座席1階
勉強不足で終戦直後にあった「九大生死の堕胎事件」は知らなかった。今回の舞台はこの実話をモチーフにした物語。死の堕胎事件を天使の堕胎事件にしたシャレが効いているが、この舞台の面白さはシャレではない。1時間半のコンパクトな構成だが、どんどん舞台に引き込まれた。
東憲司の得意とする、場面説明も役者にかたらせ、照明をうまく使って場面転換を交錯させるテンポがいい演出に、今回も翻弄された。今回のカギとなる色はブルーだ。この青色が物語を導いていく。
物語も終戦直後の貧しい日本の田舎町に生きる人たちの胸の内を織り交ぜ、グッとくる場面が幾度かある。
桟敷童子の役者たちも本領発揮だ。小学校教師役の大手忍のクレシェンドという感じの演技はすごい。小劇場ならではの迫力に圧倒された。今回はいつもの劇場を飛び出して新宿での上演だったが、これまでに勝るとも劣らない迫力舞台に大満足だ。
満足度★★★★★
受付や入場時に役者さんやスタッフが元気な声と笑顔で案内や誘導をしてくれ、とても心地のよい応対。上演開始を待つ間にお芝居に対する期待も自然と高まる。観劇は受付からすでに始まってると思うので、こういうオペレーションを構築してくれてるの、とても大切だと思うしありがたい。
いろんなピースが組み合わさった結果、悲劇に向かわざるを得なくなるの、すごく説得力あった。すみだパークと比べ役者さんとの距離も近くすごい迫力。
満足度★★★★★
サンモールスタジオでも桟敷童子。
舞台美術に塵芥と並んだ竹邊氏は調べると5年程前に一度だけ観たおぼんろの美術担当であった。客席エリアも装置の一部とし細部に拘った美術が印象的で、桟敷との共同作業というのも頷けた。
すみだパークは横広に使ってなお奥行があるのに比べ、特にクライマックス(屋台崩し的ラスト)の迫力は遠く及ばないが、狭いサンモールを最大限活用。
今回俳優陣が小編成であるのも容量と関係していそうだが役者の丁々発止が加速が止まらないのをどうにか抑制している、と見える程に鮮やかで普段に輪をかけて「芸」の域。
ドラマは近年の桟敷童子が傾斜するペシミスティックな人間観が濃く垂れ籠めて、時代設定は敗戦直後だが現代日本に影が伸びる。ちょうど先日のドガドガ+と同じ時代の「気分」を史実に分け入って再現しながら、舞台としての色彩は全く異なるのが興味深い。
満足度★★★★★
いつもより大分小さい劇場でしたが最後はやはりやるんですね。青を基調にした美術が綺麗でした。
出自の違いにより相入れない価値観が悲劇を生んでしまったんですね。