未沙〜missa〜【全公演中止】

コマエンジェル（東京都）

公演に携わっているメンバー：7人

【団体紹介】

狛江市で活動する、更年期主婦パフォーマンスチーム「コマエンジェル」です。
アラフィフの主婦たちによるトゥーマッチな表現力と、自虐と自己愛に満ちたド派手なパフォーマンスで、狛江市民から支持をいただいています。
今ほど女性に優しくない時代、子供を産むという選択をした若き女性パフォーマーは、自分の舞台人生を諦めるしかありませんでした。
そんな過去に忘れ物をしてきた主婦たちが集い、若い頃にはできなかったような作品を作っています。
分娩室に置いてきた女子力に代わり、圧倒的な生命力を宿したおかんたちは、2006年に結成し、狛江市を飛び出し都内や都外にまで出没。
初めての単独公演「１０周年記念公演・幾星霜」は、再演に次ぐ再演をさせていただき、博品館劇場でその幕を閉じました。
足腰や記憶力が衰えようとも、若い頃に置き去りにした舞台への情熱はその当時をはるかに上回ります。
私たちの挑戦は、まだ始まったばかりです。

【応募公演への意気込み】

本作は、主宰荻野が過去に、当時の劇団「演劇倫理委員会」で上演したものを23年の時を経て書き直した作品です。
クリスチャンでない作者の脳裏に生きる「人間・イエス」を、ダウン症のシスター志願生「未沙」の中に詰め込みました。
お笑い系ダンスをしてきたコマエンジェルにとっては、初めてのお芝居となります。
育児で芝居を離れてから、数えきれないお芝居を、見る側に徹してきました。完全に蚊帳の外から見た芝居の世界には、課題がたくさん見えました。
コマエンジェルという団体で、言葉を使わずに伝えたいことを表現する作業を始めてから、「言葉」の安易さと難しさを痛感してきました。
言葉を扱うことへの恐怖から、芝居に復帰することができずにいた荻野が、時を経て再演する機会を得た作品が、今回の作品です。
この作品は、子供を産む人生を選んだ今回の役者たちにとって、「過去においてきたものの奪還」でもあります。
私たちの20数年間の人生を注ぎます。年を重ねた新人女優たちの挑戦を、見届けていただきたいです。

【将来のビジョン】

年齢的にも、規模を拡大、知名度アップなどの目標は持っていません。
私たちのこの先への希望は、「年をとることは怖いことではない」ということを若い人たちに植えつけて行くことだと思っています。
幾つになっても、一度諦めた夢でも、その中でできることはあるのだと、若い世代に伝えたいと思っています。
だから我々は、ダンスでも歌でも、この歳でも新たに学ぶこと、挑戦することを恐れません。
「本当に不完全なのは、全てを完全に備えている人間なのではないか」。パラリンピックに学びました。
歩けなくなったなら、杖やカートを使った芸を生み出そう、体が動かなくなったら、動く箇所だけでできるパフォーマンスを模索していこう、そんな新境地を開拓していくつもりです。
まだまだ私たちは小娘だと思っています。来たる高齢化社会に、希望となれる存在になりたいです。
この先何十年も楽しむことを忘れない。それが私たちの将来のビジョンです。