ぜんぶのあさとよるを【公演中止 4/20~】

Pityman（東京都）

公演に携わっているメンバー：12人

【団体紹介】

よみかたは「ピティーマン」
山下由の脚本・演出作品を上演する団体です。

『いちばん大きなものは、いちばん小さなもののなかに』を標榜。
余白を持たせたシンプルな俳優の台詞と身体で観客の想像力に様々なテーマを訴えかけ、繊細な日常描写と現代的でドライな人間関係を持つ青年たちのさみしさを会話劇でえがき、小さな部屋の片隅の“なんでもなさ”から世界を照らしだそうとしています。


2011年に山下由が個人企画として旗揚げ。
2013年に劇団化。以降年2~3本のペースで作品を発表。
代表作『ハミング・イン・ウォーター』は仙台、石巻、大阪の三都市で上演。
2018年から再演企画を行う。第一弾『ハミング・イン・ウォーター』(2018年)。第二弾『ばしょ』(2019年)。第三弾『ぜんぶのあさとよるを』(2020年4月)。
また、劇団内劇団と称してPityChan(ピティーちゃん)を立ち上げ、観客席と舞台上の演劇的関係への疑いと破壊、再定義を投げかける作品も創作しています。

メンバーは山下由、藤田りんご、タナカサワキ、長野功。

受賞歴
・若手演出家コンクール2013『ハミング・イン・ウォーター』、2014年『ぜんぶのあさとよるを』優秀賞
・第8回せんがわ演劇コンクール『ぞうをみにくる』劇作家賞
・門真国際映画祭2019舞台映像部門『ハミング・イン・ウォーター』優秀作品賞、最優秀編集賞

【応募公演への意気込み】

人を好きになります。誰かともっと仲良くなりたいと思います。
誰かと言うのはあいまいな誰かではなく出会った具体的な誰かです。でも中々、仲良くなることは簡単ではありません。
自分のやわらかい場所を見られたり、相手のものを見てしまったりしながら受け入れたり受け入れられたりしなければなりません。それはとても怖いことです。傷つくことは怖いことだから入り込んだり入り込ませることを躊躇してしまいます。
でも昔はそんなこと考えもしなかったはずです。好きなら、それが例えどんなに傷つくことで、相手に届かないかもしれないとしてもあなたが好きだと一生懸命伝えました。僕は傷つかず、傷つけないために関わらないこと、適度な距離を取ることをいつの間にか覚えてしまいました。確かにそれは大切なことです。でも本当に大切なこととは違うような気もします。そういうことをかけたらいいなと思います。

主軸となる二人の女性の十年は同性愛や友情、純愛や名づけることの出来ない男女関係を経ながらいつも寂しさを埋められません。
傷つかないためにドライになってしまうコミュニケーションとその向こうにあるドライではいられない揺れ動きは、他者との関わりかたや互いを考えるきっかけとなりうるものと考えます。

多様な性と生のありかたを描いた『ぜんぶのあさとよるを』は2014年の初演時に多くの観客からそれ以前の公演とは異なる感想を得、コンクールでも評価され受賞をするに至りました。

再演するにあたり、主軸となる二人の女性と周囲の人物の描写、やりとりをさらに深く掘り下げ、より多角的な目線で多くの観客に届く作品にしたいと思います。

【将来のビジョン】

①劇場に来たことがない人にとっての”演劇の観劇”はハードルがとても高いので、劇場ではない場所で演劇のもつインスタレーション的な一面の境界線を押し広げてゆく企画を行い、観客と舞台上の関係性を崩す作品を発表し、新たな観劇体験に挑戦し新たな観客と出会うことを目指します。

②劇場や演劇から遠い場所にいる新たな観客と演劇をつなげるため、映像投稿サイトなどにおいても演劇的手法や構造を用いたコンテンツを制作し、発表します。

③新作を打ち出し続けることにこだわらず、自身の作品を何度も再構築しクオリティーを向上させ、何度観劇しても満足感が生まれるものを創作していきます。