- HOME
- 舞台芸術まつり!TOP
- 舞台芸術まつり!2020春
- 応募作品
入りやすい峡谷【公演中止】
はなさじ企画(東京都)
公演に携わっているメンバー:5人
- 【団体紹介】
- 2017年、観客を作品の一部とすることを意識した演劇を手がける企画として旗揚げされた、シラカン所属、青木幸也が主宰・脚本・演出をする企画。
人間の思想や記憶は意外と曖昧だったりする。それぞれが断片だったりする。矛盾してたりする。はなさじ企画はそんな曖昧さをリアルに作品に表現する。整った美しさではなく、ちぐはぐな現実と人間の感情、記憶を軸に、曖昧だからこその美しさを丁寧に優しくけれどどこか悲しく描き出す。
主な作品に『ほのあかり』(多摩美術大学上野毛校舎本館301教室、2017年)、『おめめ(目目)ぼうぼう(茫茫)』(花まる学習会王子小劇場、2018年)、『どうやら遺伝的なものらしい』(花まる学習会王子小劇場、2019年)、『弱法師』(エリア543、2019年)、『ウトウ』(エリア543、2019年)。
『どうやら遺伝的なものらしい』(花まる学習会王子小劇場、2019年)が佐藤佐吉演劇祭2019にて、優秀演出賞・特別賞を受賞。
- 【応募公演への意気込み】
- 概要
人間は様々な「矛盾」に苦しんでいる。そして人間の人格は外部から得た情報を内部で咀嚼することにより形成される。近代までは国、地域、家族などにより思考、思想の方向性は受動的に獲得してきた。しかし近年グローバル化や色々な情報媒体により様々な地理的な区域を越えた思考、思想にさらされるようになった。そのため、より能動的に内部に入ってきたものを選択しなくてはならない。「矛盾」した様々な思考、思想を持っている人間がどう成長していくかを表現し、人間の「矛盾」に対して新しい切り口を提示する。
方法
エッシャーの絵画作品をヒントに「劇中劇」を用いる。劇中の劇中の劇中の…、と連なっていく様はまるで人間の内部へ入り込んでいく感覚を覚えさせることだろう。舞台と観客席の「矛盾」、劇場の内側と外側の「矛盾」を内包した「劇中劇」により「没入型」「参加型」といった表現では区分できない劇体験を目指す。
- 【将来のビジョン】
- 演劇は総合芸術です。
台本には文字があり、演者が話すことばがあり、演者たちが織りなす身体パフォーマンスがあり、音楽があり、照明があり、舞台美術というビジュアルがあります。舞台に立つ演者以外にもたくさんの人が関わってできるものです。たった1人の画家が描く絵画作品とも、たった1人の作家が書く文学作品とも違います。
だからこそはなさじ企画は劇団ではなく企画として、演劇を開ける芸術と捉えていきます。演劇は舞台の上にしか存在しないのか?そんな疑問を抱えながら、演劇の上演空間を劇場にとどまらない場所へと拡張させることも視野に入れ、演劇そのものの枠組みの拡張を大きな目標とします。
劇場を越え、美術館へ。劇場を越え、花屋へ。劇場を越え、公園へ。劇場を越え、行間へ。
そして舞台を越え、観客席へ。
演者/観客・舞台/観客席・時間芸術/空間芸術というような演劇を取り巻くあらゆるパラドックスを組み込みながら、「演劇」という従来の枠組みにとらわれることなく、演劇にしかできない、演劇を超えた作品を目指します。
公演に携わっているメンバー(5)