亡者の時代

タテヨコ企画（東京都）

公演に携わっているメンバー：8人

【団体紹介】

１９９９年に舞台美術家・劇作家・演出家の横田修と俳優・舘智子が結成した劇団です。 現在２１年目。活動中の劇団員８名。
旗揚げ以来、主に横田作演出の作品を上演。２０１６年からは俳優・青木柳葉魚も演出を担当。穏やかな日常の中に見え隠れする人間の普遍的な機微を、時にユーモラスに時に不可思議に描く横田作品と、土臭い人間関係を演劇のドラマ性と俳優の熱量に着目して描く青木作品。二人の異なる作風の演目を俳優それぞれが説得力のある存在感と鋭敏な関係性を持って繋ぎ紡いで劇団の作品にしています。
２０１５年より主宰・横田が活動の場大阪に移し、現在は東京・大阪を中心に公演活動を展開。山口、茨城、静岡など他地域での公演も行っています。

【応募公演への意気込み】

豊田商事事件を題材にした公演です。
お金って一体なんだろう？と考えたのがきっかけになっています。
私たちはお金に振り回され続ける生活を送っているのではないか？
お金というものが必要以上に思考の基準になりすぎているのではないか？
社会全般で拝金主義、金銭至上思想が大手を振って歩きすぎているのではないか？
どうして人はお金に執着するのだろうか？
それらのことを考えたとき、この事件が頭から離れなくなりました。
お金と日本人の関係性において、ターニングポイントはいくつかあると思います。その中にはやはり高度経済成長期とバブル期があるでしょう。
豊田商事事件はその時期を生きた人間が引き起こした犯罪です。
この人物を描くことで現在の私たちの抱える問題の一端を表出させたいと思います。
とはいえ、片難しくなく楽しめる演劇を目指します。

【将来のビジョン】

○東京・大阪での公演を軸に、その他の地域での公演を意欲的に行っていきます。
主宰者が生活の基盤を大阪に移したことを契機に、関西で演劇活動をされている方々との繋がりが出来てきました。こういった繋がりを全国の方とも作っていきたい。地域を越えた繋がりはこれからの演劇を支え、広げていく力になると思います。
各地域での公演を継続していく為にも、劇団作品の再演（レパートリー化）を念頭におき、強度のある作品作りを続けていきます。
また、小劇団だからこそフットワーク軽く公演を打てるよう、劇場以外でも公演可能な少人数出演の短編作品作りにも挑んでいます。

○現在演劇は様々な事情からその文化に触れる人の数が減少していると感じています。ことに小劇場演劇は危機的状況を迎えていると思います。この状況を改善するべく演劇・観劇人口の拡充に力を入れていきます。
追手門学院大学にて演劇を教えている主宰横田をはじめ、劇団員が高校の演劇講師、幼年者向けの演劇ワークショップ講師、ワークショップディレクターとして個々に活動しています。これを劇団の活動と結びつけ、幅広い年齢層の方に演劇体験を普及させていきます。ワークショップ、参加型イベントを行い、観る者と演じる者の境目を無くしていきたい。知る・体験することでより深く演劇を楽しめると考えるからです。一億総演劇人化とでも言えましょうか。
また、タテヨコ企画は公演中に低価格の託児付き公演日を必ず設けています。結婚出産など生活の変化に伴い観劇する機会がどうしても失われがちです。そういった方が少しでも劇場に足を運びやすくすることで、観劇を継続してもらいたいと考えているからです。
ワークショップなどで演劇を知り楽しんでもらえるよう、すでに演劇に触れている方にはより快適に観劇・体験できる環境を整備することに努めていきます。