ライライライ！

トツゲキ倶楽部（神奈川県）

公演に携わっているメンバー：8人

【団体紹介】

2006年に、主宰・横森文により、ある日突然、芝居したくなる奴らがぶわ～っと集まって演劇してしまおうぜ！　という心意気で結成した演劇ユニット。略して、“トツゲキ”。老若男女誰もが楽しめるスタイルを目指し、基本的にはエンターテインメント要素の強いストーリーをベースにしている。その上で、舞台ならではの、役者の生身の肉体が“生きている”ことで表現できるリアリティにこだわり、演劇でしかできない虚構性、客観性といったさまざまな表現の在り方を模索しながら、「ありえないけどありえるかもしれない状況」と「ゆるくもしっかり生きている言葉と演技」で独特な人間模様のおかしさを紡ぎ出す。いろんな意味で演劇の奥深い愉しさの入り口になれるような作品作りを目指しています。「敷居は低く、意識は高く」の精神で。2015年に俳優部の創設により、劇団化し、現在に至っています。

【応募公演への意気込み】

演劇は今こうして生きている社会と密接に繋がっていると考えています。これまでも基本的には誰でも楽しめるエンタメ作品を貫きつつも、例えば前作『笑うゼットン　風雲再起』なら戦争やメディア、いじめという問題、『いいヒト』では不景気によって倒産に追い込まれる老舗という設定など、常に現代社会と関わった形で、さまざまな人間模様を描いてきました。今回の『ライライライ！』も世の中にあまりにも嘘がまかり通ってるさま（特に、国のトップの方）に呆れ、以前から構想していた物語に、"渡る世間は嘘ばかり"という個人的思いを込めて、『ライライライ！』と名づけました。さらに、演劇ならではの"誰かを演じる"行為そのものをエンタメの形にしようという狙いもあります。今回はひとりのおばあちゃんを巡る家族の物語をベースに、認知症や後期高齢者社会の問題に触れつつ、演劇ならではのエンタメを目指したいと思います。

【将来のビジョン】

演劇を身近なものに、というモットーで今までやってきました。映画や音楽のように、演劇ももっともっと身近に楽しめるものなんだよう、と世の中に広めていきたい。これからもそのモットーは変わりません。そのためには演劇としての精度をさらに挙げ、より多くの方に観ていただけるように知名度も集客もアップしていきたい。演劇（特に小劇場演劇）は、どうしても若手と括られる劇団が注目されがちだし、人間の闇みたいものが題材にされるシリアス系の作品が評価されがち。トツゲキ倶楽部は作り手側の年齢的には若手ではないけれど、団体そのものも作家デビュー的にもまだ十数年しか経っていない若手。その中で、現役大学生から50代まで幅広い層の客演役者陣が作品世界を作っている。確かにエンタメではあるけれども、いろんな考え方が交錯する豊かな作品になっていると思います。そのことを幅広い方に知ってもらうためにも発見してもらい、評価していただきたいです。